2011年5月度目次 (御意見御感想は掲示板にどうぞ)→

 #1593 「印度(1)」 インド旅行・デリー編。
 #1594 「印度(2)」 インド旅行・ジャイプール編。
 #1595 「印度(3)」 インド旅行・アグラ編。
 #1596 「印度の神々」 インド旅行で得た知識にネット情報を足して。
 #1597 「推理」 明智さんは、自らの推理に足元を掬われたって事さ!
 #1598 「悲劇」 世の中には悲劇と喜劇が溢れている。
 #1599 「親分」 “ごま塩の親分”が売ってありました。
 #1600 「髭」 GWの間、一週間剃らなかったらどうなっていたか。
 #1601 「省略」 言葉の省略は日本古来の伝統である。
 #1602 「素」 ポータブル味の素。
 #1603 「セッカチ」 私は歩くのが速いのですが。
 #1604 「貴賎」 職業に貴賎は無いというのは、言葉で言う程簡単ではない。
 #1605 「遊戯」 ゲームセンター業界を支えている者。
 #1606 「食」 福島県産食材のおこわを食べました。
 #1607 「土竜」 人間モグラ叩き。
 #1608 「舌禍」 物言えば唇寒し秋の空。人の心と秋の空。
 #1609 「煙草」 輸出用煙草と、免税店専用煙草。
 #1610 「坊や」 坊やだからさ……
 #1611 「注水」 注水とか中断とか。
 #1612 「自宅警備」 雨により引き籠って、北斗の拳のラオウの敗因について。
 #1613 「無敵」 会社組織内で無敵のような感覚になってしまうのは……
 #1614 「将棋」 今ある将棋9×9は最も狭い。12×12、15×15……最大は36×36!
  AKA-ONI & AO-ONI

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2011年5月31日(火)
駅日誌(1614) 「将棋」

先日、新聞か何かで見て初めて知ったのですが、将棋には3種類あるらしい。現在主流の「本将棋」は従来は「小将棋」が変形した物。小という事は、中将棋、大将棋というのがあるそうなのです。

♂赤鬼「ほう、気になるな。今ある将棋は数ある将棋の中で最もシンプルな物だった、というわけか」
♀青鬼「中、大が気になるけど、その前に小将棋というのからして、今の将棋とはちょっと違うんでしょ?」
♂「調べてみると、小将棋は、今の本将棋とほぼ同じで、ただ、王将玉将の前に酔象という駒があったらしい。動きは王将玉将から真後ろを除いた各方位1マス」
♀「象!? アジアから伝わって来たゲームを匂わせるね」
♂「敵陣まで入って成るというシステムはある。象は太子に成り、王将玉将と同じ動きになるそうだ。その代わり、持ち駒システムは無い」
♀「持ち駒は日本人が考えそうなルールだよね。象が無くなって持ち駒が出来たというのは日本風アレンジで、だからこそ日本では本将棋が定着したんだろうね」
♂「では、続いて中将棋だが、これは12×12なのだ。駒は21種類でそれぞれ46個もある」
♀「普通の将棋は、8種類20個だよね。という事は倍以上の種類・数があるのね」
♂「駒は、王将玉将、金将、銀将、香車、飛車、角行、歩兵――ここまでは本将棋と同じで、小将棋の酔象と、最初から龍王(飛車成り)、龍馬(角成り)があって更に、銅将、横行、竪行、獅子、奔王、反車、盲虎、麒麟、鳳凰、猛豹、仲人」
♀「ひえ〜、聞いたそばからもう忘れた。強そうな名前の駒が沢山……」
♂「動きは、銅将が前方三方向と真後ろに1マス(金将から両サイドを除いた動き)。横行が縦1マス横無限、竪行が縦無限横1マス、奔王がチェスのクイーンと同じ縦横斜め無限、反車が前後無限、盲虎が王将玉将から正面を除いた各方位1マス、麒麟が縦横飛び越えて2マス斜め1マス、鳳凰が縦横1マス斜め飛び越えて2マス、猛豹が前後六方向1マス、仲人は前後1マス」
♀「もう良いよ……と言いたいけど、飛ばされた獅子は気になる」
♂「君は話を聞いていないようで、聞いているから面白いな。獅子は特殊な動きだ。1手で2度動く。王将玉将と同じ動きなのだが、2段階動けるのだ」
♀「……て事は、目の前の敵の駒を取った上で更に動いたり、元の場所に戻ったり出来るって事?」
♂「そういう事だ。機動力のある駒が沢山ある中で、移動距離は短いが最強の駒だ。あまりに強い駒なので、特殊ルールもある」
♀「う〜ん、もう良い。凄い将棋がある事はよく分かったから、それで良いよ」
♂「え!? 更に成りでしか出て来ない、白駒、鯨鯢、飛鹿、奔猪、飛牛、角鷹、飛鷲があるのだが……」
♀「良いって」
♂「更に更に、大将棋では、15×15で駒は29種類」
♀「ふーん」
♂「それよりも大きい将棋もまだ色々あって、最大の将棋は、36×36で駒は209種類、それぞれ402枚」
♀「そんな将棋、本当にプレー出来るの!? もう漢字クロスワードか何かにしか見えない……」
♂「テレビ番組『トリビアの泉』で、記録上初めての対戦が行われ、1局32時間掛かったそうだ」
♀「気が遠くなるね。しかし、もし組織で人を動かす立場になったら、それくらいの事が出来ないと駄目なんだろうね、本当は」
♂「うむ。人を動かす立場と、人を動かす能力のある人間の数は一致しないのも頷ける話だ」
♀「人を動かす立場に人を動かす能力がない事を嘆く駅員@地獄三丁目駅は、ここから何かを学ぶべきだね」

2011年5月30日(月)
駅日誌(1613) 「無敵」

よく職場で怖いもの知らずと言われます。周囲を冷や冷やさせる事も多いようです。本当はチキンなんですが、これはどうした事か?

♂赤鬼「ははははは、チキンだからスパイシーな味を付けでもしないと食えないのだ!」
♀青鬼「誰が上手い事言えと」
♂「人間性は先天的要素と後天的要素で出来ている。前者は生まれ=遺伝で、後者は育ち=環境だ」
♀「なるほど……駅員@地獄三丁目駅は昔から怖い物知らずなの?」
♂「いや、高校までは社交性の乏しい大人しい奴だった筈だ」
♀「今でも社交性が優れているとは言えないけどね。優れていればとっくに結婚してそうなもんでしょ」
♂「大学時代に環境が大きく変わって人間性に影響したのではなかろうか?」
♀「駅員は大学から一人暮らし。兄弟の多い環境だったから、環境はガラッと変わった」
♂「最大は矢張りバイトだと思うぞ。駅員はスーパーの総菜売り場でバイトをしていた。週3〜4、夕方〜閉店まで。昼間働いているのはパートだ。パートは20代〜60代の女性たちだ。土曜や日曜には、昼間からパートと一緒に働く事も多々あった」
♀「おばさんたちに揉まれる環境に居たわけだね」
♂「60代のリーダー格は豪快なおばさんだった。だが有能だった。ある時、総菜部門のマネジャー(社員)が工場発注のポテトサラダを誤って桁違いに大量に発注してしまった」
♀「あらら……」
♂「リーダー格は、その半分をパン粉を付けてコロッケにする案を出して実行した。それでも沢山余ったには余ったのが、被害は大分抑えられた。売上だけを見れば大きかった。社員もその人には頭が上がらないのだ」
♀「やるね、おばさん!」
♂「だが、時事ネタや何やら間違った事ををよく言うのだ。ボケているのどうか判然としないが、駅員は突っ込まずには居られない。もごもご言っても通じないので、『それを言うなら、○○でしょ!』と容赦なく突っ込みを入れる。すると、ギャハハハと笑って『私、△△やて! 駅員君は賢いなあ』とバシッと肩を叩かれる」
♀「なるほど。駅員はそういう環境に慣れれば慣れる程、容赦ない突っ込みが強化されてしまったわけか」
♂「それが成立したのは、彼女らがタフだったせいもあるだろう。何せ、駅員が通った大学は、その数年前に大きな自然災害に遭った地域だった。その地域でパートをしている彼女らはそれを耐え抜いた人々だ」
♀「タフな人々と向き合うには、降参か、作り物でも同等のタフさを持つか、か」
♂「卒業後、会社員になって最初の1、2年は緊張していたものの、しばらく経って思うようになったのは、事業内容が違うだけで、パーツを取っ払ったフレームは、バイトしていた店(店長、副店長、各部門マネジャー他社員、パート)と大差ないぞ、と」
♀「社員顔負けの豪放なパートも見ている。他の会社とは言え、多分その60代のおばさんから見れば会社員なんて小僧だしねえ。そのおばさんのボケにも容赦なく突っ込めれば、会社組織では無敵か」
♂赤鬼「どんな些細な経験でも価値はゼロではない。何らかの影響はある」
♀「良きにつけ、悪しきにつけ、ね」

