2011年10月度目次 (御意見御感想は掲示板にどうぞ)→

 #1709 「神仏」 ディープ夜遊び“仏像ナイト”&“ハードロック喫茶ナザレス”。
 #1710 「地獄」 絵本“地獄”。
 #1711 「京阪」 東京の関西人の飲み会。
 #1712 「Jobs」 スティーブ・ジョブズ死去。
 #1713 「拍子木」 拍子木の音が聞こえて、火の用心かと思いきや。
 #1714 「大発見」 10月8日、東京事変ライブツアー盛岡。
 #1715 「平泉」 10月8日、平泉観光。
 #1716 「花巻」 10月9日、花巻観光。
 #1717 「Hot Spot」 床下の瓶。
 #1718 「苛々色々」 イロイロなイライラ。
 #1719 「龍」 森美術館“ドラゴンクエスト展”。
 #1720 「国盗」 ケータイ国盗り合戦の“チャンバラ”。
 #1721 「幽鬼」 御化けなんて無いさ、御化けなんて嘘さ。
 #1722 「秋」 秋らしくなって来ました。
 #1723 「恥」 公開日記は、言わば心の露出狂である。
 #1724 「北海道」 活イカ刺と、雨の夜道。
 #1725 「独裁者」 カダフィ大佐.。
 #1726 「縁起」 よりによって、その一枚が割れているとは。
 #1727 「銀幕寸評」 “ステキな金縛り”。

  AKA-ONI & AO-ONI
  by 赤鬼&青鬼 in 地獄三丁目駅

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2011年10月31日(月)
駅日誌(1726) 「銀幕寸評」

先日、映画を観たので、今日の日誌は「銀幕寸評」です……と、その前に、発表が御座います。♂赤鬼♀青鬼の会話形式は、今月で終了し、元の駅員の独白に戻そうと思います。理由は、ネタによっては会話形式が活きていないという事と、初めて見た人にはわけが分からないよなあ、という事からです。今後もたまには出すかも知れませんが、しばらくは封印です。
では、寸評を。タイトルの横の☆は私の個人的評点で、5ッ☆満点です。


「ステキな金縛り」 ☆☆☆

エンターテインメントとして楽しめる映画でした。流石は三谷幸喜……と言いたい所ですが、これは贅沢過ぎるキャストの効果も大だと思います。ドラマの主役級の俳優・女優が、チョイ役とかで出て来るという……何だこの予算の無駄遣いのようなキャスティングは!?
それとも、色々な役者が、低ギャラで良いから出してくれと言い募ったのでしょうか? 劇団系上がりの低予算でよく練られたプロットで魅せるのが持ち味だと思っていたのに……
以下、ネタバレを含みます。これから観ようと思っている方は、下記波線以下は読まない事をお勧めします。

