2011年6月度目次 (御意見御感想は掲示板にどうぞ)→

 #1615 「色眼鏡」 サンタの恰好をしている男の大半はサンタじゃない。
 #1616 「霊霊魔魔」 目に見えないものを信じるのは難しい。
 #1617 「狂歌」 31字で世相を詠う。
 #1618 「休日」 三田〜増上寺〜高円寺〜元町商店街〜山下公園〜東京駅。
 #1619 「眼鏡」 狂気の眼鏡。
 #1620 「全体主義」 プチファシズムは世に溢れている。
 #1621 「丁」 私のお気に入りのTシャツ屋2店。
 #1622 「絶対と相対」 絶対的な物事は思ったより少ない。
 #1623 「泡沫」 シラケ世代→バブル世代→氷河期世代。
 #1624 「学歴」 戯画化しているとはいえ、「名前をなくした女神」みたいなのって実在するのでしょうか?
 #1625 「*(上下を縦に接続したような字)拉OK」 ←中国語で、ある物を指す言葉です。何でしょうか?
 #1626 「北風と太陽」 珍しく人を誉める……というか、珍しく偉人以外の人を尊敬。
 #1627 「林檎三個分」 サンリオキャラクター大賞というのが開催中だそうです。
 #1628 「意味盲」 言葉は通じるのに、話は通じない。
 #1629 「超自我」 スーパーエゴイズムとユーティリタリアニズム。
 #1630 「美食」 おねがいランキングの自称美食家連中に物申す!
 #1631 「味覚」 案外美味しい、安い立ち食い寿司。
 #1632 「傷」 猫っぽい車だから猫が登るのだろうか。
 #1633 「野菜」 王と王子は総称、部下は赤蕪、青菜。ライバルは人参。
 #1634 「刀」 SAMURAI UMBRELLA-MINI。
 #1635 「名前」 12月は大忙しの事務局長、緩いのか固いのか分からない首相。
 #1636 「煙草」 煙管から出した火種のように、時には人の掌の上で転がるのも大事。
 #1637 「発言」 発言心と発言力と発言権。
 #1638 「怪物」 カプセル怪獣とポケットモンスター。
 #1639 「α波」 私は癒しのオーラを発している?
 #1640 「電気」 電気のない都市。電気のない年。
 #1641 「電気」 東電株主総会について & 北斗の拳の帝都。
 #1642 「世界遺産」 平泉には行った事ありますが、小笠原はありません。
  AKA-ONI & AO-ONI

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2011年7月1日(金)
駅日誌(1643) 「瑞西」

瑞西と書いて「スイス」です。漢字表記は結構面白くて、音で字を当てている場合と、意味で字を当てている場合があります。面白いのは……例えば、ケンブリッジ。漢字では「剣橋」と書きます。ケン+ブリッジなわけです。

♀青鬼「ねえ、この写真ってスイスのメトロの切符でしょ? 五月にインドに行ったと思ったら、今度はスイス? 贅沢だね」
♂赤鬼「駅員@地獄三丁目駅如きにそんな金がある筈がなかろう。これは、会社でスイスに出張した人から貰ったのだ」
♀「ははあ、駅員というだけあって、こんな物にも興味があるんだね」
♂「いや、海外の物を見るのはなかなか面白いぞ。この切符に入っているようなホログラムが、ユーロ札にも入っているのだが、『欧州はこういうのが好きなのか』、『偽札がホログラム無しの国よりも多いのか」という風に色々考えられる」
♀「それにしても、右のと左ので長さや印字が違うけど……どっちか偽物なんじゃないの!?」
♂「くれた人曰く、駅によって印字は違うらしい。長さについては、長さが違う事から一つ推理出来るぞ。つまり、この切符は券売機の中で、幅が決まったロールになっているのではないか? と」
♀「なるほど。印字してロールからカットする仕組みかも知れないよね。それなら、印字のサイズによって、カット位置も変わるという事か……流石、赤鬼。ところで、これ、何て書いてあるの?」
♂「左上は、『チューリッヒの』という意味の単語だ。AmericaとAmericanのように、ZurichとZurcherとなるわけだ」
♀「あとは?」
♂「自分で辞書を引かないと賢くなれないぞ!」
♀「分かんないんだ」

2011年6月30日(木)
駅日誌(1642) 「世界遺産」

土日に、小笠原と平泉が文化遺産に登録されました。一挙に二つも。これは快挙です。

♂赤鬼「日本人として、これは誇らしい事だ……だがしかし、もはや世界に世界遺産は箇所もあるのだ。これからは世界遺産の価値が薄まるか、それを防ぐために基準が厳しくなるかする事だろう。早く申請して良かったと言える。世の中に存在する物のあらゆる価値は、徐々に陳腐化するものだ」
♀青鬼「平泉は昨年も申し込んだけど、アピールポイントを絞り込めてなくて、外国人に価値がよく伝わらなかったみたいだね」
♂「特に、奥州藤原氏の目玉、金色堂は一見の価値があるぞ」
♀「駅員@地獄三丁目駅は、中尊寺には行った事があるんだっけ?」
♂「昔、休日に急遽岩手に出張しなければならなくなった時に、一泊して小岩井農場や中尊寺、蝋人形館で遊んで帰ったのだ。ジャージャー麺も、わんこ蕎麦も食った」
♀「駅員は、急遽の出張も結構楽しみみたいだね」
♂「行った事が無い土地に行って、そこの文化風物に触れるのは面白いものだ」
♀「だから、東海道五十三次歩きなんかしようと思うんだろうね」
♂「今回登録されたもう一つの世界遺産、小笠原には行った事が無い」
♀「竹芝から船が出ているよ。しかし、1,000kmも離れているから片道25時間だって」
♂「5連休くらいないと行って帰って来るだけだな。いつかは行きたいが、二等船室(雑魚寝)で約25,000円か。一等でも4人部屋らしい。一人で一部屋というのは出来ないらしい。二人部屋ならあるから、運賃二人分払えという事か」
♀「船旅は一人旅には向いてないんだろうね」
♂「島と言えば、行ってみたい島は沢山ある。特に、長崎の軍艦島はいつか絶対に行ってみたい島だ」
♀「元鉱山島、労働者の住居ビルが外周を覆って軍艦みたいに見えるんだってね。今は廃墟だけど、行って数時間で帰るツアーはあるみたいね」

2011年6月29日(水)
駅日誌(1641) 「電気」

昨日と同じタイトルやないか! 昨日「原発を回さないと停電が来る!」と書いてから、新たに知った事や思った事があるので、今回も電気についての独白です。♂赤鬼♀青鬼は今日も無し。

現在、急速に反原発の空気があり、東京・東北電力以外の原発も定期点検から運転を再開出来ずに居ます。しかし、その空気は作られた世論という感もあります。昨日の東京電力の株主総会では、原子力発電廃止の株主提案があったそうですが、賛成票はたったの8%と随分少数派です。
「金融機関等の大株主が反対しているというだけだろう」と……否、議決権ベースで個人株主は40%居るそうです。ならば、本当に世間の意見が「原発廃止」だとすれば、もっと40%に近い数字が出る筈ではないか、と思います。
「株主は、東電の株価がある程度戻らないと大きな損切りをせざるを得なくなるから、株価が戻るまでは原発を廃止されたくないのだ」と……それは当たっていると思います。そりゃ、電力株なんて従来は安定株でしたから、預金感覚で金を預けていた人も多い事でしょう。
「銭の話ばかりして、原発の近所に住んでいる人の気持ちはどうなる。株式投資のリスクは自己負担だろう」と……それは全くその通りで、返す言葉もありませんが、人によっては預金感覚で預けていると先に書いた通り、極論、東電株が1/7の価格になった事で、首を吊らないといけない人も居ても不思議ではないのです。こちらも単に銭の話というだけでなく、命に関わる話かも知れません。命に関わらない人はとっくに損切りしているのではないでしょうか。とは言え、今も株主の人の多くは、まだ余裕がある人の方が多いでしょう。或いは、反対に底値狙いで買った人も居るでしょうし、総会でイデオロギー活動をするために買った人も居るでしょう。だって、「原発廃止を涙ながらに訴える株主」って、何だか妙な存在だと思いませんか? 原発反対なのに、原発を推進する会社に出資しているわけです。普通なら不買でしょう。
株式投資をする人間なんてのは、純粋な人なんかではないのだと思います。かく言う私も何社か株式は持って居ますがね(私はたまたま電力は買った事がないです)。

さて、ここで電力問題に建設的意見を致します。「人力発電の導入」は如何でしょうか? 
つまり、北斗の拳の、ジャコウの居城の地下に、大きな円柱があり、奴隷みたいな大勢の人がそれを回して発電していました。
←こんな発電機です。

しかし、こんな円柱をゆっくりぐるぐる回しても発電量は知れていると思いますので、現実的には自転車型で如何でしょう? 電力不足が懸念される時間帯に、発電機付きの自転車を大量に置いた人力発電所を稼働するのです。体を鍛えたい人、ダイエットしたい人、仕事が無い人のアルバイトに。或いは囚人への刑罰としての強制労働に。結構ありじゃないですか?