2011年5月29日(日)
駅日誌(1612) 「自宅警備」

豊天商店のジャージに、「自宅警備員」という商品があります。終日自宅を警備している、即ち「引き籠り」という意味です。この土日は雨という事もあり、私は自宅警備員でした。

♀青鬼「外出はコンビニのみ!? やーい、ヒッキー、ヒッキー!」
♂赤鬼「とは言え、帆立で一杯やったりとなかなか優雅な引き籠りだ。3月上旬震災前に手に入れた青森の帆立貝。当初は殻付きで網焼きで食べていたのだが、結構量があり食べるのが追い付かない。そこで、一旦ボイルして殻を外して冷凍保存していたのだ。それにガーリックソルトを振って電子レンジ」
♀「帆立で麦酒飲んでゴロゴロしてた、と。で、上の写真は何なの? 『北斗の拳』の一小間のようだけど?」
♂「順を追って説明しよう。俺の顔がその漫画の人物にそっくりな事を見ても分かるように、駅員@地獄三丁目駅は『北斗の拳』が好きなのだ。で、暇なのでネットサーフィンで北斗の拳関係の物を見ていた」
♀「結構見始めると止まらなくなるのよね」
♂「で、最初はその格闘ゲームのYOUTUBE動画を見ていたのだ。やった事はないのだが、一撃必殺技が決まった時の演出や、特定のキャラクターの対戦だと勝利演出が変わる所が熱い。先日のシャアのベアブリック同様、作り手サイドに本当に好きな人が居ると思わせる作りなのだ」
♀「どれ……あ! 必殺技が決まった時の『てーれってー♪』が恰好良いね」
♂「この演出、ファンなら鳥肌物だぞ。しかもアレンジが非常に恰好良い」
♀「特に『熱い心、鎖でつないでも〜♪』の所の踊るようなベースが凄い……クリキンの原曲では大人しい部分だったよね」
♂「さて、そんなのを渡り歩いているうちに、拳王vsフドウの対戦のシーンについて書いているサイトを見付けたのだ。写真はそのシーンの一小間である」
♀「ふーん、そんなに良いシーンなの?」
♂「フドウという人物は、南斗最後の将ユリアを守る五車星の一人。元々は鬼のフドウの異名を持つ凶暴な男だったのだが、幼少時のユリアに命とは何かという事を教わり、山のフドウという気は優しくて力持ちという人物になり、孤児を養っているのだ」
♀「そこに拳王(ラオウ)が攻めて来た、と」
♂「ラオウも無意味に虐殺しているわけではないのだ。ラオウはその前にケンシロウと対戦し、無想転生を身に付けたケンに恐怖を覚えた。その恐怖心を克服しないと勝てないと思ったラオウは、若かりし日に恐怖した事のある鬼のフドウとの対戦を望んだのだ」
♀「で、戦ったわけね。多分、山のフドウではなくて鬼のフドウを引き出すために、孤児を人質にして」
♂「相手が鬼のフドウでもラオウは勝てるのだが、目的はただ勝つ事ではなく、恐怖に打ち克つ事にある。ラオウは、地面に線を引き、『もし、この線から一歩でも退いたら俺を矢で射よ』と部下に命ずる」
♀「その写真の台詞だと、ラオウは線から退いちゃったんだね。その時に部下はフドウを射たみたいね」
♂「これに対してラオウは激怒して、部下を殺してしまう。フドウは致命傷を負い息を引き取る。孤児たちに囲まれ『父さんはラオウに勝ったんだ!』と言われての死に顔は安らかで、泣けるシーンだ」
♀「ああ、ラオウは鬼のフドウの恐怖を克服する契機を一生失ってしまったんだね」
♂「ラオウがケンシロウに負けた敗因は幾つか挙げられるが、これが最大の原因だと思うな。もし、ここで部下に自分が射られて引き下がり、且つ死なずに再度フドウに立ち向かえたら……と」
♀「間接的にだけど、写真の拳王軍の連中がラオウを殺した、とも言えるね」
♂「さて、引き籠っている間に、居酒屋赤べこに作品を追加したようだな」
♀「興味のある人は是非。下記リンクです」

居酒屋赤べこ
一人大喜利「拡張 島●作」
……某漫画のバリエーションを勝手に作るという企画です。今後随時追加予定。

替え歌 「あるちう」
……たまの「らんちう」の替え歌です。

2011年5月28日(土)
駅日誌(1611) 「注水」

YOUTUBEにある「おなかがいたくなった原発君」という動画が面白いです。放射性物質の漏洩や飛散を「うんこ」と「おなら」に例えていて、小学生低学年でも福島第一原発で起きている事が分かるくらい分かり易いと思います。

♀青鬼「へえ、そんなのがあるのね。見てみると確かに分かり易い」
♂赤鬼「それに対して、政府と東電、東電の上層部と現場のやり取りは、分かり難い」
♀「菅直人は、頭が悪いという事を認めようよ、先ずは。カイワレ食った昔から馬鹿なの分かってるじゃん。日本は、議会制民主主義だから、民主党の躍進を助けた有権者も馬鹿なのは言うまでもないね」
♂「どうどう……しかし、民主党に投票したくせに今ガタガタ言っている連中は、昔、大阪府知事選で横山ノックに投票しておいてセクハラが明るみに出た途端に騒いだ連中と同じだ。ノックなんか、どこからどう見たってエロ親父だって最初から分かっているじゃないか。投票した人は織り込み済みかと思っていたぞ」
♀「エロい事を考えているのとしちゃうのは違うよ。と、ノックは置いといて。今日の本題は原発の注水開始と中断の有無について。つまんないよね〜……要は、誰のせいかで揉めているだけでしょ? 国家の一大事にしちゃ、ちっちゃいよね〜、やって居る事が」
♂「どうやら、政府が対策を議論している間に、東電が注水を決めて、現場が注水開始。政府がそれを止める指示を出し、東電もそれに従うも、現場では続行したという事らしいな」
♀「それもどれが本当でどれが嘘だか。それぞれが『これは聞いていない』だの『これは言っていない』だの、自分を守る発言ばかり……嘘を吐いている人もいるのは間違いないのだけど、本当に覚えていない人も居るんじゃないの? 性格じゃなくて、脳味噌が悪そうな人も居るもんね」
♂「思うに、勝手に注水を継続した原発所長は、本当はその事を墓まで持って行くつもりだったのではないだろうか? そのつもりで命令を無視して、自分が現時点で最良だと思う判断をしたのではなかろうか」
♀「もしそうだとしたら、マスコミは余計な事をほじくり出したとも言えるね。わざわざ争いの種を撒いたのだと」
♂「マスコミには、言わぬが花という価値観は無いんだろう。つくづく無粋な連中なのだよ」

2011年5月27日(金)
駅日誌(1610) 「坊や」

「ガルマは何故死んだ!?」「坊やだからさ……」機動戦士ガンダムの有名な場面です。それがペプシのオマケでベアブリックになっていました。

♂赤鬼「おお、赤い彗星のシャアではないか」
♀青鬼「赤鬼だけに、気になる存在?」
♂「まあな。それにしても凄いのは、サングラスにちゃんとギレンのベアブリックが映り込んでいるという点……作り込んでいるぞ」
♀「きっと、この企画をやった人は本当にガンダムが好きなんだろうね」
♂「うむ。そういう気配は、良きにつけ悪しきにつけ、物を見れば透けて見えるというものだ」
♀「いい加減な気持ちで仕事をしている人は、それを肝に銘じるべきね」
♂「駅員@地獄三丁目駅は、器用貧乏なのだが、色々な事をそつなくこなす。駅員が忠告した事を『言うのは簡単』『やってみもせんで言うな』という雰囲気で聞いてしまうと、調子に乗って勇み足もしてしまう」
♀「そういうのって、人の気分を害するよね。他人のサンクチュアリに土足で踏み込んでいるわけだもんね」
♂「そうだな。分を弁える事を学ばなければな」
♀「駅員は何故勇み足をしてしまうのか!?」
♂「坊やだからさ……」

 
2011年5月25日(水)
駅日誌(1609) 「煙草」

11とか、14とか、17とか……一体何をしているのだ? その黒いスマートフォンみたいな機械は何だ? 「日本製は高い」という事は、海外製なのか? それと、福島県産の野菜がスーパーで売られていたという話がどう繋がって居るんだ!?