〜〜〜〜〜〜


さて、その無駄遣いキャストですが、佐藤浩市や唐沢寿明、深田恭子がほんの1シーンだけ出て来たり、篠原涼子が誰でも良いような役で出て来たり……その一方で、「最後に愛は勝つ」の一発屋KANが、俳優として最初から最後まで出て居たりします。あと、どうしても言いたいのが、生瀬勝久の使い方がずるい! あの出方で笑わない筈がなかろう、と。
そういったキャスティングの部分も視聴者が突っ込める部分なので、もしかしたら、これこそが狙い通りなのかも知れませんね。ふと、これは著名人ゲストを出すコント(志村けんのだいじょうぶだぁ等)のノリでそれを繋げて映画にした形なのかもなあ、とも思いました。
しかし、そのキャスティング面での笑いを取り除くとどうか? プロットの精密さを長所として期待している私から見れば、三谷幸喜にしてはちょっと粗い筋書きかも? と思いました。
話は、竹内結子が一人二役で一方がもう一方を殺すシーンから始まります。容疑者はKAN。そのアリバイを証明するのは、犯行時間にKANに跨って金縛りにかけていた落ち武者の霊・西田敏行。KANの弁護人となった深津絵里が、その西田敏行を証人として何とか勝訴を勝ち取ろうとするというストーリーです。
始まり方は倒叙型ミステリーです。これは、三谷幸喜の代表作の一つ・古畑任三郎と同様の手法です。
冒頭に深津絵里が駄目弁護士だという事を示すエピソードで、法廷でバナナを証人に見せるのですが、これは古畑任三郎のとあるシーンが想起されます。
明石家さんまが犯人役・弁護士役で出て来る話で、バナナを振り回して「このおしぼりを……」と繰り返して、目撃者がそれをおしぼりだと認識したのを元に、その目撃者の視力がアテにならない事を示すという鮮やかなシーンです。自分の作品からのオマージュなわけです。
それに気付いて冷静になると、妙なシーンが所々にあったよなあと思い出されます。もしかしたら、これ以外にも自作オマージュを散りばめているのかも知れません。それに気付くともっともっと面白いのかも!?
と、大団円を迎えてエンドロールに入ると、エンドロールの写真にだけ、大泉洋が出ていました。やられた。またしても無駄遣いキャスティング! 一言で表せば「落ち武者と出落ちの映画」というのは如何でしょう?

2011年10月26日(水)
駅日誌(1726) 「縁起」

ゲン担ぎという言葉がありますが、これは「えんぎ」をひっくり返して「ぎえん」とし、それが変化した物です。大昔の芸能界の人が「ザギンでシースー」なんて言ったのは、江戸っ子言葉の名残とも言えます。

♂赤鬼「縁起担ぎをする人間にとってはショッキングな事があった」
♀青鬼「意外と、そんなの気にするんだ」
♂「先日、同僚の結婚をささやかに祝って飲んだのだが、その返礼としてクッキーを頂いたのだ」
♀「そうやってすぐ食べられる物は有難いね。手間の掛かる物だと、そのまま賞味期限切れなんて事もあるし」
♂「丸いのや、四角いのが入っているのだが、その中に一枚だけハート型だったと思しきクッキーがあった」
♀「だったと思しき……? ははははは、割れてたんだ!」
♂「しかも、割れていたのはその一枚のみ」
♀「駅員@地獄三丁目駅の春はまだまだ遠いって事だねえ、きっと」
♂「そういう事だな……」
♀「でもさあ、こうして秋が来て、冬が来て、冬来たりなば春遠からじ、ってね」
♂「『冬来たりなば春遠からじ』と言えば、駅員の好きなバンド、人間椅子が12月に小規模だがライブツアーを行うそうだ」
♀「夏にやったばかりだよね? 結構精力的に活動しているんだね」
♂「今回は全て平日なので行くのは厳しそうだ。しかし、もし渋谷の日に、近い方面で直帰なんて事になれば、当日券で突入しちゃうかも? スーツだと後ろの方で大人しく見ているしか難しそうだがな」
♀「スーツでライブは結構辛いんだよね……殊に駅員は暑がりだし」

2011年10月26日(水)
駅日誌(1725) 「独裁者」

先日、カダフィ大佐が死んだそうです……合掌。え? あんな独裁者の死を悼むなって? 果たして、世の中そんなに善と悪にクッキリ分かれるものなのでしょうか?