2011年6月28日(火)
駅日誌(1640) 「電気」

今回は提言です。♂赤鬼や♀青鬼に仮託せず、独白で行きます。
東日本大震災の影響により、福島第一原子力発電所にてメルトダウン、メルトスルーが発生し、一気に原発反対の世論が沸き上がりました。本日、東京電力の株主総会がありましたが、矢張り大荒れだったそうです。
しかし、非難囂々を覚悟で敢えて言います。「無事な原発は回すべきである」と。異論反論が多いのは百も承知ですが、それでも私は、今の状態では原発を再稼働せざるを得ないと考えます。
そうしないと、6月にしてこの暑さ……このままでは真夏には停電は必至だと思うのです。「暑さぐらいが何だ!」との声はあると思います。しかし、それは、体力がある人間の意見です。実際の所、暑さが私に影響するのも、仕事の能率が落ちる事と、汗臭くなる事くらいです。猛暑でも耐える事だけなら出来る自信はあります。
しかし、体力の無い人はどうなるのでしょう? 御老体や幼児は、暑さで熱中症・脱水症状になると死ぬ危険性があります。「節電の為に死ね」と? 「停電になったら、死んでもしょうがない」と? 私の思想信条では弱肉強食を理想としていますが、救う手立てがあるのに「弱者だから死ね」とは、とても言えません。
無論、中長期的には原発は減らしていくべきです。しかし、順次代替エネルギーを確保してからの話です。先に止めるのは性急だと思うのです。
原発の近隣に住んでいる人々の気持ちは重々承知しております。だから、ピーク時間を中心に極力節電はしていかねばなりません。それでも、「原発を回す」を最初から選択肢から外すべきではないのです。熱中症・脱水症状で人がバタバタ死んでからでは遅いのです。

2011年6月27日(月)
駅日誌(1639) 「α波」

私は、パッと見凶暴そうだと言われる事があります。その一方で、実際に短気な面も確かにあります。そして、セッカチで新し物好き、曲がった事が嫌い(論理が通っていない頭ごなしが嫌い)、熱い風呂が好き、人の喧嘩を見るのもちょっと好き……江戸っ子ではないのですが、何となく江戸っ子的。

♀青鬼「全くタイトルと出だしが合っていないのは気のせい? α波ってリラックスの波長だよね?」
♂赤鬼「α波を欲しているという事ではないか?」
♀「まあ、社会人なら誰もが癒されたいよねえ……人を癒さないくせに自分は癒されたいだなんて、虫の良い話だけどね」
♂「……と思ったら、どうも駅員@地獄三丁目駅はα波を発していると主張しているそうだ」
♀「ええ〜? 人を怒らせたり、恐れさせたりしかしてないんじゃないの?」
♂「どういうわけか、駅員が電車で座っていると、隣に座っている者が眠ってしまう事が多いのだそうだ。老若男女問わず」
♀「子供〜爺婆まで?」
♂「うむ。そして、駅員に寄り掛かって来る確率が異様に高い」
♀「それは、ただ単にたまたま進行方向に対して前方か後方かって事(駅員註釈:ここで言っている電車は、壁に沿っている長椅子タイプです)ではないの? 加速とか減速とかの慣性で動いて」
♂「それならば、右隣も左隣も同じ方向に傾くだろう? 両サイドから寄り掛かられた事も何度かある」

♀「うげげ、両サイドから!」
♂「他にも、駅員が飲んだ帰りの電車で眠っていて、目が覚めると、知らない女性が頭を完全に駅員の肩に乗せて眠って居たり……子供が眠ってしまって、ぐいんぐいん動いて駅員にぶつかって来るので、向かいに立って居たその父親が見兼ねて子供の頭をずっと押さえていたたり……」
♀「寄り掛かられた時は、肘とか肩でぐいっとやれば良いのよ」
♂「そこまで眠いのなら、こちらが然程負担にならない程度の重さならば眠らせてやりたくなるのだ。駅員は酒を飲むと眠気に耐えられずに眠ってしまう事がよくあるので、眠くて眠くてしょうがない人の気持ちも分かるのだ」
♀「α波とか関係ないんじゃないの? ただ、駅員みたいな者でも多少は優しさ・甘さがあったというだけ」
♂「それは何だか、良い人アピールみたいで、小恥ずかしいぞ!」
♀「それを恥ずかしがるのも、江戸っ子的かも」

2011年6月26日(日)
駅日誌(1638) 「怪物」

「さあ! 始まるザマスよ!」 「だーはははは! 楽しいザマス」
「行くでガンス」 「はははは、フランケン、行こ行こ行こ、行くでガンスよ、ほらほら」
「フンガー」 「フンガフンガ……フンガー! フンガー!」
……ガヤガヤ……
「うるさーーーい!!」 ♪カーイカイカイ カーイカイカイ 愉快痛快怪物くんは怪物ランドのプリンスだい♪

♂赤鬼「懐かしい。近年、嵐の大野が主人公でドラマ化していたが、俺の中では矢張りアニメの方だなあ。小学生時代夏休み等長期休みの昼頃に再放送していた気がするぞ」
♀青鬼「上に書いた台詞部分を拾うために改めて聴いたわけだけど、何気に楽曲のレベル高いよねえ。各パートのコード進行とか」
♂「そりゃそうだ。昔のアニメには専用で作られていたオリジナルソングが多かったが、作曲もアレンジも専門家が、その世界観を聞いた上で作っていたわけだからな」
♀「特撮物、仮面ライダー、ウルトラマン、五色物なんかは今でもオリジナルソングなのかな?」
♂「それは知らぬ……昔はオリジナルソングだったが、今はどうだろうな? セブンセブンセブン♪ とか」
♀「ウルトラセブンは駅員@地獄三丁目駅の世代ではないよね? 年齢詐称疑惑!?」
♂「ようやく本題に入る所だ。あんな者の年齢など、放っておけ。ウルトラセブンには、カプセル怪獣という部下が居る。普段はカプセルに封印されていて、出て来て戦うわけだ」
♀「へえ、ポケモンみたいなのね」
♂「その通り。ポケモンの製作サイドは、実際にカプセル怪獣を参考にしたそうだ。だから、ゴモラに似たキャラクター等、ウルトラマンに出て来る怪獣に似たポケモンがちらほら居る」
♀「パクリ、というかオマージュという事か……あれ? ポケモンも駅員の世代じゃないよね? ウルトラセブンとは逆回転だけど」
♂「駅員は、少年時代に『勉強は学校でやるもので、授業の後は遊ぶ時間だ』が持論だった。無論、中間期末試験前や受験前には自宅でも勉強したがな。で、高校三年の年には、友人が皆、塾や予備校で忙しくて、遊ぶ相手が居なかった」
♀「まあ、そうだろうねえ」
♂「自宅でゲームでもやろうかと思うものの、テレビは自室にはなく、テレビに繋ぐタイプは見咎められる危険性が高いため、昔買ったゲームボーイの出番がやって来たわけだ。自室で出来るゲーム機だ」
♀「ははあ、それがポケモンだったわけね」
♂「中古ゲーム屋で赤/緑の赤を購入してやっていたのだが、子供向けと甘く見ていたら、なかなかどうして奥が深いゲームなのだ」
♀「たとえ子供向け商品でも、ヒットするのは子供だましではないよね」
♂「で、先日ブックオフに通勤読書用の本を漁りに行ったのだが、中古DSソフトのコーナーにポケモンのソフトが山程あった。ホワイト/ブラックは恐らく最新なのだろう……ちょっと高かったので敬遠し、ダイヤモンド/パールのダイヤモンドを買ってみたのだ。箱&説明書無しがあり、たったの550円」
♀「安っ!! でも、最近のゲームって親切設計で、ゲーム内の序盤でちゃんとやり方を教えてくれるから、箱&説明書無しでも問題なかったりするよね」
♂「今日は微妙な天気だったため、一日引き籠ってポケモンをやっていた……」
♀「問題は、ポケモンシリーズは、ソフト1本では全種類集められないという点よね」
♂「うむ。本当はパールを所有する友人と通信機能で補完し合うべきものだなあ」
♀「というわけで、ポケットモンスター・パールを持っている方が居られたら、御一報下さい」

