2010年8月度目次
 #1441 「暑」 もし我が 女だったら 干物女。
 #1442 「電」 知らぬ人 度重なれば 声覚え。
 #1443 「百」 泳いでる? データの海に 溺れてる?
 #1444 「失」 嗚呼無情 紛失物は 何処へか。

2010年8月10日(火)
駅日誌(1444) 「失」

僕の右手を知りませんか? ……僕の右手を知りませんか? 行方不明になりました♪ 指名手配のモンタージュ 街中に配るよ♪
   〜ザ・ブルーハーツ「僕の右手」より〜

いやはや、大事な物を無くしてしまいました。目の前にあれば案外ぞんざいに扱っていて、失って初めてその重大さに気付くという愚。一体いくつの物や事をそんな風にして失って生きて来たのだろう……なんて、感傷に浸る類の比喩的な失くし物ではなくて、ただの間抜けなのですが。
何を無くしたかは書くまい……書いたらまた凹んでしまいそうです。私は結構、言霊というものをちょっと信じていますので。

しかし、上記の「無くして初めて重大さに気付く」とは、まさしく言い得て妙で、今回私が紛失したような即物的な物から、もっと抒情的な物事まで。しょうもない所では釣り逃した魚から、大きな所では身近な人との死別まで。
後悔先に立たず、後悔後を絶たず。人間とは、後悔する生き物よな……今回のような不注意による紛失以外にも後悔をする事は沢山あります。選択肢として目に見えている事象。その時そうとは見えていないが、後にして思えばという事象。
SFなんかの一説によると、無数の枝分かれした世界が並列して存在しているのだとか。「パラレルワールド」という概念です。例えば、私は今夜こうして日記を書いていますが、この日記を書かないでおこうと思えば、書かないでいられたわけです。そこで、私が今日日記を書いた世界と、書かなかった世界に分岐するわけです。
無論、今日記を書いている私は、この日記を書かなかった私を経験する事はありません。物凄く遠いパラレルワールドには、戦場で銃を抱えている私が居るかも知れませんし、人々の間に君臨している私が居るかも知れませんし、駅のガード下で段ボール箱で暮らしている私が居るかも知れません……あ! これはそんなに遠い世界じゃなかったりして!?
何か取りとめのない日記になってしまいました。紛失物のショックをまだ引き摺っているせいかなあ。
                                      駅員@嗚呼無情 紛失物は 何処へか

2010年8月5日(木)
駅日誌(1443) 「百」

月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人也。舟の上に生涯を浮かべ、馬の口捉えて向かうる物は、日々旅にして旅を栖とす。古人も多く旅に死せるあり。
   〜松尾芭蕉「おくのほそ道」より〜

百代の過客……百歳以上の御年寄の所在不明が数多く判明しているそうです。事の発端は、都内最高齢とされている113歳の女性の行方不明でした。それから、ぽろぽろと行方不明の100歳以上が続々と判明したのだとか。こんな事を書くのは不謹慎なのだと思いますが……その中には最早存命ではない方も居るのではないかと思います。合掌。
さて、この問題、現在の所は百歳以上や、それに満たなくても高齢者の問題になっていますが、果たしてそうでしょうか?
中国では農村部の戸籍が不十分で、実は正確な人口が掴めていないなんて話がありますが、日本は先進国だから、そんな事はなく確かだと言えるのかどうか? いや、データとしての戸籍はほぼ完璧なのだと思います。しかし、データと実勢は必ずしも一致しないのだという事が今回の一件からも想起されます。無論、それらはあくまでイレギュラーで、大勢の数には影響は微々たるものだとは思うのですが……

世の中は電子化が進んでいます。その始まりは、現物を数えるよりも、利便性を高めるためにデータに置き換える事が起きたわけですが、以降、データの更新、更新、更新で成り立っている物もあります。すると、もしかしたら、その中には現物と大きく乖離してしまった物事もあるのではないか?
例えば、マネー。電子マネーは言うに及ばず、現ナマが飛び交わない金の行き来が世の中には沢山あります。
私は賃金労働者なので、毎月、給料が振り込まれるわけですが、これは決して、銀行で銀行員が札束を数えて私の口座という金庫に仕舞っているというわけではありません。会社の口座から、私の口座へと、数字を操作しているだけなのです。思えば、非常に不確かな存在なのだとも言えます。
何かの拍子でそのデータがパッと消えてしまっても不思議はありません。そりゃあ、そんな事が起きたとしても、色々な履歴から修復する事は可能なのでしょう。しかし、一時にそれが世界規模で起きてしまったらどうでしょう? そんな事になれば、すぐに全額下ろしている人にとっても、その現ナマは紙屑になってしまう事でしょう。金という概念が吹っ飛んだ世界は、地獄か、楽園か?
……なんて事は起きないだろうと、腹をくくって世界経済は動いているわけですが、2005年にジェイコム株大量誤発注事件という事件も起きています(「61万円1株売却」とすべき所を「1円61万株売却」にしてしまって大損害が生じたという事件です)。
高度に電子化された世界に、ある日、ドラクエの「冒険の書」が消えた時のメロディーが鳴り響く事もあり得なくはないのではなかろうか……?
                                 駅員@泳いでる? データの海に 溺れてる?