♂赤鬼「多分、その数字はマイクロシーベルトで、その機械はガイガーカウンターではないか?」
♀青鬼「ビンゴ。原発事故直後随分売れたらしいね。で、その数値がぐんと跳ね上がったら、どうするのかな、その人は?」
♂「慌てふためいて逃げるのだろうか? 慌てて飛行機に飛び乗ったら機械の故障で、無駄に放射線を浴びてしまったりしてな」
♀「可笑しいのは、駅員@地獄三丁目駅がそれを見掛けたのが喫煙場所だという事。10〜20マイクロシーベルト程度の放射線なら、煙草の方が遥かに発癌性高いよね」
♂「まあ、興味本位で買ったのだろう。テレビでガイガーカウンターが取り上げられて、思っていたより安かった、とか」
♀「煙草と言えば、連休の海外旅行の空港免税店で、駅員はHOPEを2カートン買ったんだけど、その時に、国内で品切れなのに免税店に豊富にあって驚いたのよね」
♂「確かに不思議だ。沢山あるのなら、国内に回せばすぐ売れるだろうに」
♀「でね、よく見ると、『輸出用』と書いてあるのよ。タール・ニコチンの数字は同じだから、中身は同じ。開封して『輸出用』の文字の無い箱に詰め替えるわけにもいかなかったんだろうね」
♂「うーむ、海外旅行経験の多い煙草吸いには知っている人も居るだろうが……そうか、わざわざ専用の印刷をしているのか」
♀「専用と言えば、帰りにインドの空港で買った1カートンがなかなか素敵よ。結構臭い煙草で、なかなか減らないんだけどね。これもインドでは免税店専用品みたい。タール・ニコチン表記さえ無いわ」
♂「555か。スバル・インプレッサWRCのスポンサーだった銘柄だ。しかも、これは紺色に金文字。まさに往年のインプレッサを彷彿とさせるな」
♀「でしょ? 確か、煙草スポンサー禁止か、撤退かで途中から変わっちゃったけど、イメージカラーのブルーメタリック+黄色い柄は、ずっと使って居たね」
♂「インプレッサ乗りは愛車度が高い者が多い。煙草吸いなら、結構垂涎の煙草ではなかろうか。日本では売って居ないからなあ」

2011年5月24日(火)
駅日誌(1608) 「舌禍」

赤鬼と青鬼の会話形式は私は結構気に入っているのですが、本音が煙に巻かれているという声もあります。それに従うかどうかは別にして、批判も貴重な意見です。というわけで、今日の日誌は、久々の私の独白です。

私は、蓮っ葉というか、歯に衣着せぬというか、オブラートに包まないというか……自らが正しいと思えば、口に出して言ってしまう事が多いです。それで人を傷付けている事もあるようです。

仕事では、「ビジネスとは、ふわふわしたものではなく、ロジックで進める物だ」と思っているので、老若男女問わず、仕事の会話で正論をぶつけます。無論、客との会話では正論だけでなく、機嫌を損ねないよう気配りはしますが、社内の会話ではその気配りが減ります。特に、認めている部分がある相手には言いたい事を言います。応えてくれる人も居れば、ぷいっとそっぽを向いてしまう人も居ます。
ここは人が集まって何をする場なのか? 人により働いている理由は異なるでしょうが、「生きて行く糧を得るために、一人では難しい富を作りそれを分けるために集まっている」という点は、共通しているのではないかと思います。職場は、文字通り「職のための場」であり、仲良し倶楽部ではないのだと思っています。

プライベートでも、認めた相手にこそ本音で物を言いたいと思っています。私に苦言を呈されない人は、非の打ち所がないのか、言っても無駄なのかのいずれかです。
だがしかし、女性(に限りませんが)は、なかなかこの論理が通用しません。非常に嫌がられます。中には即刻交友を断ち切る人も居ます。恐らく、「正解を訊きたいわけではなく、ただ聴いて肯いて欲しいだけなのだ」という事なのでしょう。
なので、その人が出している答えに賛成ならば、補強する言葉を沢山出せます。そういう場合は、愚痴や相談の内容次第では、話を聞くだけで好かれてしまいます。しかし、反対の場合は、話を聞くだけで嫌われてしまいます。
とは言え、このスタンスを変える事はないと思っています。というのは、仮に気になる女性が居て、好かれようとして「言いたい事を言う」を封印して頑張って付き合い、結婚したとしたら、私は一生自分を封印して生きる事になるわけです。それは果たして幸せなのか? 封印を解けば、「付き合っていた頃は、こんな人じゃなかったのに」と言われ、関係は崩壊してしまうでしょう。
物言えば唇寒し秋の空。人の心と秋の空(これ、女心バージョンと男心バージョンがあります)。

私は、異論反論を排除しません。寧ろ「目から鱗」の言葉を聴ける可能性があるので、大歓迎です。我こそはという方は、是非。

2011年5月23日(月)
駅日誌(1607) 「土竜」

土竜と書いて「もぐら」と読みます。あんな可愛いルックスにも関わらず、竜の眷族? どうもその掘った穴が竜のようだからという理由らしいです。

♂赤鬼「うん? 今日のテーマはモグラだと? 一体何を語れと……」
♀青鬼「たまにさあ、モグラみたいな●●●の男ってい居るよね」
♂「嘆かわしい。女が●●●などと……」
♀「良いじゃん。こう、モグラが出て来るみたいに……」
♂「止めんか、はしたない!」
♀「はいはい。モグラと言えば、モグラ叩き。最近はゲームセンターにも置いていないよね。昔はワニが出て来るやつが流行っていたのに」
♂「エポック社の家庭用モグラ叩きもあったな」
♀「駅員@地獄三丁目駅は人間モグラ叩きだね」
♂「どういう意味だ?」
♀「あいつはいじられキャラなのよ。だから、何人かで居ると、どういうわけか駅員vs他の人たちという構図になる事が多いの」
♂「ははあ、色々な奴が駅員を口撃し、それに反撃している間に、他が言って来るみたいになるわけだな」
♀「そうそう。駅員はその正義が偏っている部分もあるけど、間違った事はあんまり言っていないと思うんだけどね」
♂「しかし、まあ、真面目な場面以外は、正論よりも場が面白くなる方を選ぶわな」
♀「ところで、冒頭の●●●は『目付き』。開いているのか開いていないのか分からないような、線みたいな目付きの人って居るでしょ? 『嘆かわしい』? 『はしたない』? 一体何だと思ったの?」
♂「えっ!?」