♂赤鬼「カダフィにも一理あり。救国の英雄でもあったのだ」
♀青鬼「だけど、最終的には圧政を敷いていたわけでしょ?」
♂「まあ、そうなんだが……長く君臨し過ぎたかもな。カダフィが実権を握ったのは、1969年。駅員@地獄三丁目駅が生まれる前の話だ。その頃に革命を、クーデターを起こしてリビアの国家元首となった」
♀「その前の体制っていうのは?」
♂「王政だったそうだ。それまでの体制からは随分近代化したようだが……結局は、反米体制でその後の近代化は遅れてしまったかも知れんな」
♀「じゃあ駄目じゃん。王政もクーデターを食らうくらい酷かったかもしれないけど、それと同じ轍じゃない?」
♂「まあな。だが、そのクーデターは無血クーデターだ。決して前体制を武力で圧したのではない。威圧はしただろうがな。彼等は革命だと言っている」
♀「ふうん? 革命とクーデターって何が違うの?」
♂「その言葉がまさに答えだと言える。言い方だ。前者は良さげに聞こえて、後者は悪しげに聞こえる」
♀「なるほど。体制の転覆を図る者は、本人らは正義の革命だと言い、敵対勢力や第三者からはクーデターだと言われるわけだね」
♂「そして、カダフィの敵対勢力は、米国やイスラエルだ。無論、カダフィの見方をするわけではないが、米国とイスラエルが、けった糞悪い、というのは理解出来る。カダフィは日本が米国の言いなりでいる事を非難するのだが、その気持ちも分かるのだ。そう考える人も少なくないようで、カダフィは、アフリカ連合の議長もやった事がある」
♀「でも、今回のリビア内乱の発端は、外敵からの攻撃ではなく国民のデモだよね」
♂「だが、何者かに仕組まれているのかも知れん。だって、昨年からのイスラム圏でのデモによる国家転覆ブーム、何だか胡散臭くないか?」
♀「チュニジア、エジプトをはじめとした、中東〜北アフリカの、アラブの春だね」
♂「果たして誰にとっての春なのか、だ。アラブの石油や市場が開放されて喜ぶのは? 或いは助かるのは?」
♀「穿った見方をするねえ……何か根拠はあるの?」
♂「そう言われると弱いが」
♀「だろうね。まあ、カダフィ節は辛口でぶっ飛んでいて面白いっていうのは理解できるけど、それとこれとは話が違うからね」

2011年10月24日(月)
駅日誌(1724) 「北海道」

北海道、でっかいどう! ――村上ショージ――

♀青鬼「何なの? この名言みたいな書き方……」
♂赤鬼「何を言う? 早見優?」
♀「秋だね……夜はめっきり冷え込むね」
♂「村上ショージは偉大だ。ここに、『天才は1%の閃きと99%の努力 ――トーマス・エジソン――』と書くのと、そう価値は変わらない」
♀「そうかなあ? そのエジソンの名言も解釈が二通りあるんだってさ。99%の努力が無いと1%の閃きも実らない、というのと、99%の努力も1%の閃きが無ければ水の泡、というのと」
♂「うーむ、言い方で随分印象が違うようだな」
♀「で、駅員@地獄三丁目駅は泊まり出張で北海道に行って来たんだね。それを表す言葉が、でっかいどうなわけね。無駄な引っ張りだね!」
♂「土曜日は疲れていて、日曜日は体調を崩して日記を書かなかったが、今日は書くぞ、と」
♀「木曜日の夜〜金曜日〜土曜日の夕方に帰京」
♂「遊びではないぞ、仕事だ。だから、殆ど満喫はしていない。金曜日は御馳走になったがな。今回は、特に活イカ刺が美味。鮮度のある透明な烏賊。歯応えがよくある白い烏賊とは全く違う。これは美味だな」
♀「土曜日も仕事だったんだ?」
♂「折角だから、レンタカーを借りて一人で日頃見ていないマーケットを見て回った。これもマーケティングという部署の仕事なのだ……だが、油断した」
♀「油断?」
♂「速度違反で警察の厄介になってしまった。車が殆ど走っていない直線道路で、制限速度50km/hって何だそりゃ!!」
♀「ははは、駅員は速度違反で取り締まられるのは二度目だね。一度目は、淡路島で同じくレンタカーだった」
♂「自分の車の時は、スピードを出して居ても引っ掛かった事無いのになあ……」
♀「解放感があったんじゃないの? 淡路島も北海道も」
♂「しかし、夕方、空港に向かう道が激しい雨だったのだが、北海道の日が暮れてからの雨の道は怖い!!」
♀「ああ、都市部より暗そうだね」
♂「更に、暗いせいか対向車のライトがやたらと眩しくて、その光と、前の車が通った水の轍、それとトラックから来る飛沫で、白線が見えんのだ! 自分の走っているコースが本当に車線に沿っているのか物凄く不安になる。周りの車からはどれくらいちゃんと見えているんだ?」
♀「慣れなんだろうねえ。雪の時はもっと怖そうだよ。だって、センターラインや、道の端の上にわざわざ矢印で印が付いているという事は、そこは雪で埋まっちゃうってことでしょ?」
♂「恐ろしい……しかし、レンタカーは元々軽自動車を申し込んでいたのだが、キャンペーンとか何とかで小型セダンクラスだった。インプレッサの4ドアセダンだったぞ」
♀「マニアックだね。あ、4駆ではスバルは一目置かれているのかも知れないね?」
♂「カローラやティーダ、シビック辺りを割り当てられるよりはラッキーだった。が、ボクサーエンジンの味わいはあんまり感じなかったなあ」
♀「あのさあ、昔のレガシィやインプレッサの、あのドコドコドコドコ……という独特のサウンドは、今のスバルで無いらしいよ」
♂「え!? そうなのか?」
♀「あれは、コストの都合でなってただけなんだってさ。本来のボクサーエンジンのサウンドではないそうだよ」
♂「そ、そうだったのか……」

