僕の右手を知りませんか? ……僕の右手を知りませんか? 行方不明になりました♪ 指名手配のモンタージュ 街中に配るよ♪
〜ザ・ブルーハーツ「僕の右手」より〜
いやはや、大事な物を無くしてしまいました。目の前にあれば案外ぞんざいに扱っていて、失って初めてその重大さに気付くという愚。一体いくつの物や事をそんな風にして失って生きて来たのだろう……なんて、感傷に浸る類の比喩的な失くし物ではなくて、ただの間抜けなのですが。
何を無くしたかは書くまい……書いたらまた凹んでしまいそうです。私は結構、言霊というものをちょっと信じていますので。
しかし、上記の「無くして初めて重大さに気付く」とは、まさしく言い得て妙で、今回私が紛失したような即物的な物から、もっと抒情的な物事まで。しょうもない所では釣り逃した魚から、大きな所では身近な人との死別まで。
後悔先に立たず、後悔後を絶たず。人間とは、後悔する生き物よな……今回のような不注意による紛失以外にも後悔をする事は沢山あります。選択肢として目に見えている事象。その時そうとは見えていないが、後にして思えばという事象。
SFなんかの一説によると、無数の枝分かれした世界が並列して存在しているのだとか。「パラレルワールド」という概念です。例えば、私は今夜こうして日記を書いていますが、この日記を書かないでおこうと思えば、書かないでいられたわけです。そこで、私が今日日記を書いた世界と、書かなかった世界に分岐するわけです。
無論、今日記を書いている私は、この日記を書かなかった私を経験する事はありません。物凄く遠いパラレルワールドには、戦場で銃を抱えている私が居るかも知れませんし、人々の間に君臨している私が居るかも知れませんし、駅のガード下で段ボール箱で暮らしている私が居るかも知れません……あ! これはそんなに遠い世界じゃなかったりして!?
何か取りとめのない日記になってしまいました。紛失物のショックをまだ引き摺っているせいかなあ。
駅員@嗚呼無情 紛失物は 何処へか
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