2011年5月22日(日)
駅日誌(1606) 「食」

日中韓の首相が揃って福島に行き、福島県産の野菜を食べたそうです。無論、風評被害防止のためです。

♀青鬼「パフォーマンスとは分かって居ても、これはじゃんじゃんやって貰いたい事だね」
♂赤鬼「そうだな。温家宝も李明博も、美味いと言っていたそうだ。そりゃあ、丁寧に高品質を狙って作っている日本の農業の野菜だものな」
♀「菅直人は、厚生大臣時代のカイワレ食った時と同じなんだけどね……」
♂「福島と言えば、福島県産の食品の臨時販売をしている所があって、知人がそれにタッチしているそうで、買ってみた。筍や蕗等、色々あったのだが、加工が必要な物は料理上手に任せておいて、俺はおこわを買って晩飯にした」
♀「美味しかった?」
♂「うむ、もち米100%。入っている鶏肉や根菜も美味かった。試食した梅干しも美味かったな。紀州梅干しのような甘味は強くはないが、しっかりと梅酢の味がする」
♀「梅干しって、安いのは調味液に浸しただけだもんねえ」
♂「他にも色々置いてあった。是非皆も積極的に食べて欲しいものだ」
♀「結構あちこちでそういうのが開かれていると皆買っているよね」
♂「しかし、敢えて言おう。もし、安全性に疑問を持っているのならば食べるべきではない」
♀「そりゃそうだね。信用するから食べるんだけど、食べるか食べないかは自己判断。生産者のせいにしてはいけないね」
♂「ときに……話しは変わるが、先日、BEEFEATERという酒(ジン)を見たのだが、これは酒盗とは逆のネーミングという事なのか?」
♀「随分話が飛んだね……福島→赤べこ→BEEF?」
♂「酒盗は鰹の塩辛で、『酒を盗んで飲みたくなる』くらい酒に合う食べ物という命名だが、BEEFEATERは、『牛肉をガンガン食べたくなる』くらい牛肉に合う酒という事か? と思ったのだ」
♀「あれはねビーフィーターと言う一つの単語なのよ。小さな『ィ』。連続して一つの単語で英国の近衛兵を指すのだとか。語源はBEEF+EATERだけど、あくまで固有名詞よ。物知りのあんたにしちゃ珍しい勘違いね」
♂「そうか。思っていた事と事実が違うのは往々にしてある事だ。情報は半分信じて半部疑うくらいが丁度良いのだろうな」

2011年5月21日(土)
駅日誌(1605) 「遊戯」

ゲームセンター……私が小学生の頃は、不良が行く所だと思っていました。うーん、若くない人間の発言です。

♂赤鬼「買い物のついで等にたまに立ち寄る事があるな。駅員@地獄三丁目駅としては、流石に仕事中には行かないが、仕事の要素も皆無ではないようだ」
♀青鬼「一体何の仕事をしているのよ……?」
♂「市場調査目的で行ってどういう景品やゲームが人気がありそうかを色々視察していると、スーツ姿の人間が結構居て驚く」
♀「駅員みたいに、そいつらも仕事の一環だって言うんじゃないの?」
♂「無心にゲームをやっている様を見るとそうは見えんがな。ああ、仕事をして居る様に見えないのは、駅員も同じか」
♀「ストリートファイター以降、格闘ゲームが流行っていた覚えがあるわ」
♂「若くない事がバレるぞ」
♀「あたしは永久に18歳だから良いの」
♂「18号……もとい18歳は言い過ぎだが、それはさておき。今でもかなりの台数が置いてある。しかし、基本的にはどれもこれもストU系、バーチャ系、鉄拳系の焼き直しだ。キャラクターと映像以外に差は殆ど無い」
♀「あんた結構ヲタクじゃない?」
♂「いや、本物はゲーセンに何時間も居座っているぞ。そう言えば、買い物ついでに寄って、シューティングゲームをしていたら、格闘ゲームをやって大声で騒いでいる連中が居たのだ」
♀「それこそが本物って事?」
♂「で、100円玉が無くなったので、両替機に500円玉を入れようとしたら、硬貨投入口が壊れているようで、『500円玉からの両替はスタッフまで』とある。店員のカウンターの所に行くと、店員は黒いカーテンの向こうに居るらしく、先程騒いでいた者の方割れの後ろ姿がカーテンの所に」
♀「入り浸って居るから、店員と仲が良いわけだ」
♂「何やらやり取りをしている様子で、店員が出て来ないので、一声『おい!』と」
♀「あんたさあ、言い方ってもんが……」
♂「その騒いでいた奴は目を合わせないようにして逃げるように去り、店員が出て来たので、両替を頼んだ」
♀「格闘ゲームで大声を出していたから、威勢良く掛かって来るのかと思ったら、大人しいものだね。でも、大人が『リアル格ゲー』なんかしたら逮捕だよ?」
♂「正当防衛を一貫して主張すれば良い」
♀「あんた、頭にも脳味噌じゃなくて筋肉が詰まってんじゃないの?」
♂「シューティングゲーム再開。基本的に上空から見下ろす形で、レバーで動かし、機銃ボタンと爆弾ボタンがあるのが昔から変わらんのは、格ゲー同様だ」
♀「映像が綺麗になっていて、演出も凝っているくらいなわけだ。しかし、ゲーセン側も大きく変えられないのは支持されているからんだろうね。で、きっと支持しているのは、若者ではなく、昔からゲーセンに行っていた人。業界が成り立つのは、サラリーマンがゲーセンに居てこそなのか」
♂「しかし、最近のゲームが厄介なのは、昔のゲームだと、敵の弾がピンクや青に発光していて分かり易いのだが、最近のは確かに発光はしているのだが、弾もアイテムも描き込まれていて、しかも、撃墜機の残骸みたいな物も散っている。どれが当たるべき(アイテム)で、どれが当たっても大丈夫(残骸)で、どれが当たったら駄目(弾)なのかが分かりづらい」
♀「あんたも歳って事」

2011年5月19日(木)
駅日誌(1604) 「貴賎」

職業に貴賎は無い……そう言う人の殆どが、実は職業に貴賎を抱いています。

♀青鬼「昔はさあ、ホワイトカラーとブルーカラーなんて言葉もあったけど、今日びそんな事を言う人は居ないよね。昔、ドラマ『一つ屋根の下』で、石田壱成が変な奴に『我々ホワイトカラーと、お前らブルーカラーとは違うからな』と嗤われたのを観た事があったけど、当時でもその台詞が失笑ものだった。台本書いている奴、世の中が全然見えてないなあって。そんな現代なのに、貴賎を抱いているというのは?」
♂赤鬼「逆転現象だ。終身雇用の崩壊に伴い、手に職を持っている者が、そうでないホワイトカラーを嗤うようになったんだな。頭脳労働に適した人間は存外少ないのだよ」
♀「なるほど……確かに、昔はボンタン履いた土木関係者なんか、差別されていたけど、今日び、偉そうに大股開いて電車に乗っているもんね」
♂「あれはあれで殴り飛ばしたくなるな。車くらい買え、と。電車で座るなら着替えを持って来ておけ、と。そもそも、電車で座るようでは肉体労働者としてはひ弱過ぎる」
♀「逆転現象と言えば、昔気質の人は『額に汗して働く=尊い、パソコン操作だけで仕事をしている=尊くない』と言うね。これもまさしく、貴賎を抱いているわけだもんね」
♂「その通り。職業の貴賎はないというのは、言う程簡単ではないのだ」