2011年10月20日(木)
駅日誌(1723) 「恥」

こうして日記を晒すという行為は、心の露出狂みたいなものです。自らの考えを整理するという側面もありますが、人前で晒されるのは案外恥ずかしいものです。

♂赤鬼「何を今更」
♀青鬼「恥の多い生涯を送って来ました……みたいな」
♂「太宰治は、そんな事を言いながら、そう言う自分に酔っているのだ。駅員@地獄三丁目駅を太宰と並べて語るのはおこがましいが、日記は私小説と似ている面もあるな」
♀「それにしても、これまで散々恥を書き散らしておいて、何故そんな事を急に思ったんだろうね」
♂「たまたま、大勢の前で日記を晒されるという目に遭ったのだ。自らが書いている日記はこれだとOPENにしたのは無論駅員自身なのだがな。身から出た錆だ」
♀「訊くは一時の恥。訊かぬは一生の恥。日記を晒すは残存する恥だね」
♂「残存する恥、か。ふと過去の日記を読み返すと、結構赤面ものだぞ」
♀「ていうか、ふと、この会話形式というのも恥ずかしくなるよね」
♂「うむ。我々もそろそろクビかも知れんぞ」
♀「昔は基本的に駅員の独白日記だったんだけど、何故会話形式にしたかというと、一人ボケツッコミや、二面性のある物事を書く上で、『AだがしかしBでもある』とか言っているより、二人にの人物に意見を闘わせるという形の方が良さそうだと思ったんだよね」
♂「と、そういう事情を言わせてしまうのも、相当恥ずかしいぞ」
♀「これからも恥の多い生涯を送って行くのかねえ?」
♂「だろうな。太宰的に言えば、生きている事は恥をかく事とニアリーイコールだとも言える」
♀「さて、明日から土曜日まで、駅員は泊まりの出張だそうだよ。というわけで、日記は土曜日まで休み」
♂「ははは、今日ばかりはそれを宣言しておいた方が良さそうだ。というのも、こんな事を書いた後に続けて日記が休みだと、とうとう恥ずかしくなって筆を折ったと思われるぞ」
♀「ええ? そんな事を気にする読者がついているかなあ?」

2011年10月19日(水)
駅日誌(1722) 「秋」

スポーツの秋、読書の秋、食欲の秋、文化の秋、秋の夜長、秋茄子は嫁に食わすな、天高く馬肥ゆる秋、秋深き隣は何をする人ぞ……と、つい先日まで暑い暑いと言っていたのに、もう秋です。日が暮れると非常に涼しいです。