2011年6月25日(土)
駅日誌(1637) 「発言」

発言力と発言権は微妙に異なります。発言心があっても、発言力が無ければ発言してもスルー。発言権が無ければ発言そのものが抑えつけられます。

♂赤鬼「何ぞ、不満でも持っているような口ぶりだな」
♀青鬼「駅員@地獄三丁目駅に限らず、給与労働者をしていれば誰もが一度は抱きそうな不平だよね」
♂「思うに……抑え付けたり、認めなかったりする側はそういう環境を我慢して生きていて今があり、その連鎖は当たり前でしょうがないと思っているのだろうな。それは責めても詮無き事。天然ボケと同じようなものだ。そういうものだという考えが染み付いているのだから、容易には変わらない」
♀「三つ子の魂百まで、か。しかし、それがそういうものだという事になると、抑え付ける側が幾ら説教をしても、駅員も容易には変わらないという事だよね」
♂「そうなのだが、抑え付ける側は、自分は変わらずに配下の者は変えたがる」
♀「きっと、その闘いの連鎖は、太古の昔から未来永劫まで続くんだろうね。何でも、エジプトのピラミッドには早くも『最近の若い者はけしからん』という記述があるそうよ」
♂「きっと、それを書いて残した者も、若い頃にはけしからん若い者だったのは間違いないだろう。そして、そこに書かれた若い者も、年をとると同じような事を思うのだろう」
♀「そんな中、最近ちょっと面白い事があったのよ」
♂「と言うと?」
♀「とある打ち合わせの場面で、何か意見は? と進行役が問うたの。駅員は、社内外を含めたそこに居たメンバー約10人程の中で、序列的にはほぼ最下層近辺。進行役及び主流は社外の人。駅員の社内で立場が上の人も同席。その打ち合わせの内容は駅員が割と詳しい業界について」
♂「ほう……怖いもの知らずの駅員の事だ。何か言ったんだろう?」
♀「『これこれについて調べておいた方が良いと思います』と意見したら、駅員の社内で上の人がここぞとばかりに『それは本筋とあまり関係が無いから調べることもないだろう』とコメント」
♂「面白い事、と言ったが? それではただの不満ではないか」
♀「話は終わりではないの。それについては、駅員が引き下がって一旦有耶無耶になったんだけど、結果的には、主導権を持つ社外の人がそれについても調べる事にしちゃったのよ」
♂「なるほど。社内の人間が認めなかった事を、社外の人、それも立場的に上の人がアッサリ認めたりすると、それは良い気分だろう。上役がそれを根に持ったりしなければ良いが」
♀「世の中には、『何を言ったか』よりも『誰が言ったか』に重きを置いてしまう人が多くて、たまに変な方向に向かう事があるよね。本当は『何を言ったか』の方が重要で、それよりも本来は『誰が何を言ったか』とセットになっていてこそなのにね」
♂「『偉い人が言うから正しい』のではなく、『正しい事を言うから偉い』のだ。『偉い人が言うから正しい』では、赤塚不二夫がバカボンのパパに言わせている『国会で青島幸男が決めたのか?』と同じである」

2011年6月24日(金)
駅日誌(1636) 「煙草」

以前、一時期JT煙草が品薄だった頃に飲んでいたら、フィリップモリスのアルバイトが試供品を配りながら、無料会員の勧誘をしていたので、試供品欲しさに会員に入りました。その会員向けなのか、昨日、今日と連続して煙草が届きました。三日間とあるので明日も届く様子。

♀青鬼「太っ腹だねえ!」
♂赤鬼「駅員@地獄三丁目駅が普段吸っている煙草は『わかば』である。元々はホープだったが、値上げ以降安い銘柄に変えたのだ」
♀「て事は、マールボロを貰っても、普段吸う銘柄をマールボロに変える事は無い、か」
♂「フィリップモリスとしては、それでも時折吸って貰えれば、という腹なのだろう」
♀「それにしても、キャンペーン用のカードは青いカラーリングね。これは、アイスブラストというメンソール銘柄のカラーリングじゃない?」
♂「その通り。キャンペーンは、そのアイスブラストのものだ」
♀「なのに、送られて来たのは、赤マルなんだね……」
♂「その会員になる時に書いた用紙には、普段吸っている銘柄を書く欄があった。駅員は、そこに正直に『わかば』と書いたのだ。つまり、想像だが、フィリップモリスはマールボロシリーズの中から、その普段吸っている銘柄に最も近い物を送っているのではなかろうか?」
♀「それは気が利いているね。それも、一度に3箱送るのではなく、1日1箱ずつ送るというのも手が込んでいる」
♂「広告宣伝費を思いっ切り使っているな。しかし、この日記で触れたくなる程のインパクトはある」
♀「という事は、駅員はまんまとフィリップモリスに踊らされている?」
♂「良いではないか。この気の利きよう、手の込みようは、あらゆるサービスに活かせる経験値である」
♀「なるほど……先日の喫茶店での禁煙タイムの件もそうだけど、駅員は煙草絡みで色々と気が付く事があるようね」
♂「煙草は百害あって一利無しだと思っていたが、こういう気付きがあれば、一利はあるとも言えるか」
♀「最近、もう一つ煙草絡みの経験があったそうだよ。店内にガラスで囲まれた喫煙所が設けてあるコンビニがあるんだって。駅員はそこを利用する時には、必ず何かを買っているのよ」
♂「そりゃあ、何も買わずに店の中の喫煙所だけ使うのは申し訳ないよなあ。アルバイトが灰皿も掃除するのだろうからな」
♀「きっと、それも店の狙いなんだろうけど、中には煙草だけ吸う人も居るのよね。理屈としては、何かを買うのは店の思う壺だと言うの」
♂「そこは狙いが分かっていても応じるべきだろう。時には自ら人の掌の上に転がる事も大事だ」
♀「だよねえ。そういう意味では、今回の日記がフィリップモリスの宣伝臭くなるのも、しょうがないか」

 
2011年6月23日(木)
駅日誌(1635) 「名前」

人名に留まらずあらゆるものに名前があります。ペットにも名前がありますし、広い意味では名詞も名前です。種類、地名、品名、等々。無生物の名称は便宜上付けているものなので良いのですが、人名はそう簡単ではありません。

♂赤鬼「写真の一枚目は2〜3年前の新聞記事で、二枚目は今日の新聞記事だそうだ」
♀青鬼「え〜と、一枚目から……これはそういう苗字なだけだよね、ただ単に。でも一瞬、『国際鉄鋼協会』なんてカタそうな組織に、『クリスマス事務局』なんて部署があるのか!? と思っちゃうよね」
♂「何て微笑ましい組織だ! しかし、恐らく彼は子供の頃から名前をいじられて育ったのだろうな。『畜生、クリスマスなんか大嫌いだ!』とか思った事もきっとあるだろう。よく、捻くれずにこんなカタそうな組織の頂点まで登ったものだと感心する」
♀「だよねえ。で、二枚目も『カタそう』繋がりで……フィンランドの、カタイネン首相!」
♂「『硬いねん』……北欧にはネンが付く苗字が多いのだ。スキージャンプの選手には山程○○ネンが居る。アホネンなんてのも居る」
♀「しかも、本文を読むと、フルネームはユルキ=カタイネン。緩いのか? 固いのか? と」
♂「まさか、遥か東方の国で自分の名前が面白がられるとは夢にも思ってまい。そういう意味では、ボボ=ブラジルが来日した頃は九州は大騒ぎだったらしいな。ボボとは九州の方言で……」
♀「言わなくてよろしい」
♂「はい」
♀「逆に言えば、日本人の名前も何処かの言語では大笑いになっているものもあるかも知れないよね」
♂「それはそうだ。だが、言語体系が違うのだからしょうがない。因みに、駅員@地獄三丁目駅の苗字は、アルファベットで書くと英単語になる。しかも、日本でも割と目にする英単語なのだ」
♀「名前と言えば、日本国内でも問題になったものがあるよね。悪魔くん騒動とか、最近ネットニュースで見たのは、『美人』(みと)という名前の賛否」
♂「ああ、その名前は辛いな。仮に美人に育てばやっかみの対象になり、不美人に育ったら悲惨だ」
♀「駅員@地獄三丁目駅の持論では、『人は名前の逆に育つ』んだそうな」
♂「何だそのトンデモ理論は……まあ、名前と比べられてしまうというのはあるだろうがな」

2011年6月22日(水)
駅日誌(1634) 「刀」

以前、とある傘が欲しくて買おうかどうか迷っていたのですが、今般ネット通販でその折り畳みバージョンを発見し、折り畳みでないバージョンより安かった事もあり購入してしまいました。

♂赤鬼「おお、忍者刀のような傘ではないか!」
♀青鬼「元々購入を迷っていたのは、要はこれの折り畳みじゃないバージョンって事なんだね。しょーもない物を買うよねえ……」
♂「物は割としっかりとした作りのジャンプ式折り畳み傘で、そのハンドル部分が日本刀のようになっている、と。なかなか面白いではないか」
♀「ブランドはKIKKERLAND。タグに英語で何やら書いてあるね……UMBRELLA FOR THE CIVILIZED BUT DISCONTENTED」
♂「文化的だが不満のある人の為の傘、か。ははは、タグの裏にある日本語の『お取り扱いのご注意』には、『刀の様に振り回したり、人を攻撃しないで下さい』とあるな」
♀「馬鹿馬鹿しいけど、こういう商品を出すブランドって、御洒落な物も作ってそうね。どれどれ……へえ、御洒落な雑貨がいっぱいあるじゃないの! モナリザの顔の一部が針になって回る壁掛け時計とか、面白いじゃない」
♂「傘は、日本刀の他に、サーベルやブロードソードというのもあるな。ハンドルが違うだけだが……」
♀「刀剣タイプで選ぶとすれば、やっぱり日本刀が恰好良いね。あ、あくまで、もしその枠の中から選ぶなら、という話ではね」
♂「それはそうだ。日本刀は刀剣では世界最強なのだ」
♀「ただ単に、世界が刀剣から銃の時代に移ってからも、武士の間で継続的に使われて来たからね。欧州では進化が止まっていたけど、日本では続いていたというだけよ」
♂「同様に、戦艦という枠組みでは、大和/武蔵が、今でも世界最強だ」
♀「それも同じ。戦争の主力が艦船から飛行機の時代に移ってから建造されたからね。欧米はBattle Shipなんか作らないで、空母を作っていたのよ……」
♂「思うに、世界における日本の位置付けは、その時代から現在も大して変わらないな。技術の粋を極めるの技術力があるのだが、機を見るに敏でないというか、デファクトスタンダードを取り損ねるというか……」
♀「確かに。だって、ipadと同じような製品なんか、実はNECが20年も前に作っているんだよね。VERSAPROという商品名で。指タッチじゃなくてペンタッチだけど」

