書き起こし 人間椅子「品川心中」

 私の好きなバンド・人間椅子の曲には、歌詞カードに書かれていない「語り」部分がある曲が幾つかあります。ブレイクの予感がある今こそ、その書き起こしをしてみようかな、と。
 第二回は、アルバム「瘋痴狂」より、「品川心中」の落語部分です(アルバムとライブで異なる点がある為、アルバムをベースに書き足して居ります)。誤り等、御指摘が御座いましたら、是非教えて下さい。
※問題があるようでしたら、こちらのメールアドレスまで御連絡下さい。
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 (御手数ですが、■を@に置き換えて下さい)

「品川心中」
 作詞:和嶋慎治
 作曲:和嶋慎治
 書き起こし:駅員@地獄三丁目駅


(金蔵)御早う御座い……
(親方)何だい、金蔵じゃないかい。
(金蔵)立ってるのは金蔵で、足下にあるのが雑巾。
(親方)何を言ってやがる。どうしたんだい、顔見せねえじゃねえか、この頃。
(金蔵)えー、つきまして、私も幸せ悪く致しまして……
(親方)当り前だ。幸せがあると、酒喰らっちゃあ女ばかり買ってふらっふらしてやがるんじゃなあ。
(金蔵)えー、仕様がありませんから、この際田舎へでも行って少し稼ごうか、と。
(親方)おうおう、それが良いや。行って来い、な。どっちへ行くんだい、ええ?
(金蔵)方角は西の方へ。
(親方)西の方ね。で、いつ帰って来るんだい?
(金蔵)御盆の十三日には帰ります。
(親方)何もそう日を切らなくたって良いじゃないかい。どのくらいあるの? 道のりは。
(金蔵)人の噂に、十万億土。
(親方)嫌な野郎だなあ、こん畜生、どうも。で、西に参りますって、西は一体何処なんだい?
(金蔵)西方〜、阿弥陀〜

2014/01/18
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