2011年5月18日(水)
駅日誌(1603) 「セッカチ」

私は結構セッカチです。歩くのが早いです。そのくせ、のんびりする時間も必要な人間だから、付き合うのが面倒臭い人間です。

♂赤鬼「漢たるもの悠然と構えて居れば良いのだ。せかせかするのは小物だ。ははははは」
♀青鬼「確かに、器が小さいよね」
♂「というわけで、駅員@地獄三丁目駅のセッカチエピソードだ。ホームの向かい側に待機している電車に乗り換える場面。逸早く乗り換えようとしてドアのすぐ近くに男が立っていたのだ」
♀「あいつの事だから、追い越そうとでもしたの?」
♂「流石に無理な追い越しはしない。その後ろに立ったわけだ。やがてドアが開いて、その男が歩き出した……だがしかし、脚が悪いわけでもないのに、歩みが遅いのだ」
♀「あいつの歩きが速過ぎるんだよ。で、よくやる『前の人の靴の後ろにガッと足が当たっちゃう』をやっちゃた、と」
♂「御名答。だが、驚いたのは、その男の靴が脱げてしまったという事。あわやホームの下にその靴が落ちる所だったのだ」
♀「危ない危ない。きっと、だらしなくかかとを踏んでたんだろうね」
♂「謝ったが、無反応だった。無反応ならまだ良いが、舌打ちでもされようものなら……」
♀「た〜ちまち おつむが 大噴火〜♪ だね」
♂「普段でもこんな事を思っているらしい……『何故遅いくせに前に立ち塞がるのだ?』と。例えば、歩きは遅いのに改札だけは瞬間的に加速して先に通ろうとする人。改札通過後、その人の後ろで逡巡した揚句、回り込んで追い越す事になる」
♀「ああ、あれがムカつくのは分かる。しかも、先に行こうとしたのに、読み取り不良で引っ掛かったりしたら、目も当てられない」
♂「だな。他には、歩道で道を空けない横隊。横に並んで歩くのは仲良き事は美しき哉で良いのだが、正面から一人で歩いて来た人間が居たら、横隊を一時的に崩してでも道を空けるのが常識だろう、と」
♀「後ろなら気付かない事もあるだろうけど、正面から来てもそんな人が居るの?」
♂「居るのだ、これが。器の小さい駅員@地獄三丁目駅よりもさらにちっぽけな人間が、世には居るのだよ」

 
2011年5月17日(火)
駅日誌(1602) 「素」

面白い物を貰いました。ポータブル味の素! 本物の味の素が入ったストラップです。もう人にあげちゃったのですが。

♀青鬼「可愛いね、味パンダ」
♂赤鬼「しかし、こんな物を持ち歩いていると、どれだけグルタミン酸が好きなんだ? と思ってしまうな」
♀「日本が世界に誇るUMAMIだからね。英語の辞書にも載っているんだよ」
♂「それにしても、味の素っていうのは凄いネーミングセンスだよな。創業者には矢張り商才があったのだと思うぞ」
♀「湯豆腐を食べていて、昆布を入れると何故ただの湯よりも美味しいのか? を科学的に調べたのが始まりだってね」

2011年5月13日(金)
駅日誌(1601) 「省略」

日本では、古来省略言葉を使う文化があります。年配の方は「最近の若い奴は、略語ばかり使いやがって気に入らない」なんて事を言いますが、その年配の方々よりも遥かに昔から略語が使われている文化なのです。

♀青鬼「ああ、あたしも言われた事あるよ。見苦しいとか何とかって」
♂赤鬼「駅員@地獄三丁目駅の言う通り、昔からの省略の文化なのだ。この気質が合理化・効率化を進めた部分も大いにある」
♀「だよねえ。古くは江戸時代以前から、盆=盂蘭盆会、浴衣=湯帷子(ゆかたびら)、弥次喜多=東海道中膝栗毛。明治時代にはハンカチ=ハンカチーフ。要はさあ、略語が悪いわけではなくて、自分の知らない言葉を若者が使っているのが気に食わないだけなのよね」
♂「そうだな。団塊世代辺りは、きっと学生時代に『ゲバ棒』なんて略語を使っていた者が多い筈だぞ」
♀「マスコミにも氾濫しているしね、昔から。原初力爆弾や原子力発電所のような脅威的な物でさえ、なかなかフルネームでは耳にしないよね」
♂「略語について、最近、気になる変化があるのだが……恰好良い男、略して何と言う?」
♀「イケメン?」
♂「長め金髪で細身色黒の男、略して何と言う?」
♀「ギャル男」
♂「続けて行くぞ……ギャルサークル、バンドおっかけギャル、携帯電話機、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、ウェブログ」
♀「えっと……ギャルサー、バンギャ、ケータイ、スマホ、パソコン、ブログ……あ! 比較的古い略語は4音で、比較的新しい略語は3音だね」
♂「御名答。メアドも少し前ならメルアドだった筈だ。これは省略の加速を意味しているのではないか?」
♀「という事は、この先は2音が来て……やがては、1音!?」
♂「無いとも言い切れない。昔、『世にも奇妙な物語』で、そういうの話しがあったのだが、あれも強ち笑い話ではないのかもな」

2011年5月12日(木)
駅日誌(1600) 「髭」

私は髭が濃いです。毎朝剃っていますが、帰宅する頃にはザラザラです。そんな私が1週間髭を剃らないと、こうなります。

♀青鬼「うわ! 無精髭! 引き抜いてやりたいわ」
♂赤鬼「ドSめ……しかし、ボーボーだな。見苦しい。1週間と言うのは、インド旅行とその後の事だな」
♀「旅行には、茶色い帽子(ハット)を被って行っていたから、もう殆どハーミット・パープル状態」
♂「ハーミット・パープルというのは何だ? 隠者紫?」
♀「ジョジョの奇妙な冒険の登場人物、ジョセフ・ジョースターよ。モデルは間違いなくインディ・ジョーンズ」
♂「ああ、ゴゴゴゴゴゴゴの漫画か」
♀「あのねえ、あんたもジョジョが掲載されていた雑誌にあった漫画の登場人物みたいな顔してんだからさあ」
♂「うむ……気を付けよう」

2011年5月11日(水)
駅日誌(1599) 「親分」

仕事で八重洲近辺に行きそこから直帰だったので、東京駅八重洲地下街をうろうろしてから帰りました。そのフジテレビショップで見付けたのが、「ごま塩の親分」。ドラマ「マルモのおきて」で、安部サダヲが好んで御飯にかける胡麻塩です。

♀青鬼「番組の中で出て来る商品がそのまま販売されるのは面白いね。クレヨンしんちゃんのチョコビみたい。あれって、原作では『コアラのマーチ』で、テレビはロッテがスポンサーにならなかったから、違う商品にせざるを得なかったんだけど、結局『チョコビ』という商品が出ちゃったでしょ。ふーん、原材料、ごま、塩、以上。70g。これ幾ら?」
♂赤鬼「462円」
♀「え? よく聞こえなかったんだけど……462円って言ったの?」
♂「うむ」
♀「馬鹿じゃないの!? こんなのに500円近くも?」
♂「いや、待て。今調べてみたら、他のキャラクター物でない胡麻塩が50g278円だったぞ。それから考えれば、キャラクターが印刷されてこの値段は高くないぞ」
♀「胡麻塩って結構するのね! 駅員@地獄三丁目駅は、これでしばらくは朝食は白飯を用意するだけで大丈夫ね」
♂「さて、この商品は『ごま塩の親分』と言うのだが、現代社会には『親分』が減ったよなあ」
♀「確かにね〜。インドで、スズキの車が沢山走っているのを見た時は、流石に鈴木修は親分だなあ、と思ったけど」
♂「うむ。インドは英国統治時代に自動車が登場したから、英国同様左通行右ハンドルなのだ。即ち、日本車を投入するのに仕様変更が少なくて良いのだ。先見の明と剛腕、そしてそれを納得させるだけの人徳だな。だからこそ、会長だけだったのが社長兼任に復帰したりしている」
♀「後釜が居ないって事ね。それこそまさしく、現代に親分が居ない事を指しているよね」
♂「特に、古くて大きな組織では多いだろうな。出世に影響する資質の一つが、子分の資質。この物差しだけでは、どこまで行っても上級子分なわけだ。残念ながら、親分の資質を計る物差しが出て来るのは、トップを目される所でようやくだ。で、ここまでの子分資質の流れで順当に決めてしまうと、親分資質は全然無かったなんて事も大いにある」
♀「それ以前に、人が人を量る事ってのは容易ではないよね」

2011年5月10日(火)
駅日誌(1598) 「悲劇」

世の中は悲劇と喜劇が溢れています。無味乾燥な日なんてありません。そう感じたとしたら、それは受け手の問題なのです。私、駅員@地獄三丁目駅にもそういう時期はありましたが。