2011年6月21日(火)
駅日誌(1633) 「野菜」

野菜の星の王様及び王子様は野菜の総称です。侵略戦争における先鋒が赤蕪、王子の付き人が青菜、赤蕪より遥か昔に侵略先に流れ着いたのが人参でした。そして、人参の息子は米なのです。それは、育ての親から取った名前でした。

♀青鬼「何これ? なぞなぞ?」
♂赤鬼「おいおい、君のモデルとなった人物が登場する漫画の話だ」
♀「ああ、だからこの写真か。べジータ(ベジタブル)、ラディッツ(ラディッシュ)、ナッパ、カカロット(キャロット)、悟飯(ごはん)かあ」
♂「写真は、缶コーヒーの期間限定デザインだな。今はドラゴンボールだ」
♀「何と、コーヒー3種類で、30種のデザインを展開しているんだとか」
♂「凄いな。この会社は、北斗の拳やキン肉マンでもやっているが、その時はそんなに種類は無かったぞ」
♀「どうせ、北斗の拳の時はラオウ缶ばっかり飲んでたんでしょ?」
♂「大当たり。だから、駅員@地獄三丁目駅は俺の顔をこういう顔にしたわけだ」
♀「駅員は、漫画の主人公以外のキャラ好きになる事が多いよねえ。ヒネクレ者だからねえ」
♂「代表的な所では、北斗の拳ではラオウ、ドラゴンボールではべジータ、キャプテン翼では日向小次郎、るろうに剣心では斎藤一、ワンピースではゾロ、ナルトでは鹿丸が好きだな」
♀「う〜ん、我が道を行くキャラばっかりだね」
♂「主人公というものは、どうしても万人受けを狙わなければならない。それに対し、これらのキャラの如何に人間臭い事か」
♀「なるほど……タイトルに戻るけど、好きな野菜は?」
♂「レタス、オクラ、大和芋、モロヘイヤ……」
♀「レタス以外、粘っこいのばかりじゃないの」

2011年6月20日(月)
駅日誌(1632) 「傷」

諸行無常。不変のものなど世の中には存在しません。傷付き、傷付け、流れていくしかないのです……

♂赤鬼「何か辛い事でもあったのか……随分感傷的な事を書いているが?」
♀青鬼「写真をよく見てよ。要は愛車の塗装の上の樹脂コートがガリガリになっているのを嘆いてるだけよ。もう新車登録から10年以上経っているんだから、余程キチンとケアしてないと塗装も駄目になるよ。それに、塗装では日本車に及ばない欧州車を、欧州より湿気の多い日本で走らせているんだから、当然でしょ!」
♂「まあ、そう言うなよ。恐山を始め、数々の一人旅を一緒に走った相棒なのだから」
♀「機械を擬人化する男っているよねえ。でも、そう思うのなら、もっと大事にしてやれば? ポリマーコートを毎年するとか」
♂「いや、これは経年劣化だけではないのだ。思うに……猫に爪を研がれている」
♀「はあ?」
♂「以前、愛車のルーフに野良猫が居るのを見た事がある。他にも、猫の足跡が付いていた事が何度か」
♀「なるほど、猫や足跡を目撃していない時にも、幾度となく登っていそうね。つるつるの車体を登ろうと思うと、爪を立てるだろうね」
♂「猫目で猫足の車だから猫に好かれるのだろうか?」
♀「或いは、紺色が猫に人気なのか?」
♂「猫を責めるわけではないが……うーむ、猫の嫌う匂いでも周囲に撒いておくか」
♀「でも、それだけ塗装が剥げているんなら、もう遅いんじゃないの? 良いじゃない。オンボロのプジョーなんてまるで現代版刑事コロンボみたいで」

♂「う〜む、駅員@地獄三丁目駅には、まだ『うちのかみさん』も居ないんだがなあ」

2011年6月19日(日)
駅日誌(1631) 「味覚」

昨日に続いて、今日も食ネタです。昼間に、魚河岸日本一という立ち食い寿司屋で食べて思った事を.。

♀青鬼「時折グルメぶってムカつく事を言う駅員@地獄三丁目駅の事だから、どうせその寿司の味にケチでも付けるんでしょ? 海原雄山(美味しんぼ)の真似事でもして」
♂赤鬼「そうではないようだ。寧ろ、存外美味かった様子。立ち食いで最も安いネタは一貫75円〜だった」
♀「へえ、安いね。寿司も価格破壊の波に晒されているんだね」
♂「回転寿司が繁盛している時代だからな。しかし、この店はこの低価格で、カウンターの向かい側に立つ職人が注文に応じて握ってくれるのだ」
♀「それで美味しいのなら言う事ないけど、利益はどうやって捻り出しているんだろうね」
♂「さあなあ……ネタの流通ルートまでは分からんからなあ」
♀「とは言え、立ち食いカウンターって、本来の寿司の食べ方でもあるよね。元々江戸では、寿司は高級料理なんかではなく、ファストフードだった筈だもんね」
♂「その通り。屋台で、握った飯の上に、江戸前の魚の切り身を置き、刷毛で醤油を塗って出す。おやつ代わりに2〜3個摘まんだりするのが、文字通り江戸時代の江戸前寿司なのだ」
♀「あ〜あ、海原雄山入って来た……」
♂「バブルを謳歌した人などは、銀座の名だたる寿司屋あたりと比較して、立ち食い寿司を悪し様に言いそうだ。それは、本当に舌で味わっているか? 値段で味わっているのではないか? 寿司の場合は、食べる順番を見ればだいたい分かるがな」
♀「あと、味覚で言うと、大阪原理主義者も厄介だね〜」
♂「ああ、何が何でも『これより、大阪のどこそこの何々の方が旨い』と言い張る人間がたまに居るのだ」
♀「そもそも、味覚は個々の嗜好に左右される度合いが強いから、誰がどれだけ美味しいと言っても、食べる本人の舌に合うかどうかでしかないのにね。三つ子の魂百までが最も強く現れるのが味覚だと思うよ」
♂「恐らく、まともな大阪出身者は、こういう大阪原理主義者を憎々しく思っている事だろう。『あいつらのせいで俺まで誤解されるやないか』と」
♀「どうなんだろうね。在阪のコテコテの浪速っ子、大阪出身上京者にアンケートを取ってみたいね」

2011年6月18日(土)
駅日誌(1630) 「美食」

「おねがいランキング」という番組を見ていて、四人の人間に立腹しました。今回は赤鬼と青鬼に仮託せず、駅員@地獄三丁目駅の独白とします。
懐に優しいファミリーレストランであるサイゼリヤのメニューについて、「自称」美食家連中が評論しているわけです。コストを抑えて作っているメニューに対して、重箱の隅を突くようなコメントの数々。
彼らが、果たしてその価格でその味を出せるのか? 否、絶対に無理です。金さえ掛ければ、彼らの舌にかなう食事など幾らでも作れるのです。金(食材コスト、嗜好調査コスト)を幾らでも使って良いのならば、私のような者でさえ、彼等が美味いという飯を作る自信があります。
終盤、上位商品については、それがちゃんと分かっているコメントだったのですが、下位メニューの叩き方が酷いです。番組構成上の都合もあるのでしょう。しかし、こんなもんで糞マスコミに図に乗って貰っては困ります。売れ筋順位と彼等の評価がほぼ変わらないのは、こんな連中にコメントを頼むまでもなく、市井の人々の舌が確かだという事です。一方、「自称」美食家連中が評価した料理を、まさか権威主義低能タレントどもが叩けるわけがありません。まあ、この番組に出れば売上が大きく伸びるので、サイゼリヤも望んで出ているのでしょうがね……
さて、続いて、個々の「自称」美食家への攻撃です。

最も気に入らないババア、斎藤美穂から。フレンチの評論家がイタリアンを偉そうに語っているのは笑止千万。断われよ、こんな仕事。断れないのならば、その程度の人間なわけです。
安い料理を愚弄している匂いがぷんぷん。
そも、フレンチなんぞ、真に意識ある人が作った日本食と比べれば足元にも及びません。このババアはただの権威主義者です。「日本食か、フレンチか」なんてのは、個人の嗜好の問題だろうって? そういうのを先に踏み躙るのは、このババアなのです。

続いて、イタリアンシェフ川越達也。成程、サイゼリヤはイタリアン中心ですから、妥当なのかも知れません。しかし気になるのは、やたら「塩味が足りない」というコメント。こいつの舌は本当に信用して良いのでしょうか?
サイゼリヤを含め、ファミレスの食事は塩味が比較的強いと私は思っているのですが……

梅宮辰夫。味にはうるさい役者です。しかし、伊東四郎と浜田雅功がやっている芸能人格付け番組で、はずしまくっとるやないか!!

