5月1日〜5日の、3泊5日でインドに旅行に行って来ました。北インドのゴールデントライアングルと呼ばれるデリー、ジャイプール、アグラの三都市です。三日間でこの三都市を観光というのは結構な弾丸ツアーで、午前中に史跡を観光して、午後は200km以上をマイクロバスで移動するというツアーです。
JALかANAもあったのですが、GWは高いためエア・インディアを選択。日本人にはゴールデンウィークでも、インド人には関係ありませんしね。成田空港を昼に発ち、約7時間のフライトです。キャビンアテンダントも当然インド人で、スチュワーデスはサリー風の制服でした。救命胴衣等の解説VTRでもサリーの人が手話をしています。機内食は日本で調達した物だから、恐らくJALと同じだったようです。
デリー空港に到着すると、すぐに印を結んだ沢山の巨大な手の像が出迎えました。インドに来たなあという感じです。時差3時間半なので、日本時間ではもう宵の口ですが、インドはまだ昼間です。ガイドや他のツアー参加者と合流して外に出ると、空気が熱いのが分かりました。しかし、乾燥しているせいか、不快な暑さではありません。周辺には野良犬が沢山居ましたが、一切吠えたり唸ったりしません。寧ろ尻尾を振って近付いて来ます。「人間から食物を貰えるかも知れない」という事なのだと思います。
マイクロバスに乗ってホテルへ向かいます。驚いたのは、デリーの中心部は「東京もかくや!」という高層ビルが林立しているに、ちょっと離れるとレンガ造りの小屋が並ぶ殆どスラムみたいな街があるという事と、スズキを始めとした新しい自動車が走っている一方で、自転車の輪タクやオート三輪のタクシーが一杯走っている事。高度経済成長の裏では、格差が物凄く開いている事を感じました。しかし、もしインド10億人が日本人並みの暮らしを手に入れたら、地球は滅亡するだろうなあ。これは中国農村部にも言える事ですが。
ホテルは綺麗で外国人向けでした。一泊でスラムの人々の年収くらいするのかも知れません。夕食はホテル一階で……英語表記は読めはしても、良く分からない物が多いので、チキンバーガーにしておきました。これはこれでバターをたっぷり使っていて美味しかったです。
夜中にベッドで転がって居ると、外から爆発音が! 銃撃戦でも始まったのか!? と思ったら、近くで花火を上げてました。後でガイドに訊くと、結婚式があったんだそうな。
翌朝からは早速マイクロバスでデリー観光です。
最初は、ラクシュミー・ナーラーヤン寺院。ヒンドゥーの寺です。寺には靴を脱いで入ります。祀神はラクシュミー女神とナーラーヤン男神夫婦だが、他にもヒンドゥーの神々の像や絵がありました。恰好良い……写真撮りたい! しかし、撮影は禁止でした。額に赤い鉱物色素を付けて本尊を拝みました。
寺の前の道路を渡るための地下道には、人が地べたに転がって寝ていました。すぐ横に犬が同様に。この人とこの犬の、命は等価値なのだな……
続いてインド門。第一次大戦で亡くなったインド人の慰霊碑です。銃を持った衛兵が厳重に警備しています。こういう慰霊碑は重要だと思います。ここを訪れる意義と、靖国神社参拝の意義はほぼ等しいと私は思うのですが、どうも日本にはそう思わない人が多いみたいですね。
次はフマユーン廟。ムガール帝国の二代目皇帝の墓です。赤茶色の石で建造された立派なイスラム建築です。かの有名なタージ・マハルもこの墓を参考に建てられたしたという、世界遺産です。一部補修工事中だったのですが、石棺まで見られる観光名所です。庭に子犬がチョロチョロしていたのですが、それが可愛かったです。
この日の最後が、クトゥブ・ミナール。ミナールは塔という意味で、これも世界遺産です。この70mもある高い塔が建てられたのは何と1200年頃。当時から高度な建築技術があった事が伺われます。
その後に昼食。やっぱりというか、カレーです。タンドリーチキンとシシカバブ、複数のカレーとインディカ米とナン。その店のテレビで映っていたニュースで、ウサマ・ビン・ラディンの写真とヒンディー語で文字が沢山出ています。何かと思うと、ガイド曰く「ビン・ラディンが死んだというニュース」でした。インドにはイスラム教徒も沢山居るから、暴れたりしないかとちょっとドキドキ……
食事が終わってから、マイクロバスで明日の観光地であるジャイプールへ。200km以上の長距離移動です。道中日本企業の工場がいくつも見えましたし、ペプシやコカ・コーラの看板も沢山ありました。中には、TATA・DOCOMOなんて看板のもありました。インドではタタ財閥とNTTドコモで携帯電話の合弁をやっているのでしょうか。また、牛やラクダも何度も見掛けました。牛は、インドの三大至高神の一柱・シヴァの乗り物ナンディの眷族だから、大事にされています。
およそ6時間でジャイプールに到着。ここはデリーよりも治安が悪そうです。その代わり、ホテルは1日目よりちょっと良いホテルでした。入口に空港のような金属探知機のゲートがあり、すぐ横にタイガー・ジェット・シンみたいな男が立って居てます。怖い! 更に、客室のある各フロアエレベーター前には銃を持った警官も居て、物々しいです。しかし、このホテルが禁煙なので、煙草を吸いたいと言うと、親切に吸える場所を教えてくれました。「何だ、本当は良い奴じゃないか」と。
でもって、晩御飯も当然カレーです。この時はまだ飽きていませんでしたが……
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