♀青鬼「涼しいって言うか、肌寒いけどね」
♂赤鬼「駅員@地獄三丁目駅は、暑がりだが寒さは割と平気なのだ……これを夏に言っていると、本当かよ? という話だが、冬でも言っているから、信憑性がある」
♀「居るよね、冬でもランニングのおっさんとか、冬でも短パンだった小学生とか。寒さを感じるセンサーが壊れてるんじゃない?」
♂「それを言うのなら、冷え性の人は暑さを感じるセンサーが壊れていると言えるな」
♀「そりゃそうだけどさあ、地球は温暖化が進んでいるわけじゃん? 駅員タイプは滅びる種族で、冷え性は生き延びる種族だよね」
♂「甘いな。温暖化なんてのは大嘘だという説もある。異常気象は氷河期の前触れだという説もあるのだ」
♀「そっちも何だか眉唾だけどねえ」
♂「駅員の職場は、今年は節電だ何だという話で、残暑を想定して、クールビズを10月いっぱいまで延長している。駅員は、無論ギリギリまで上着無しだ」
♀「へえ〜、本当に? これか朝晩は寒くなるけど」
♂「男に二言は無いっ!」
♀「駅員って、『でもやっぱり』とかよく使うよね。二言だよね」
♂「手厳しいな。寒いのは気温ではなく、その冷たい言動ではなかろうか!」

2011年10月17日(月)
駅日誌(1721) 「幽鬼」

御化けなんて無いさ 御化けなんて嘘さ 寝惚けた人が 見間違えたのさ♪
だけど一寸 だけど一寸 僕だって怖いな 御化けなんて無いさ 御化けなんて嘘さ♪
   〜童謡「おばけなんてないさ」より〜

♂赤鬼「おおおおおっ!!!」
♀青鬼「え? え!? 何!? 何!? どうしたの?」
♂「玄関を開けたら異様に背の高い人が立って居る! ……と思ったら、玄関脇の洗濯機の上に部屋干ししていたロンTだった」
♀「幽霊の 正体見たり 枯れ尾花、ってやつだね」
♂「いつもと、干し方の配置が変わったせいだな……ドキドキ」
♀「あんたさあ、顔の割には案外怖がりだよね」
♂「いや、俺とて幽霊なんかは全く怖くない。と言うか、信じていない。だが、2mもありそうな人間が玄関開けて脇に立っているように見えたら、怖かろう。それが幽霊ではなく、人間だから怖いわけだ」
♀「ふうん。人間に見えた服も、幽霊に見えた服も大差ないと思うけど」
♂「幽霊と言えば、今年の震災直後の繁華街はネオンの落ちた暗い町に人々がぞろぞろ大量に歩いていて、まるで幽鬼の群のようだったなあ」
♀「もしかしたら、その中の何割かは実際に幽鬼だったりしてね。シックスセンスみたいにさ」
♂「主要都市の中心部で夜中でも人がほっつき歩いているのは、それなりに明るいからだ。暗い所に蠢く人の群れは不気味そのもの」
♀「それを見ている側も同じ場所をほっつき歩いているわけだけどね」
♂「不気味と言えば、あんな状態を作り出しておいて、賠償金を電気料金に乗っけようという東電の魂胆」
♀「前にも写真載せたけどさ、せめてこれくらいの事やれよ、と」

♂「いやいやいやいや、こんな事を本当にやったら、ふざけているのかと大バッシングだろうが!」

2011年10月16日(日)
駅日誌(1720) 「国盗」

司馬遼太郎の名作、国盗り物語。美濃の蝮、斎藤道三を描いた(道三死後も人気ゆえ連載は続き、信長編まで続行)小説です。そして、その名前を使った、ケータイ国盗り合戦。日本全国を600箇所に区切った位置情報ゲームです。