♂赤鬼「五月病という言葉があるな。環境が変わる四月の最初のちょっとピリピリした状態に慣れ、ふっと無気力で憂鬱になってしまう事だ」
♀青鬼「まあ、五月に限らずそういう時もあるよね。あたしも、全くやる気がございませんって時あるもん」
♂「無論そこには諸々の事情があるのだが、ただの気のせいという場合もある」
♀「難しいよね……人は心が病んでしまう事があるのも現実で、一方で、病は気からというのもまた現実なんだろうね。どっちが正しくてどっちが間違っているというのではなくて」
♂「世の中は悲劇と喜劇が溢れている。この写真を見るのだ」
♀「ふーん? 松下奈緒ね。綺麗じゃない」
♂「良く見るのだ!」

♀「あのねえ、これは鼻毛じゃないよ?」

♂「分かっている。夾雑物だ。新聞紙は再生紙だから夾雑物が入るのはやむを得ない。運悪くこの位置だったのだ。世の中は悲劇と喜劇が溢れている。」
♀「松下奈緒のファンの方、赤鬼が下らない物を見付けて御免なさいね。あと、これはマーガリンの広告で、脂肪分70%オフ、コレステロール0の健康的な商品だそうよ」

2011年5月8日(日)
駅日誌(1597) 「推理」

金田一少年「明智さんは、自らの推理に足元を掬われたって事さ!」
明智警視「何だって!? では、君はもう真相に気付いているのか?」
私は推理小説が好きで、学生時代は金田一少年の事件簿や名探偵コナンが好きでした。NHKで先日まで3週に渡って放送された「探偵Xからの挑戦状」も面白かったです。携帯小説とドラマのメディアミックスなのですが、3話目は生憎インド旅行中で推理投票に参加出来ませんでしたが、第2話は完全正解者(同番組サイトに掲載)に、駅員@JGK3名義で名を連ねています(1話目は概ね正解でしたが、出題者が求めているキーワードまで答えに書いておらず、完全正解ではなかったです)。

♀青鬼「今日はイントロがやたら長いと思ったら、どさくさに紛れて何か自慢してるよ! あたしもミステリーは好きだけどね」
♂赤鬼「そんなわけで、駅員は一人で電車に乗っていて手持無沙汰な時や、喫茶店で一服している時等に、周囲を観察して推理ごっこをしているそうだ」
♀「うわっ、それって何だかイタい遊びね……つまり、周囲の人を見渡してみて、この人はこれこれこういう人ではないか? とかそういう事?」
♂「そうだな。感心出来る事ではない。が、女を卑猥な目で見ているようなそこいらのスケベ男よりはまだ良かろう」
♀「そりゃそうだけどさあ」
♂「駅員@地獄三丁目駅が電車に乗っていた時の事だ。目の前に大きな声で話している二人組の男が居たそうだ。曰く『俺達が宇宙人なんだよ』と」
♀「危ない人?」
♂「そういうわけではない。地球は宇宙の一部分であり、地球人も宇宙人の内であると言っているわけだ」
♀「そりゃそうだけどさあ……宇宙人って言ったら、異星人という事にしてくれないとねえ。だって、例えば、外国で日本人に出会って、日本語で『どこから来られましたか?』と訊いて、相手が『日本からです』と答えているようなもんよね。日本人だと思ったから、日本語で訊いたんでしょ!」
♂「その通り。駅員@地獄三丁目駅もそう思ったわけだ。これは、ただの言葉遊びだ、と」
♀「そんなの推理じゃなくてただの揚足取りじゃないの」
♂「そうだな、ではもう一つ。喫茶店で冷たい物を飲みながら一服していた時。その店は分煙なのだが、目の前の喫煙席に、制服の女学生が一人で座っていたのだ」
♀「ふうん、店は注意しないのね……」
♂「否、そのテーブルには灰皿は無く、煙草を吸っては居なかった。そこで、駅員@地獄三丁目駅は推理した。これはカムフラージュなのではないか? 即ち、彼女は隠れて煙草を吸っているのか、或いは煙草を吸う友人か恋人に会った後なのかは分からないが、木を隠すなら森の中の論理で、煙草の臭いを店の煙草の臭いで隠そうとしているのではないか、と。隠すべき相手が親なのか他の誰かなのかは分からんが」
♀「なるほど。レシートさえあれば、喫煙席しか空いていなくてという事に出来るもんね」
♂「その通り。いかんいかん、未成年に悪知恵を授ける事になってしまった」
♀「こっちは推理っぽいね」
♂「ところが、やがて彼女が店を出る時に、隣の席を囲んでいた家族と思しき人々と一緒に出て行ったのだ」
♀「単に喫煙者が多い家族の一員だっただけなのね。明智さんは、自らの推理に足元掬われたって事さ!」

2011年5月7日(土)
駅日誌(1596) 「印度の神々」

昨日の日誌は当然インドネタをガッツリと書いたのですが、今回はインドの神々についてです。

♀青鬼「毎日カレーだったんだってね……美味しくても流石に飽きるよね」
♂赤鬼「思うに……元々はインド人にとっての『Curry』とは、日本人の『メシ』『御飯』に相当する言葉なのかも知れないぞ」
♀「ああ、なるほど。『メシ食いに行こうぜ』という意味合いで『Curry食いに行こうぜ』みたいな感じか。『メシ』『御飯』で白飯と同時にそれ以外の食事をも指していて、『Curry』もそういう感じなのかもね」
♂「言語という物は掘り下げたらなかなか面白い物だ。例えば、目の前にポチという犬が居るとする。外国人に『こいつはポチだよ』と言った場合、外国人が『ポチ』という言葉を、その犬の名前だと分かってくれれば良いが、日本語で犬の事を指す名詞だと思う可能性もあるのだ」
♀「そうだね。特に犬に名前を付ける習慣・概念が無い文化の人だったら、間違いなくそう思っちゃうだろうね」
♂「文化の伝播にはそういう誤解が多々ある物だ。日本の仏教にはヒンドゥーの神も沢山取り込まれているが、これは伝わる過程でごっちゃになってしまったためではなかろうか。ヒンドゥーの語源はヒンド=インドなのだ。もし、伝播に関わった者の頭が『天竺の宗=仏教』になってしまっていたら、インドの神様と聞けば仏教の神だと思うのも無理はない」
♀「シヴァ神の別名はマハーカーラ。『マハー』はマハラジャの『マハ』と同じで『大』の意味。『カーラ』は『黒』の意味。日本に伝わって、七福神の大黒天になっちゃったのよね。打出の小槌は、シヴァの太鼓が変化した物かしら?」
♂「七福神には弁財天が居るが、この琵琶を弾いている姿は、まさしく学問芸能の女神・サラスヴァティだな」
♀「七福神繋がりでは毘沙門天もインドよね。仏教の四天王の一柱(神様を数える単位:はしら)だけど、元々はインドのクベーラという神様なんだって」
♂「おお、七福神の内、三柱もインド出身なのか。あとは……布袋、福禄寿、寿老人が中国出身。チャキチャキの日本の神は、恵比寿だけなんだな」
♀「日本人らしいよね。外来の神を取り込むのって。信仰も和魂洋才って感じね。あ、元々日本国が出来た神話も、土着の国津神が、天孫降臨でやって来た天津神に国を譲っている話だもんね」
♂「話が大きく逸れてしまったな。インドの神々だ。インドには主神が三柱居て、その一柱が前述のシヴァで、破壊神。他に、創造神のブラフマー、維持神のヴィシュヌが居る」
♀「シヴァってのは破壊神なのね。創造神、維持神と比べると悪い神という印象ね」
♂「しかし、三柱中で最も人気のある神だ。ほぼ同じくらいの人気でヴィシュヌ、最下位はブラフマー」
♀「破壊神が首位で、創造神が最下位なのは不思議ね」
♂「いや、創造神・破壊神という言葉に流されてはいけない。というのは、維持神が居る以上、ブラフマーは世界を作ってからは何もしていないわけだからな。一方、シヴァとヴィシュヌは今世界に影響を与えているわけだ」
♀「あ! 破壊っていうのも、『デストロイ』ではなく、『クラッシュ&ビルド』と考えれば正しいかもね。維持神と合わせて、保守と革新でせめぎ合っているみたいな感じなのかもね」
♂「その通り。破壊無くして創造無しなのだ。それに、シヴァは割と人間の事を考えている神で、ある時、戦の神であるドゥルガー女神が激怒した時に、その怒りが形になってカーリー(カーラの女性形で、黒い女)という殺戮の女神が出て来たのだ」
♀「戦の神も、殺戮の神も女神なのね。意外だね」
♂「君の普段の言動を見ていると、納得だがなあ」
♀「痛い目に遭いたいの?」
♂「ほら!! で、そのカーリーなんだが、悪鬼どもを殺しまくって、勝利のダンスを舞ったんだそうだ。しかし、余りにも力強いので地上は大地震。見かねたシヴァが、足元の地面に寝そべってクッションになったのだとか」
♀「人間を守る為に、自ら殺戮の女神に踏み付けられに来たって事? Mなんじゃないの!?」
♂「良い話なのになあ……」