森崎友紀。料理評論家。管理栄養士資格を持って居ますが、この資格はそんなに難しいものではありません。仮にそれに権威を置くのであれば、かつて、私の同僚に、二人の管理栄養士資格保持者が居ましたが、この二人とも私の味覚には一定の評価をくれていました。この四人の中では、最も一般的なファミレスユーザーに近いと思われます。四人の中では最もマシでした。

批判にも晒されるのが、表現者の宿命です。私のような者に叩かれた所で、痛くも痒くもないのでしょうが。

2011年6月17日(金)
駅日誌(1629) 「超自我」

超自我=スーパーエゴとは、自我(エゴ)と本能(エス)に跨る構造の物で、意識と無意識の両方に現れ、自我理想という言われ方もします。

♀青鬼「え? 何が言いたいのかサッパリ……」
♂赤鬼「心理学の本でも読まないとワケワカメだぞ、これは。つまりは、例えば『人を殺してはいけない』というのがこれに当たるのだろう」
♀「ふうん、駅員@地獄三丁目駅は、自らをスーパーエゴイストだと思っているみたいね」
♂「恐らく、それはスーパーエゴという言葉とは別物だな。要は超自己中という事だろう?」
♀「そうそう。超自己中。しかし、度を越したエゴイストという意味と比べると、ちょっと今言っているスーパーエゴみたいな要素も持っているかも。功利主義……かな? 最大多数の最大幸福を理想としているのよ」
♂「果たして、本当にそんな大層なものだろうか?」
♀「例えば、歩道を歩いていて、自分が一人で、向こうから歩道の幅いっぱいの横隊の集団が来たとする。その場合は、集団側が横隊を解いて、すれ違うために一時縦隊になる事が正義だと思っているのよ」
♂「それは、自分が避けずに通りたいという傲慢さだろう?」
♀「いや、逆の立場だったらちゃんと横隊を崩すのよ。皆がそういう風に考えられれば、皆にとって合理的な状態なのに、と思っているわけ」
♂「ふうむ……善行も悪行も、自らの理想から行っているに過ぎないというわけだな。それで超自己中か」
♀「色々な物事に怒って罵声を浴びせるのも、老人に電車で座席を譲るのも、利己心や親切心なんかではなく、ただ、その不愉快な状況(若い人間が座っていて、年寄や妊婦が立っている状況、等)への介入なのよ」
♂「それは、独善だな」
♀「無論、人からは独善だと嘲られるけど、本人はこのスタンスは嫌いじゃないみたいね」
♂「だから、独善だと言われても治らないのだな」

2011年6月16日(木)
駅日誌(1628) 「意味盲」

ルートヴィッヒ=ウィトゲンシュタイン。オーストリアの鉄人……もとい哲人です。その著作の中に出て来る概念(症状)として、意味盲・相貌盲という言葉があります。相貌盲とは、相貌失認とも言い、要は視力は十全なのだが、人の顔の違いを見分けられないという障害です。では、意味盲の方は……?

♂赤鬼「意味盲……言葉で説明しにくい症状なのだが、言語をちゃんと扱えて言葉が通じるのに、話が通じないというような症状だ」
♀青鬼「ああ〜、居るよねえ。言葉は通じるのに話しは通じない人って。でも、そういう人と会話をしていると、何度言っても話が通じなくて、本当はこちらが意味盲なのでは? と不安になる事もあって、ちょっと怖くなる時も」
♂「脳髄の構造的欠陥が原因なのだと思われる。ウィルス性の症状ではないから、伝染性は無いのだが、言葉や会話というのはかなり高度な活動だ。だから、伝染したような気になっただけで伝染するのかも知れないな」
♀「ああ、こういった症状って、病は気からが文字通り当たってしまいそうだね」
♂「言葉は通じているのだが、話がどうにも噛み合わないのだ。ややこしいのは、それをテクニックとしてわざとやる人間も居るという事だ」
♀「あと、天然ボケの人間はそれに入るのかどうか、とかね。怪我をした、風邪をひいた、みたいに症状が明確じゃないから、全く区別がつかないよね」
♂「わざとなのか、天然なのか、頭が悪いのか……それとも、病気なのか」
♀「その線引きは難しいねえ。厄介なのは、言葉は通じてしまう点」
♂「もしかしたら、かなり広い範囲を病気としてしまう事も可能なのかも知れないが、そもそもそれを病気という枠組みに入れるのが妥当なのかどうか」
♀「もしかしたら、現代医学は病気を作り過ぎているのかも知れないね」
♂「意味盲と断言するのは難しいが、そういう感じの人は割と身の周りにも居る。彼らに対しては、怒りよりも憐れみで接するべきなのかも知れない。しかし、難しいのは憐憫は誇り高い人間には無礼になるという事だ。だから、結局はニュートラルに行く着いてしまうのだが……」
♀「駅員@地獄三丁目駅のニュートラルは怒りサイドに寄り過ぎているかも知れないけどね。怒り病だね」
♂「こんな風にして、また新たに病気が作られるわけだ」

2011年6月15日(水)
駅日誌(1627) 「林檎三個分」

ハローキティ。日本のキャラクターブランド・サンリオの誇るメガヒットキャラクターです。たまに、海外のセレブがキティちゃんの付いた服や鞄を身に付けている写真なんかも目にします。尚、キティちゃんの体重は林檎三個分なのだとか……

♀青鬼「白猫のキティちゃんの体重が林檎三個分で、椎名林檎が黒猫(ゲーテ)を飼っているというのは、何かの符号なのかなあ?」
♂赤鬼「因みに、ハローキティは英国生まれという設定なのだそうだ。リチャード・スターキーがビートルズでリンゴ・スターという芸名を使っていたのとも符合する……?」
♀「どうだろうね。結構、世の中はこじ付けようと思えば幾らでもこじ付けられる事ばかりだもんねえ」
♂「そして、権威ある人間のこじ付けには、盲目的に従ってしまう事があるから気を付けねばな……」
♀「キティちゃんと言えば、京王線のドアに指が挟まらないように注意を喚起するステッカーは、キティちゃんなんだよね」
♂「ああ、サンリオピューロランドが京王線にあるからだろうな。俺も見たことがあるぞ。しかも、指に包帯を巻いた姿だ。何となく、包帯を巻く程の怪我を負った指を誇らしげに掲げているようにも見える……」
♀「キティちゃんは無表情だからね。公式には泣き顔バージョンが描かれていないんじゃない?」
♂「そういう事か。感心するのは貼ってある位置だ。ドアの随分低い位置に貼ってある。そのステッカーの注意事項を最も見せたい相手の視界に入る位置に貼っているのだ」
♀「ああ、子供の目線に貼ってあるのね。ステッカーが見にくい程の高さになれば自分で注意出来て、逆にステッカーが見にくい程の低さであれば、親が目を離さない、か。考えられているね」
♂「サンリオと言えば、真っ先に思い浮かぶのがハローキティだが、他にどんなキャラクターが居るのだ?」
♀「マイメロディとか、けろけろけろっぴ、おさるのもんきち、シナモロール、キキララとか……デビル・マイメロディみたいなのも居るね、『クロミ』だってさ。サイトを見ていたら、『これもサンリオだったんだ』というのがゴロゴロ居るよ!」
♂「おい、カンニングしてるんじゃないか……」
♀「しかも、キャラクター人気投票みたいなのがあるよ」
♂「AKB48の総選挙があったばかりだが、サンリオも総選挙か。キティちゃんが不動なのだろうがなあ」
♀「いや、第26回だって。昔からやっているみたい」
♂「キャラクターを創造する部門の各担当者は気が気ではないだろうな」
♀「折角だから、地獄三丁目駅としては、サンリオにしては珍しく髑髏の付いたクロミに投票してみようか」
♂「だがしかし、よくそのクロミの説明を見ると、一人称が『あたい』だぞ? う〜む、『あたい』か……投票はともかく、不動の首位は置いておいて、二位以下のランキングを時系列で見れば、キャラクターの流行り廃りが分かりそうだな。26回という事は四半世紀前からデータがあるわけだ」