2010年8月3日(火)
駅日誌(1442) 「電」

リンリンランラン ソーセージ(双生児) ハーイハイ ハムじゃない♪
なんて事は 全然彼女も言ってない ヘーイヘイ 日本中知っているさ♪
   〜西城秀樹「走れ正直者」より〜

私は、会社から支給されている仕事用と、元々持っている自分用と、携帯電話を二台持っています。
自分用の方は、平日の昼間は上着のポケットに入れっぱなし。今の時期は上着は着ていないので鞄に入れっぱなし。外出の折等にたまに見る事はありますが、出社〜退社まで一度も見ない事が多いです。
その自分用の携帯電話に平日の昼間に間違い電話がかかって来ている事があります。知らない番号なので、わざわざこちらから掛け返す事はないのですが、同じ番号で何度かかかって来ていて、更には留守番電話まで入ってた事がありました。「○○さん、電話下さい」……という女性の声。無論、私はその○○さんではありません。何となく口ぶりからどこかの会社の内勤から、営業マンへかけたという印象です。それから度々、その番号からの着信があったのを目にする事がありました。無論放置していたのですが、そんなある日、またしても留守番電話が入っていました。「○○さん、××の△△さんから電話がありました。連絡下さい」。
うーん、こんなに度々私の電話に、しかも平日昼間は出ない電話に、間違えて掛けて来ていると、向こうも連絡事項がちゃんと伝わっていたりいなかったりで大変だろうと思い、たまたま着信時間から1〜2時間しか経って居ない時に気付いた時があったので、折り返してみました。
やはり、「はい、□□です」と、会社名で出ました。留守番電話に入っている声と(恐らく)同じ声です。で、何度か間違い電話を貰っている事を説明し、心配だという旨を言うと、恥ずかしそうに慌てて謝罪していました。
それからも、何ヶ月かに一度くらいのペースで同じ番号からの間違い電話の着信や、留守電が入っていました。無論、大半は夜になってから気付くので放置ですが、前述の注意した時と同様に、たまたま気付いたのが着信から近い時間の場合、折り返して、「また、やってますよ」と指摘していたものです。そんな事が足掛けもう2〜3年続いたのではなかろうか……と記憶しています。

そう、これは過去の話だった筈なのです。
最近は、その番号の着信も見なくなり(あまりに何度も見たので、暗記はしていないが、見れば分かるようになっています……)、ようやく終息したと思っていたのですが、先週の金曜日にまた連続の着信記録がありました。留守電もあります。
もう夜遅かったので放置したのですが、今日の昼にまたしても。それも、着信から1時間も経たない内に発見してしまったので、久々に折り返し。矢張り同じ人が出たので、また指摘すると、繰り返し謝っていました。どうも、最早私の声を覚えてしまっている様子。間違い電話相手の声を覚える程何度も間違えるとは……
いい加減怒ればもう間違えてかけて来る事もないのかも知れませんが、何だか憎めない声と喋り方なので、またやんわり指摘に留めてしまいました。甘いか……
しかし、こう何度も間違えるものなのでしょうか? しかも、同じ間違え方なわけです。これは一体?
私の携帯の番号には、同じ数字が2つ続く部分があります。思うに、ここが間違いの発生するポイントなのではなかろうか?
私の番号をこんな所で公開するわけにはいかないので、仮に私の番号を000-1234-4567とします。
で、もし000-1234-5678にかけようとして、4を誤って二回押してしまったら、8が入力される前に000-1234-4567にダイヤルが開始されてしまうのでは? 固定電話は「番号を押してから発信ボタン」ではなく、「受話器を取ってから電話番号を入力」ですから、無い話ではないかも。
4と5は隣り合っていますし、指の端が4に掛かってしまったのかも(実際の私の番号でも、同じ数字が続く次は隣のボタンの数字なのです)? 次にかかって来たら、この説を論じてみようかな?
                                      駅員@知らぬ人 度重なれば 声覚え

2010年8月2日(月)
駅日誌(1441) 「暑」

ギラギラ輝く太陽が 時代の片隅へ 堕ちて行く♪
寂れた海辺の国道には 現在もセピアの幻影が揺れてた♪
   〜サザンオールスターズ「HOTEL PACIFIC」より〜

歌詞を諳んじた後、確認のために歌詞を見ようとして驚きました……もう10年も前の歌なのです。あのダチョウ倶楽部の「ヤー」みたいな振りが特徴的な歌でしたが、もう10年も前か。桑田佳祐も年を取った筈です。食道癌、どうか早く快癒して欲しいです。
そう言えば、私が言う「こないだ」というのも、昔よりも長い範囲を指すようになってきています。そりゃあ、一部の社会科教師のように、100年単位だったりはしませんが。
今日はまだマシでしたが、7月の下旬から余りにも暑い。ちょっと外を出歩いただけで、昼食を摂っただけで、汗っかきの私は滝汗です。油断していると、目に入って非常に沁みたりします。
こないだまで、30℃と言えば特別暑い日だったのに――おっと、またスパンの長い「こないだ」を使ってしまいました――今では、夏場は当たり前です。
私の肌も、こないだの東海道歩きのせいですが――おっと、2週間前は「こないだ」としては長いのかどうか!?――随分日焼けしています。
東海道歩きの後は、どうも土日はぐだぐだと涼しい部屋で過ごしてしまって居ます。殆ど干物女ならぬ煮干男状態! 綾瀬はるかとは似ても似つきませんが。

むむむ、今、「綾瀬はるか」の「はるか」が漢字か平仮名か自信が無かったので「ホタルノヒカリ」のサイトを見てみると、干物度チェックなるものが……どら、と思ったらやはり「干物女」チェックでした。男では答えられない問いも多く……しかし、身に摘まされる項目も結構あったりしました。「忘れ物は靴を履いたままつま先立ちで部屋にあがって取りに行く」だの「テレビに向かって一人突っ込みを入れることがある」だの「おなべから直接ラーメンを食べる事がある」だの……私が女に生れて居たら、間違いなく干物女だなあ。
しかし、盆休みには、行くで、阿波踊り! 徳島に行く予定です。
                                       駅員@もし我が 女だったら 干物女
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