 
2011年5月6日(金)
駅日誌(1595) 「印度(3)」

インド旅行第三の都市、アグラです。

♀青鬼「3日目……の前に! 駅員@地獄三丁目駅、一丁前にアーユル・ヴェーダ行ってんのよ!? あいつが美しくなってどうするの!?」
♂赤鬼「そう言うなよ。折角インドに来て、ガイドが料金を払えば行けるって言うんだから、行かないと損だろ」
♀「そりゃ、そうだけどさあ。ま、気を取り直して、3日目ね。ついに今回の数ある目玉の中でも最大のタージ・マハルね。勿論、世界遺産。ムガール帝国の第五代皇帝シャー・ジャハーンが建造。白大理石をベースに、数々の宝石を埋め込んで装飾された豪奢この上ない墓よ。地下もあるらしくて、地上にある棺はダミーで、地下に本物の棺があるんだってさ。流石に、そっちは余程のVIPでないと入れないそうよ」
♂「参ったのは、ドームの中に在る棺の所で、変なおっさんに金をせびられた事だな。入ったらペンライトを持ったおっさんが手招きして、近付くと色々解説してくれたんだよ。薄暗いドームの中で宝石が埋め込まれた場所にペンライトを当ててキラキラさせて、これが表面だけでなく、埋め込まれている事を示してくれたり、満月の夜には月光がドーム内に反射して美しい事、アラーの神への祈りがドームに反響する事なんかをやってくれた。そこまでは良かったが、最後に右手を差し出すわけだ。しょうがないから10ルピー札を渡すと、『もっと』みたいな言葉を発するんだよ。しょうがないからもう1枚。だが、まだ手を引っ込めない。苛々っとして、チップではなく空手チップを喰らわせてやろうかと思ったよ。そのまま黙って立ち去ったが」
♀「空手チップって……あの暑い中でよくそんな寒い事を思い付くよね。でも、ガイド自体は短いけど要点を突いて良い説明だったんだから、最初から100ルピー(1ルピー=約2円)でも何でもガイド料を言ってくれたら、腹を立てる事もないのにね」
♂「その通りだ。金をせびると言えば、物乞いも多かったな。それも障害者の物乞いが目に付く。元気な者は大概が物売りだった」
♀「片足が無い人、両手の肘から先を失った女性、下半身が異様に貧弱で座禅状態のままの人……色々居たね。しかし、駅員@地獄三丁目駅は物乞いには一切金品を与えていないそうね。」
♂「可哀想だが、それは正しい。と言うのも、本来は障害者は、観光客ではなく、国や行政が面倒を見てやるべきなのだ。それを観光地で物乞いをするのは何故か? 考えられるのは三通り。国や行政の手がそこまで回らないのか、国や行政が彼等を障害者として認定していないのか、或いは、国や行政からちゃんと補助を貰っているのに、物乞いをしているか、だ」
♀「どれもありそうね。確かに、不思議なのは両手を失った女性が割と綺麗なサリーを着ているという点。これは彼女にその服を買う金があって、且つ着せてくれる人が周りに居るという事だもんね」
♂「或いは、物乞いコンビの方割れか? 場合によっては、下手に働くよりリッチな旅行者から物乞いをする方が実入りが良いのかも知れない。その場合、その障害は事故ではなく、故意に作った可能性もある」
♀「座禅の人は、きっと宗教上の苦行をしている人だろうね。托鉢という事か」
♂「重い話になってしまった。タージ・マハルの敷地には、栗鼠やマングースが居たなあ。マングースとコブラが戦う所が見たかったなあ。そう言えば、蛇は全く見なかったな」
♀「孔雀の件同様、雨が降らないと出て来ないんじゃない?」
♂「そうかもな。道中は現地で買ったラクダの皮で出来たサンダルを履いていたから、もし出て来たら危なかったんだが」
♀「次はアグラ城。ムガール帝国第三代皇帝アクバルが建てた城。以降四代目五代目の居城。これも世界遺産ね。豪奢な城よ。暑い所だから、噴水で水を巡らせたり、風が細く通るようにして涼しさを確保しているわ。元々は宝石で埋め尽くされた城だったのだけど、殆どが英国統治時代に剥がし取られているのね。多分、今でも大英博物館あたりに所蔵されているんじゃないの? 予備知識を持って見れば、それは美しい装飾品であると同時に、当時の英国人は野蛮人だったという証でもあるよね」
♂「ここには猿が居たなあ。猿は力の神・ハヌマーンの眷族だから、保護されている模様。そう言えば、猿回しは良いんだろうか。あ、象の上にも人が乗っているし、大事に扱う分には働かせても良いのかもな」
♀「で、観光の後食事をして、空港へ。ツアー客にJAL組とインディア組が居たから、JAL組に合わせて到着したから、随分早く着いちゃったのよね」
♂「その代わり、免税店やフードコート等、空港内の様子を見るのに時間を使えて、これはこれで良かったのだと思うぞ」
♀「駅員@地獄三丁目駅、免税店でインド人にもキレちゃったけどね……」
♂「奴は、日本の恥だな」