2011年6月14日(火)
駅日誌(1626) 「北風と太陽」

「北風と太陽」……イソップ童話の有名な話の一つです。北風と太陽が、手段を問わず、目の前の旅人の上着を脱がせた方が勝ちという勝負をします。先攻の北風は、力の限り風を吹いて剥ぎ取ろうとしますが、旅人は一層力強く上着を押さえてしまい、脱がせる事が出来ませんでした。後攻の太陽はひたすら照りつけました。旅人は暑さのあまり、自ら上着を脱いでしまい、太陽が勝利したという筋の話です。イソップ童話は寓話なので、含意があります。解釈は読み手それぞれでしょうが、「強硬策で上手く行かない事も、懐柔策で上手く行く場合がある」といったような意味でしょうか。

♂赤鬼「イソップ童話は結構ためになる……が、多分イソップはかなり皮肉屋だなあ。恐らく、周囲からは嫌われていた事だろう」
♀青鬼「だろうね。例えば、『熊と旅人』……二人の旅人が森で熊に遭遇し、慌てて逃走。しかし、一人が転倒。もう一人はそれを気にも留めずに木に登った。転倒した方が死んだ振りをしていると、熊はその顔の耳元に顔を寄せた後、去って行った。木から下りて、『熊が耳元で何か言っているように見えたぞ』と言うと、『ああ、ピンチに友を見捨てるような奴とは付き合わない方が良いぞ、と言っていた』という。結構ザラついた話だよね」
♂「確かに。子供が読むには結構手厳しい内容が多いと言えば多いかも知れないな。しかし、イソップ童話を読んだ子供と読まない子供、或いは含意を感じ取った子供と感じ取れなかった子供では、その後の知育に差が出て来そうな気もする」
♀「だね。話が逸れたけど、今日のテーマは『北風と太陽』かあ。駅員@地獄三丁目駅はどう見ても北風派だから、その反省日記かな? 懲りない奴だねえ」
♂「そうとも言えるが、今回は、この童話をしみじみと思い出す事があったのだ」
♀「へえ」
♂「御存じの通り、駅員は煙草を吸うのだが、小休止のために煙草が吸える店に入ったのだ。今日び、都心は歩行喫煙禁止エリアだらけで、煙草が吸えない店も多い。やっと見付けた店だったのだ。カウンターサービスのレジで注文して飲み物を受け取り、喫煙席へ行こうと思ったら、何と禁煙タイムだったのだ」
♀「あるあるあるある」
♂「で、半分は煙草を吸う事が目的だから、慌てて列の出来ているレジへ戻り、煙草が吸えると思って入った旨を主張したのだ。しかし、列が出来て居り、レジは忙しくて、相手にしてくれない」
♀「奴の事だから、もう既にイライラしていたんだろうね。歩き回ってようやく一息つけると思った瞬間の、まさかの禁煙タイム」
♂「そこへ太陽の登場だ。列に並んでいた、小柄なショートカットの女性が、『大丈夫です、あとちょっとで禁煙タイムは終わります』と教えてくれたのだ。確かに、もう数分で禁煙タイムは終わりだったのだ」
♀「なるほどねえ、こういう駅員のイライラを無視する人や、頭ごなしに説教する人なら山程いるけど、それこそ北風にしかならないよね。少し怒気をはらんだ様子を恐れず、さりとて媚びず、解決策を毅然と且つスムーズに示したんだね」
♂「しかも、だ。禁煙タイム終了と同時に、灰皿を取りに行こうとしたら、手渡してくれたのだ。女神である!」
♀「女神って……馬鹿じゃないの?」
♂「これは頭が上がらないな。しかし、程無く、店員と挨拶を交わしていたのが見えた。ああ、今日は休みの店員だったのか。そりゃあ、的確だよなあ……」
♀「何言ってんの? その子は、オフなわけでしょ? それなのに、教えてくれたというプロ意識。そして、同僚のフォロー、客を不快にさせない気遣い。出来る人ね」
♂「うむ……大いに参考にすべきだ」

2011年6月13日(月)
駅日誌(1625) 「?拉OK」

中国語で、「*(上下を縦に接続したような字)拉OK」とは何を指すか……二文字目は、拉麺(ラーメン)の拉(ラー)、で、オーケーです。そう、カラオケを中国語でこう書くのです。

♂赤鬼「ほう……カラオケは日本発信の文化だからな。英語圏でもKaraokeだ」
♀青鬼「駅員@地獄三丁目駅は、昨日の日曜日にカラオケに行ったんだってね。7時間くらいも……」
♂「そんなにか!? 奴もそう若くはないのになあ」
♀「しかも、友人とそのまた友人と三人……ヘヴィローテーション」
♂「え!? AKB48を歌ったのか!?」
♀「まさか。歌った人は居たけど、駅員は歌わないよ」
♂「だろうな……奴が好んで歌うのは、ブルーハーツ、ハイロウズ、クロマニヨンズ、サザン、桑田佳祐、マキシマムザホルモン、人間椅子あたりの筈だ。女の高さの声が出ないくせに調子に乗って、JUDYANDMARYや椎名林檎まで歌う事もあるから始末が悪い。1オクターブ下の『ここでキスして』なんぞ、まるでホモの歌だぞ」
♀「三人とも同い年で、若い頃に聴いた歌が重なっているから、余計燃えたみたいね。しかも、一人は英語が堪能だから、英語の歌まで」
♂「まあ、それだけ長時間だと、そこいらも導入しないと持ち歌が尽きるわな」
♀「とは言え、喉の体力はともかく、まだまだレパートリーとしては行けたそうよ」
♂「侮り難し」
♀「しかも、途中で駅員の友人は用事があって帰っちゃって、友人の友人とマンツーマン!」
♂「それはそれで奇妙なシチュエーションだ」
♀「でも、その人が割とマニアックソングが大好きで、遠慮なく人間椅子をぶちかませたという……」
♂「人間椅子は、知らない人の前で歌うとドン引きだぞ……」
♀「だからこそ、歌いたい歌が歌えて良かったじゃない」

2011年6月11日(土)
駅日誌(1624) 「学歴」

以前から、職場の同僚が「名前をなくした女神」というドラマが凄いと言っていたのですが、ついぞ見る事なく終わりそうだと思っていたら、YOUTUBEに公式版「5分で分かる」があり、それを見れば、あと二話だけだが何とかついて行けると教えてくれました。火曜日の21時だそうです。忘れずに見る事が出来るだろうか……ここまで教えて貰って見逃したら怒られそうです。

♀青鬼「ああ、お受験ママの確執みたいなやつね」
♂赤鬼「幼稚園児が勉強なんぞせんでも良かろう、と思うがなあ」
♀「ドラマの中で、そういうスタンスの父親は、奥さんに激怒されてたりするよ」
♂「恐ろしい……思うに、そんな事に躍起になる女というのは、低能な自分では何とも出来ない事を、子供で取り返せるとでも思っているのだろうな。愚かしい事だ」
♀「あんた、それ、結構過激な発言だよ。世の中にはお受験ママなんてわんさか居るんだからね? こんなちっぽけなサイトでも炎上するかも知れないよ?」
♂「いや、たまに、誰某のブログが炎上したというのを見ると、そんなに読者が居て凄いよなあ〜、と思っていたのだ」
♀「呑気ねえ。でも、確かに、子供が居ようと、幾つになっていようと、大学受験は出来るしね。コンプレックスがあるのならば、子供ではなく自分の力で取り返す手段はちゃんとあるよね」
♂「その通り。学歴コンプレックスはみっともない物だ」
♀「鼻に掛けている方も、それに嫉妬する方もね」
♂「だから、駅員@地獄三丁目駅は、基本的に聞かれるまで大学名は口にしない」
♀「黙っていると、学歴重視の人に『言いたくないという事はたかが知れている』と勝手に思われるかも知れないよ?」
♂「別に良いんじゃないか? 卒業しちゃったら、その物差しには興味が無いな。それに、黙っていて露見した時に、もし相手の表情が変わったりしたら面白いだろう」
♀「おっと、悪趣味。しかし、それは多少は自信があるという事?
♂「どうなんだろうな? QS世界大学ランキングで200位台だ。これが偉いのかどうなのかは全く分からぬ。これはあくまで『大学』のランキングであり、『卒業生』のランキングではない」
♀「何だか権威があるのかないのかよく分かんないランキングで煙に巻いたね」

2011年6月10日(金)
駅日誌(1623) 「泡沫」

泡沫経済……バブル経済。中は空気ばかりなのに泡のように膨らんで、泡のように弾けます。世にジェネレーションギャップは数あれど、日本ではバブル世代とその前後には大きなギャップがあります。