♀青鬼「度々、日記でも触れられているけど、駅員@地獄三丁目駅は結構やっているようだね。遠方に行く時は、国盗りが欠かせない、とか」
♂赤鬼「現在の所、200国ちょっと。1/3を制覇している事になるな。だがしかし、色々な企画が出て来るので、ただその主目的の600国制覇を目指す以外にも色々やる事があるのだ」
♀「『夏の陣』とか、『リゲインコラボ企画』とか、『チャンバラ』とか……特に、今、国盗り合戦で最もホットなネタが『チャンバラ』みたいだね」
♂「出て来る新規画像、アバター、アイテムやゲームシステム等、色々な面で随分大掛かりなものだ。運営会社マピオンの意気込みが強く感じられるのだが……」
♀「だが?」
♂「ゲームの構造が、ディーエヌエーのモバゲーにあるロワイヤルシリーズによく似ているのだ」
♀「ああ、怪盗ロワイヤルとかその他諸々みたいなやつね?」
♂「基本的に、あのロワイヤルシリーズは、虚飾を削ぎ落とせば、どれもやっている事は殆ど同じなのだ」
♀「ああ、そうだよねえ。怪盗ロワイヤルでの『盗む』に当たる所が、決闘だとか何とか色々違ったりはするけど、それ以外のフレームワークは全く一緒だとも言えるよね」
♂「それと、金を投じた者が大きく有利になるという所もそうだな。まあ、運営会社も道楽でやっているわけではなく、ビジネスだからやむを得ない事なのだが」
♀「で、国盗り合戦のチャンバラもそれと似たようなものだ、と」
♂「そうだ。まだ始まったばかりなのだが、早くも食傷し始めているぞ……」
♀「果たして、いつまで続けられるのやら?」
♂「しかし、その一方で、実は早くも金はちょっと投じてしまった。終了間際の『夏の陣』企画の方で、密書を集めるというゲームがあるのだが、特典の出る200巻目前なのだ。ラストスパートのために、金を投じ、その余分を『チャンバラ』に投じた。何となく、ドーピングみたいで好ましくない感じがするので、これまでは大震災の義捐金以外では金は投じて居なかったのだが……」
♀「何だかんだと言っても、術中にはまっているんじゃないの。御利用は計画的に」

2011年10月15日(土)
駅日誌(1719) 「龍」

発売日に学校を休んでまで並んで買う者が出るという社会現象にまでなったドラクエシリーズですが、その最初の作品「ドラゴンクエスト」(T)が発売されたのが1986年。それから25年目の今年は記念イベントが沢山あるようです。その一つとして六本木ヒルズの森美術館で記念展が開催されています。

♀青鬼「これってさあ、最近Wiiで発売されたTUVや、次回作]のプロモーションだよね、要は」
♂赤鬼「まあ、言ってしまえばそうなんだが……ドラクエに触れた事のある人間なら、それなりに楽しめる企画だ。遊びの要素もあり、期間限定の小テーマパークと言える」
♀「チケットは1800円。だけど、六本木ヒルズの展望台や森美術館のもう一つの企画展『メタボリズムの未来都市展』にも入れるんだね。割と得なチケットではあるか」
♂「開場に入ると、先ず冒険の書という冊子を貰える。そこにはビンゴゲームのように折り曲げるタイプの選択肢の付いたクイズが5問。内部の展示に即したクイズが出て来る」
♀「よくある形ではあるけど、4種類あるんだね……ドラクエVの戦士・武闘家・僧侶・魔法使いから選ぶ、と。それぞれ、クイズは異なるみたいだね」
♂「凝っていると言えば凝っている。駅員@地獄三丁目駅は、武闘家を選択。昔リアルタイムでやったファミコン版Vでも、わざわざ武闘家を入れていた程、好みの職業のようだ」
♀「当時は、ロム容量の都合か、スタンダードの勇者・戦士・僧侶・魔法使い以外の職業は扱いが酷かった覚えがあるけど? 武闘家が装備できる物は、は敵の遭遇率が上がっちゃう黄金の爪を除けば、鉄の爪・武闘着が最強という」
♂「だって、魔法使いより恰好良いじゃないか……」
♀「それだけ?」
♂「素早さが高く、会心の一撃もよく出る」
♀「内部はシリーズとその政策背景に関する展示や、モンスターの巨大フィギュア、対竜王戦のアトラクション。その間で冒険の書のクイズの箇所を折り曲げて行くと、5問正解だとクリアで、『勇者の証』なる缶バッジが貰えるという」
♂「凝っているのは、その缶バッジを付けて再度入場すると、勇者の冒険の書を貰えるという点だ。複数回来場させる仕組みだな」
♀「バッジを貰った後は、物販とルイーダの酒場。ルイーダの酒場はレストランだね。これは、六本木にある同名のドラクエ居酒屋みたいな所からの出張出店みたい。大して美味しくないけど、52階からの景色が見える所での食事は良いかも」
♂「うーむ、一言多い。美味しくなくても、コンセプトに沿ってメニューにして頑張っているではないか」
♀「それにしても、ガンダムの30周年とか、カップヌードルの40周年とか、近年アニバーサリー物の企画が多いよねえ」
♂「ふむ、確かにそれは興味深い事だ。懐古主義的になっているのかも知れない。高度成長期からバブルにかけて登場した物は、矢張りパワーがあるのかも知れないな。そして、それに肖っている現代か」
♀「失われた10年(20年とも)とそれ以前は、日本人に非常に重くのしかかっている格差なのかも知れないね。東京事変に『乗り気』という曲に『リピーター率の多さが決定打のショッピングは、身体機能を鈍らせる麻酔剤』というのがあるんだけど、まさにそうなのかもね」