  
2011年5月6日(金)
駅日誌(1594) 「印度(2)」

インド旅行2日目、ジャイプール編です。

♂赤鬼「朝、朝食よりも早く起きてしまったのでテレビを点けてみると、朝から説法をして居る番組があった。いや、言葉は分からないから内容は分からないのだが、服装やセットがどう見ても説法だったな」
♀青鬼「チャンネルを変えると、アニメ専門チャンネルで、“SPOOKY KITARO 5”というCMがあったわ。ゲゲゲの鬼太郎の英語版。他にはMTVでインドの歌手が出ていたけど、どれもこれも集団でベリーダンス風。その中で注目だったのが、インド版クレイジーケンバンドみたいな人。真っ黒のグラサンと髭のダンディなおじさんなんだけど、そのPVのストーリーが、凄く男前を売りにしている感じなの。例えば、徒競走をしている集団があって、二位の人が首位の人に足を伸ばして転ばせるの。そしたら、ゴールの方から、この歌手が悠然と歩いて来て、転ばした人をぶん殴って、転んだ人を立ち上がらせてトロフィーを渡し、周りは拍手喝采。あれには笑ったわ」
♂「朝食を摂って、例のマイクロバスで移動。先ずは風の宮殿だ。マハラジャが作った街で、城壁に囲まれている。その内部にある、要は妾を囲う建物だ。これは外から見ただけだったな」
♀「次がアンベール城。山の上に建つ城よ。道に象が歩いていたわ。山の麓からジープで石畳の道を上り城へ。綺麗な装飾の施された、文字通り王者の城ね。ステンドグラスも美しかったし、城から見る外の景色も秀逸。城下町では、ミルク缶(ローソンのマークみたいなやつね)に入れた牛乳を販売していたわ」
♂「続いて、天文台。これは世界遺産だ。巨大な日時計があり、日付に応じた+−の調整で、2分単位まで時間を計れるのだそうだ。大昔に2分単位だ。出発点は占星術かも知れないが、高度な天文学があったという証だ」
♀「その後にシティ・パレス。今でもマハラジャの住む巨大な屋敷ね。マハラジャが英国に出掛けた時にガンジスの水を入れたという、世界一巨大な銀製の壷(ギネス認定)が二つ。往時の豪華を偲ばせる物品が沢山。英国統治からインドが独立した時に、当時の英国人領事が表敬訪問をした写真もあったわ」
♂「インドの独立は1947年マハトマ・ガンディーやチャンドラ・ボースの働きにより、独立している。彼らの努力は偉大である。しかし、敢えて一言。ここには、旧日本軍の影響も少なからずあるのだ。第二次大戦で、日本は破れはしたが欧米列強と戦った。最終的に敗れはしたが、この勇気が、白人に屈する事しか出来なかったインド人に与えた影響は大きい。だから、日本人は実はインド人に一目置かれていると俺は思っている」
♀「だね。まあ、小銭目当ての詐欺師みたいなのはよく寄って来たけど」
♂「次は、ファテープル・シークリー。ムガール帝国の三代目皇帝アクバルが建てた城で世界遺産だ。ムガール帝国はイスラム教だが、この城の面白い所は、ヒンドゥー教やキリスト教等宗教の壁による諍いを無くそうとした努力が見られる点だ。建物の建築様式もミックスされているし、更には、互いに仲良くしようという宗教まで起こした。結局は瓦解してしまったそうだが、その姿勢は立派な統治者と言えるだろう」
♀「食事の後、マイクロバスで次の都市、アグラへ。またしても200kmオーバーの長距離移動。道中、猿回しをする爺さんや、野生の孔雀を見たよね」
♂「ガイド曰く、孔雀が人里に出て来るのは雨の前兆だとか。何でも、孔雀は蛇や蛙を食べるそうで、雨が降ると穴の中からこれらの餌が出て来るからだそうだ」
♀「昔のシャーマンや魔術師の類も、もしかしたら、こういう自然現象を見て天気を言い当てたりしたのかも知れないね。雨乞いを続けて、孔雀が見えたら『そろそろ祈りが届くぞ』って言ったり」
♂「暗くなってからアグラ周辺に到着。華やかな電飾に飾られたサーカスか移動遊園地のような物があった。ガイドが『これ、インドのディズニーランドだよ』等と言うから、冗談かと思ったら、門の所にミッキー・マウスが描いてあった」
♀「これ、絶対無許可でやっているよね。ここに行った子供なんか、次の日に学校で自慢しちゃうんだろうな」
♂「ホテルに着くと、何やら催し物があって、見てみると『INSARAG』という集まりの会合とあった。後で調べると、国連捜索救助諮問グループだそうだ」
♀「震災後の日本でも活躍している団体なんだってね。知っていたら、礼や労いの一言でも言いたかったな」

  
2011年5月6日(金)
駅日誌(1593) 「印度(1)」

5月1日〜5日の、3泊5日でインドに旅行に行って来ました。北インドのゴールデントライアングルと呼ばれるデリー、ジャイプール、アグラの三都市です。日記は都市毎の三部作とします。

♀青鬼「良いなあ、インド。あたしも行ってみたいなあ」
♂赤鬼「駅員@地獄三丁目駅は、三日間で三都市を観光。結構な弾丸ツアーで、午前中に史跡を観光して、午後は200km以上をマイクロバスで移動するというツアーだったそうだ」
♀「とても一回じゃ書ききれないね。だから三部作に分けるわけね」
♂「その通り。これは、東海道五十三次歩きの時に、歩行一日単位で日記にしたのと同様だ」
♀「では、早速始めよっか。出発は昼。飛行機はエア・インディア。JALかANAもあったんだけど、GWは高いのよねえ」
♂「それはそうだな。日本人はゴールデンウィークでも、インド人は関係ないな」
♀「凡そ7時間のフライト。キャビンアテンダントも当然インド人。スチュワーデスはサリー風の制服で可愛いの。救命胴衣とかの解説VTRでもサリーの人が手話。機内食は日本で調達した物だから、多分JALと同じだね」
♂「到着すると、すぐ印を結んだ沢山の巨大な手の像が出迎え。インドに来たなあという感じだ。時差3時間半だから日本時間はもう宵の口だが、まだ明るい。ガイドや他のツアー参加者と合流して外に出ると、空気が熱い。周辺には野良犬が沢山居た。だが、一切吠えたり唸ったりしない。寧ろ尻尾を振って近付いて来る。人間から食物を貰えるかも知れないという事なのだろうな」
♀「で、マイクロバスに乗ってホテルへ。驚いたのは、デリーの中心部は東京も斯くやという高層ビルが林立しているのに、ちょっと離れるとレンガ造りの小屋が並ぶ殆どスラムみたいな街があって、スズキを始めとした新しい自動車が走っている一方で、自転車の輪タクやオート三輪のタクシーが一杯走っているの。高度経済成長の裏では、格差が物凄く開いていると感じたわ」
♂「だがしかし、インド10億人が日本人並みの暮らしを手に入れたら、地球は滅亡するだろうな。これは中国農村部にも言える事だが。ホテルは綺麗で外国人向けだ。一泊でスラムの人々の年収くらいするかも知れん」
♀「夕食は、ホテル一階で……英語表記は読めても、良く分からない物が多いから、チキンバーガーにした。これはこれでバターをたっぷり使った美味しい物だったけどね。夜中に爆発音が一杯したから銃撃戦でも始まったのかと思ったら、近くで花火を上げていた。後でガイドに訊くと、結婚式があったんだって」
♂「翌朝から早速マイクロバスでデリー観光だ。最初はラクシュミー・ナーラーヤン寺院。ヒンドゥーの寺だ。寺には靴を脱いで入り、撮影は禁止。祀神はラクシュミー女神とナーラーヤン男神夫婦だが、他にもヒンドゥーの神々の像があった。額に赤い鉱物色素を付けて拝んだぞ」
♀「寺の前の道を渡る地下道には、人が地べたに転がって寝ていたね。すぐ横に犬が同様に寝てた。人間も犬も命の価値が等価なんだな、と思ったよ」
♂「続いてインド門。第一次大戦で亡くなったインド人の慰霊碑だな。銃を持った衛兵が厳重に警備していた」
♀「次はフマユーン廟。ムガール帝国の二代目皇帝の墓だね。立派なイスラム建築だよ。かの有名なタージ・マハルもこの墓を参考にしたという、世界遺産。一部補修工事中だったけど、石棺まで見られる観光名所だね。庭に居た子犬が超可愛かった」
♂「この日の最後が、クトゥブ・ミナール。ミナールは塔という意味で、70mを超える石の塔だ。これも世界遺産。建てられたのは、何と1200年頃。当時から高度な建築技術があった事が窺われるな」
♀「その後が食事。やっぱりというか、カレーだったね。タンドリーチキンとシシカバブ、複数のカレーとインディカ米とナン。その店で点いていたテレビニュースをやっていて、ウサマ・ビン・ラディンの写真とヒンディー語で文字が沢山出ていたの。何かと思うと、ガイド曰く、ビン・ラディンが死んだというニュースだったわ。インドにはイスラム教徒も沢山居るから、暴れたりしないかとちょっとドキドキしたわ」
♂「食事が終わってから、マイクロバスで明日の観光地であるジャイプールへ。200km以上の長距離移動だ。道中日本企業の工場をいくつも見たし、ペプシやコカ・コーラの看板も沢山あった。TATA・DOCOMOなんてのもあったな。インドのタタ財閥とNTTドコモ合弁の携帯電話会社だ」
♀「牛やラクダを何度も見掛けたね。牛は、インドの三大至高神の一柱・シヴァの乗り物ナンディの眷族だから、大事にされているみたいね」
♂「およそ6時間でジャイプールに到着。ここはデリーよりも治安が悪そうだったな。その代わり、ホテルはちょっと良いホテルだった。入口に空港のような金属探知機のゲートがあり、すぐ横にタイガー・ジェット・シンみたいな男が立って居て、怖かったなあ。客室のある各フロアエレベーター前には銃を持った警官も居て、物々しい。しかし、このホテルが禁煙なので、煙草を吸いたいと言うと、親切に吸える場所を教えてくれた。何だ、本当は良い奴じゃないか、と」
♀「でもって、晩御飯も当然カレー」
♂「この時はまだ飽きていなかったが……」
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