カイダン


「はぁ、今日も宿題多いねぇ。嫌んなっちゃう」
「そうですね。骨が折れます」
「……ウン」
「かったりい。サボろうぜ?」
「いえ、それは良くないです。自分の為にする事なのですから」
「何? 良い子振ってんじゃねえぞ?」
「いえ、その様なつもりは……」
「喧嘩はやめようよぉ」
「………」
「わりいわりい。宿題が多くても、前のムカツク先公よりゃマシか」
「あたしが虐められてるの助けてくれなかった。先生まであたしを虐めた……」
「…………」
「しかし、あの先生も今は亡き人です。過ぎた話はもう良いでしょう」
「ざまあみろだぜ。でもよ、知ってっか? 前の先公が死んだのって、殺されたらしいぜ」
「ほんとにぃ?」
「……………」
「そうなのですか?学校の屋上から飛び降りたと聞きましたが……」
「あたしもそう聞いたよぉ?」
「………………イヤ」
「屋上から落ちたのは確からしいが、突き落とされたらしいぜ」
「…………………アノ」
「えぇ! マジぃ!?」
「……………………ソレ」
「本当の話なのですか!?」
「………………………ボクガ」

その時、人が階段を登って来る音が聞こえ、部屋のドアが開いた。
「あら、一人? お友達が来てたんじゃないの?」
「ううん、あたし一人よぉ、ずっと」
「そう。あなた、また制服汚れてたわよ? いつまでも子供みたいに遊んでないで、ちゃんと宿題やりなさいよ」
「…………………………殺ッタ」
「え? もう宿題やったの?」
「ううん、これからヤルの……」
                       (了)2005/06/12

――2005/06/29 ◆百物語参加◆ ※怖い話のサイトです。


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