♀青鬼「バブル世代って言うと、だいたい今の40歳くらい?」
♂赤鬼「体力がまだ残っていて、給与労働者ならばそれなりのポストに就いている人も居るという世代だな」
♀「更に言うと、バブル世代の上、団塊世代との間にシラケ世代なんてのがあるんだってね」
♂「それは初耳だ。あまり聞かない言葉だな。団塊世代、バブル世代、氷河期世代と比べるとマイナーな括りなのだろうか」
♀「かもね。それより聞いてよ、そのシラケ世代とバブル世代のズレた感覚を!」
♂「どうしたのだ。急に息まいて……」
♀「女の美醜・年齢による区切りの基準が厳しいのよ、異様に」
♂「というと?」
♀「それらの世代が、不細工だのおばさんだのと言うから見てみたら、そりゃ美人ではないけど不細工と言う程でもなかったり、おばさんと言う程の年でもなかったりするのよ」
♂「ははあ、バブルの頃に余程美女に溺れていたのだろうな。少子化なんかまだ無い時代だから、若い女性の絶対数も多かったのだろう。羨ましい限りだ」
♀「……」
♂「いや! 怪しからんな!」
♀「皆が皆ではないし、その世代にも尊敬出来る人は勿論居るんだけど、正直、職業人としての意識が甘い人が多いね」
♂「氷河期世代=ロストジェネレーションよりも、バブルで恵まれたせいで色々な物をロストして居るのかも知れないな」
♀「もしかしたら、シラケ世代が定年を迎える頃には、バブル世代が大変な事になるかも知れない。年功序列は昔より大分なくなったけど、まだまだ残っている。それが本当に吹っ飛ぶ可能性があるよ。氷河期を耐えた原始哺乳類が、恐竜を駆逐したような事が起きるかも知れないよ」

2011年6月9日(木)
駅日誌(1622) 「絶対と相対」

椎名林檎/東京事変が好きなのですが、今月の下旬に発売されるアルバムには「絶対値対相対値」という歌があるそうです。タイトルからも二曲目という位置付けからも、私の好きなロック色の強い曲が来そうな予感です。

♀青鬼「ふうん、『○対○対○対○』になっているね。言葉遊びが得意な林檎らしい」
♂赤鬼「何となく、絶対値の方が権威がありそうに聞こえるが、世の中には思っている程絶対は無い」
♀「そうだね。正義だと思っている事が正義だとは限らないよね」
♂「例えば、人を殺すという行為。チャーリー・チャップリン曰く『一人殺せば犯罪者だが、百万人殺せば英雄』というのもそうだ。正義は相対的なものでしかない。更に言ってしまえば、神の目から見れば、人による人殺しは善かも知れない」
♀「はあ? 馬鹿じゃないの? かなーり危ないコメントだよ」
♂「と言うのは……もし、神が維持したいものが人類ではなく、地球なり自然なりだったとしたら、破壊者である人間が減るのは神にとって良い事になってしまうのだ」
♀「ええ? 神はそんな事を考えているかなあ?」
♂「文字通り、神のみぞ知る、だ。神の考えを人間が推し量っている時点で間違っているのだろう」
♀「まあね。戦争も相対的正義だよね。双方が自国を正義だと思っているから起きるんだもんね」
♂「聖書に手を置いた後に『悪の枢軸』なんて言葉を吐き、戦争の指示を出す人間も、自らが正義だと思っていて、一方、その悪呼ばわりされた側も、自らが正義だと思っているのだ」
♀「独善を為す人は独り善がりでも善だと思っていて、それを独善だと断罪する人はその断罪も独善だと気付かないんだよね」
♂「そうなのだ。これぞ、『確信犯』という言葉だ。たまに、マスコミ関係者でも間違う言葉だな。『確信犯』とは『故意』という意味ではなく、被疑者は正しいと思ってやった事が刑法に抵触していたという状態を『確信犯』と言うのだ」
♀「カタイ話はもう良いよ。それより、アルバムが楽しみ」

2011年6月8日(水)
駅日誌(1621) 「丁」

目がチカチカすると評判が悪いので、白地に黒・赤・青字にしてみました。これでしばらく様子を見てみます。
Tシャツ……私が衣服の中でも最も拘る分野です。サラリーマンならスーツだろうって? 否、私にとってスーツは仕事着なのです。自動車販売店におけるツナギ、電信柱に上っている人が着ている作業服と同義なのです。どんなに恰好良いスーツでも動き難ければアウト。また、ちょっとほつれたり、引っ掛けたり、食べ物の汁が撥ねただけで凹んでしまうような高額なスーツもアウトです。


♂赤鬼「Tシャツはシンプルだが奥が深い。否、シンプルだからこそ、だ。色・プリントは勿論の事、肌に直接着るので肌触り、袖の長さ、ズボンに入れないので着丈」
♀青鬼「確かにね。ワイシャツなら、袖の長さ、首周り、着丈がちゃんと書いてあるけど、Tシャツにはそれが基本的に無いよね」
♂「そんな中で、駅員@地獄三丁目駅が最重要視しているのは、矢張りデザインだ。これは当然かも知れんがな」
♀「駅員オススメの店とかってあるの?」
♂「昔は上野で服を買う事が多かったが、今お気に入りの店は、NO MORE TEARSとgraniphだ」
♀「へえ、NO MORE TEARSは下北沢で、graniphは北は北海道から南は鹿児島まで沢山あるのね」
♂「NO MORE TEARSは上京して2〜3年で見付けて愛用しており、graniphは最近初めて買ったそうだ」
♀「graniphのは、女の子向けっぽい色や柄が比較的前に出ているもんね。駅員が入り辛かったのも分からなくはないかな」
♂「なかなかどうして、入ってみると好みの物が結構あった、と。今後も使う事になりそうだな」

2011年6月7日(火)
駅日誌(1620) 「全体主義」

元々は、イタリアのファシスト党の思想の事を指します。広い意味では同盟国であったドイツのナチズムも含みます。さらに広義にすると、「ファシズム的なもの」をも指す場合も。

♀青鬼「広義では、禁煙ファシズムなんて言葉もあるよね。タカ派煙草排斥運動の事を指している言葉だね」
♂赤鬼「ふうむ、君は煙草を吸うから、アンチ禁煙ファシズムなわけだな?」
♀「分煙こそが理想の形だと思っているよ。幼子抱えたまんま喫煙所に入る人なんかにはなりたくないけどね」
♂「ならば、もし君が母親で、子供を抱いて一人で外出して居たらどうする?」
♀「それはなってみないと分からない、としか言えない。仮に今『禁煙する』と答えても、それももしも話でしかないよ。不毛。因みにアンチ禁煙ファシズム派は、養老孟司、筒井康隆、宮崎哲弥等々」
♂「筒井康隆は矢張りという感じだが、養老孟司が入っているのが結構意外だ」
♀「軽い所で言えば、KY(空気読め)なんてのも、プチファシズムだと言えるね」
♂「なるほど。もし場の空気を作りだす人間がKYを推し進めると、まさしくファシズムだな」
♀「そういう意味では、多数決こそが絶対の正義だと思っている人もちょっとファシズムに近いかも」
♂「確かに。たまに独裁(デスポティズム)や、帝国主義(インペリアリズム)、国粋主義(ナショナリズム)とファシズムをごっちゃにしている人が居るが、それは違うな。ムッソリーニはクーデターで軍政を作ったが、ヒトラーは合法的な民主選挙で首相になっている」
♀「ヒトラーは結局独裁に走っちゃったんだけどね」
♂「現在では、例えばナチスの服装を着たミュージシャンのビデオクリップが潰されたり、『ヒトラーにも部分的には見るべき所があった』と言っただけで社会的地位を引きずり下ろされたりする」
♀「ユダヤによる逆襲なんだね」
♂「ファシズムであれ、ナチズムであれ、シオニズムであれ、イスラミック・ファンダメンタリズムであれ、原理主義者は頑として譲らないのだ……彼等はいずれも正義だと信じてやっているのだよ」
♀「旧約聖書のバベルでは、言語がバラバラになったと書かれているけど、この分かり合えない状態を比喩したものなのかも知れないね」
♂「そして、そういった大仰な物以外にも、細かい意見の相違が世には溢れているのだ。思想信条や法律解釈の違いから、歌や映画や物語といった趣味的な物の解釈の違いといった物まで」

2011年6月6日(月)
駅日誌(1619) 「眼鏡」

赤くてぶっといフレームの眼鏡の中に爛々どころかギンギンと輝く眼! 怖過ぎます。掛けたら発狂しそうです。

♀青鬼「なわけないでしょ」
♂赤鬼「恐らく、日光やヘッドライトで反射するのを狙ったのだと思うが……みうらじゅんの『いやげ物』(いやな土産物)という本に、このCDの所が五円玉になった形の土産物があったなあ……」
♀「よくそんなの覚えているねえ」
♂「MJは面白いぞ」
♀「ていうか、駅員@地獄三丁目駅は、何故こんな物を見付けて写真なんか撮るの?」
♂「それもMJの影響かも知れんぞ」
♀「ちょっとズレている、ちょっと変わっている人や物事に惹かれるのかな」
♂「昨日の日記にある『水煙草』を吸ってみたいと思ったのも同様ではなかろうか」
♀「ちょっとズレテいる、ちょっと変わっている事をしてみたくなるという事かな」
♂「常識を一旦取り外して、もしも……と考えると結構危ない事を考えて居たりする」
♀「駅員@地獄三丁目駅が掛けている眼鏡は、この写真の眼鏡よりも危ない眼鏡だったりしてね」

  
2011年6月5日(日)
駅日誌(1618) 「休日」

この土日はなかなか充実した密度のある休日でした。いつもの赤鬼&御鬼の会話形式だと長くなるので、今日は独白です。

@大阪の友人の上京
土曜日に、翌日の用事に備えた前泊として。二郎本店でラーメンを食べてみたいと言っていたので、三田にいってみた(さぶい書き方をしてしまった)。しかし、本店を舐めていました。2〜30人並んでいたので諦めて、慶応義塾の学食でも行ってみるか、と学食へ。昨今の大学の学食はフードコート化していますが、慶応は嘗て私が出た大学と同じような感じのいかにも「学食」でした。安い!

A増上寺
三田から東京タワー方面に歩いて、芝は浄土宗総本山、増上寺へ。私の職場からは歩いて行ける所ですが、実は入った事なかったのです。今年は大河ドラマが「江」である事から、崇源院(江)を含む徳川家の霊廟が公開されていました。割と小さな墓所ですが、元々は建屋があったのが焼失してしまったそうです。

B高円寺
友人をホテルのある東京駅まで送ってから、高円寺へ。椎名林檎を掛け続けるDJイベントに行きました。こういったイベントには何度か行っていますが、今回も飲んで歌って踊りました。今回は終わるのが早く21時に終了。帰ろうと高円寺駅に向かって歩いていると、気になる看板が。実は、以前人間椅子(バンド)関係のイベントで高円寺に来た時にも気になっていたのを思い出しました。
「水煙草」の店! 水煙草はインド旅行でも気になって居たのです。早速入ってみて、水煙草で一人飲みました。初体験です。紙巻き煙草のニコチンやタールの刺激はなく、フレーバーが心地良い物でした。ミントフレーバーにしたのですが、肺まで入れて吐き出すと非常に爽やかです。


C元町商店街
土曜日に飲み過ぎました。実は飲んでいる一方で、脳味噌と精神力を使う事もしていたので、尚更酔った模様です。日曜日に、元町商店街で、レッドブルのF1マシンが公道デモラン(市街地走行、ちょっとしたモナコ状態です)をするというのを見に行く予定だったのですが、寝坊! とは言え10時には到着出来る状態でした。この手のイベントは、人混みが多くなり、結構スタートが遅れる場合が多いので間に合うかも! と思い出発。
残念! 間に合いませんでした。しかし、通った場所のタイヤ痕や撤去途中のバリケードが見られて、雰囲気は分かりました。タイヤ痕を見て、意外と幅が狭いのだなあ、と(写真の赤矢印。寝転がっているのは私です)。まあ、一人乗りですしね。
帰宅後、YOUTUBEで見てみたのですが、激混みです。これではもし間に合っても見られたかどうか? しかし、目の前を走るのを生で見るのは、録画とは違うだろうなあ。


D山下公園
元町商店街や中華街をぶらぶらした後、山下公園をぶらぶら。花と、散歩している犬が良かったです。プードル、ダックスフンド、イングリッシュシープドッグ等、立派な犬が沢山。前述レッドぶるようにデジカメを持って来ていたので、写真を取りつつ。


E東京駅
横浜からの帰宅途中。土曜に会った友人が「用事が終わって、新幹線に乗って帰る前に飯を食おう」と連絡してきたので東京駅へ。その友人は下戸なので、飲むよりも食べる店です。ラーメンストリートか、黒塀横丁か……黒塀横丁のハゲ天で天丼を食べました。
友人を送り出して帰宅。帰ってから雨が……この充実した休み明けは、ブルーマンデーか。

2011年6月3日(金)
駅日誌(1617) 「狂歌」

現在でもサラリーマン川柳なんてものがありますが、俳句や短歌の文化がある日本では、その形式を活かして風流ではなく時流を詠う川柳・狂歌があります。江戸時代に作られた狂歌など、非常に上手い事言っています。

♀青鬼「有名なのは……太平の 眠りを醒ます 上喜撰 たった四杯で 夜も眠れず……飲み過ぎるとカフェインで眠れなくなる茶(の銘柄)と蒸気船をかけて、黒船四隻来ただけで不安で眠れない、と」
♂赤鬼「他にはこんなのもある……田や沼や 汚れた御世を 改めて 清くぞ澄める 白河の水……田沼意次は重商主義化を進めた。その歪みも出来た。贈収賄も増えた。その後に老中になった松平定信は元白河藩主でクリーン&質素倹約だった事を詠っているのだ」
♀「その狂歌には返歌みたいなのがあって、そっちの方が有名だね……白河の 清きに魚の 棲み兼ねて 元の濁りの 田沼恋しき……松平定信は、共産主義者みたいな所があって、田沼と白河は対比させると面白いね」
♂「では、これらに倣って我々も一首ずつ捻ってみないか?」
♀「良いよ。今の社会情勢についてだよね?」
♂「無論……考える 葦揺れる地に 菅干され 沢は澱んで 谷は閉ざされ」
♀「じゃあ……菅笠を 脱ぎ捨てたくも 捨てられず 梅雨空見上げ 傘は何処に」
♂「解説するのは無粋と言うもの」
♀「解説するまでもないけど、何年もしたらピンと来ないのかもね」

2011年6月2日(木)
駅日誌(1616) 「霊霊魔魔」

マキシマムザホルモンに「霊霊霊…魔魔魔…」という曲があります。禍々しいタイトルですが、いかに禍々しい言葉を並べて陽気な歌を作るか、が主眼だそうです。

♂赤鬼「ホルモンは良いな。3月に発売されたシングルに先駆けて流された偽PVと、その感想掲示板の書き込みには大いに笑わせて貰ったぞ」
♀青鬼「悪趣味だよね。あのPVを真に受けた中でも、非難した人はともかく絶賛した人は立つ瀬が無いよ」
♂「良く分からない人は、『マキシマムザホルモン 3月23日』あたりでウェブ検索すると情報が得られると思う」
♀「ここで解説しないという事は、本題は別なのね。無論、この写真の事なんだろうけど、何なの?」
♂「そうだ。見ろこの写真を。左上に悪霊の手形が!!」
♀「あのう、多分、その業務用エアコンのメンテナンス作業をした人の手形かと……」
♂「ならば、何故消されていないのだ? その作業員はどこまで雑なのだ?」
♀「うーん、プロ意識が欠けているんじゃないの?」
♂「嘆かわしい事だが、この社会にはプロ意識を持って仕事に臨んでいる者は少ないのかも知れないな」
♀「駅員@地獄三丁目駅は、実はプロ意識にはうるさい方なのよ。職場ではあまりそう思われていないみたいだけど」
♂「しかし、自分でそう思っているだけではな……」
♀「彼が忠誠心を持っているのは、法人に勤務する個々の人間に対してではなくて、法人格そのものに対してなのよ」
♂「なるほど。オーナー社長でなければ、社長を含む全員が労働者なわけだからな。とは言え、『法人格に対して忠誠心を持つ』という概念は、理解出来ない人には、何度言っても理解させられないだろうな」
♀「目に見えないものを信じる事は、思っている以上に難しい」
♂「その通り。悪霊という存在を、君が信じなかったのと同様だ」

2011年6月1日(水)
駅日誌(1615) 「色眼鏡」

「成瀬さん、警察の制服を着た人は、警察官に決まってるよ」
「サンタクロースの恰好をした男の大半は、サンタクロースじゃない」
   〜伊坂幸太郎「陽気なギャングが地球を回す」より〜

♀青鬼「いきなり引用で補足説明なしか。伊坂幸太郎は面白いよね。よく練られた筋も良いけど、映画の一幕みたいな軽妙なやり取りが良い」
♂赤鬼「駅員@地獄三丁目駅は通勤読書家なので基本的にハードカバーは買わないが、文庫化された作品は一通り読んでいるな」
♀「『サンタクロースの恰好をした男の大半は』非常に御洒落な返し。12月に街に溢れ返るサンタ姿を持って来た所は勿論、何より『大半』という所が御洒落。サンタは何処かには居るとも言っているんだよね」
♂「そういう小技があるから、二度目を読んでも何らかの発見があって面白い」
♀「さて、冒頭のやり取りは、要は見た目に惑わされるな、という事だよね」
♂「そうだな。人間は経験に頼る生き物だ。否、脳髄を持つ動物全てがそうだな。本質を見極めるのは難しい」
♀「だから、経験に則って、『こういう外見の奴はこういう奴だ』という先入観を持ってしまう。これは、経験の応用という脳味噌の重要な機能でもあるんだよね。副作用はあるんだけど、この機能が無い人は危ない」
♂「そして、その先入観はその人間の性質に影響を与えてしまう。例えば、凶暴そうだと言われ続けると、凶暴になってしまうのだと思うぞ」
♀「これは一種の暗示、マインドコントロールだよね。きっと色々な人が、その面で加害者であり被害者である筈だね。被害者だが加害者ではないとか、加害者だが被害者ではないという人が居たら、とことん話を訊いてみたいよ」
♂「だから、俺はその先入観を否定しない。一旦見たまま感じたままに受け止め、その上でその先入観を取り外して再度見てみると、本質に多少近付けるものだ」
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