2011年10月14日(金)
駅日誌(1718) 「苛々色々」

生きていると人は色々な苛々にぶつかるものです。さて、私が最近感じた色々な苛々を、♂赤鬼♀青鬼に挙げてもらいましょう。

♂赤鬼「無力感からの苛々。今日、海浜幕張に行ったのだが、その駅周辺の地面のタイル状のブロックの破壊され具合(黒いアスファルトで補修済み)と、それが発生した当時に何も出来なかったという無力感」
♀青鬼「義憤? 駅員@地獄三丁目駅ってそんな大それた人間だっけ?」
♂「職責からの苛々。ブレイクスルーを拒む、定年を待つだけのおっさんの面倒臭がりな言動」
♀「おっと、結構まともな事で苛々しているみたいだね」
♂「機械への苛々。PCや携帯、スマートフォンの動作が遅い時」
♀「あ、そういうのだったら……洗濯での苛々。洗濯したての服をよく見ると、染みが出来ていた時。ガネーシャの呪い!」
(駅員註:印度で買ったガネーシャの赤いTシャツを白いワイシャツと一緒に洗ったら赤い染みが! 以降、別口で洗うようにしています)

♂「連続して機械への苛々。携帯電話を自宅に忘れた時に限って、比較的長距離を動き、携帯国盗り合戦が進められなかった時」
♀「電車での苛々。電車で足を投げ出している男。学生か会社員風が多い」
♂「電車での苛々。電車の端の席で、横の枠に汚いケツを乗せる奴」
♀「電車での苛々。電車のドアから出る時に、まるで自分を押しのけるように出る癖に歩きが遅くて、結局その人を追い越すのに労力を使う時」
♂「電車での苛々。改札での似たようなケース」
♀「……あのさあ?」
♂「うん?」
♀「駅員って、やっぱり人間がちっちゃいよねえ!」
♂「敢えて言おう、カスであると」

2011年10月13日(木)
駅日誌(1717) 「Hot spot」

You always know my SWEET SPOT.
You conjure up my voice down deep inside.
And all I know is you play me right.

  〜東京事変「スイートスポット」より〜
「スイートスポット」というのは、ゴルフクラブでボールを打つ時に最もよく飛ぶフェイスの位置の事を言います。テニスラケットや野球バットにも同様にあります。野球で『芯で捉えた』なんて言いますが、あれはスイートスポットで打てたという事です。東京事変の一つ前のアルバム「スポーツ」に収録されている曲は、極力スポーツに関連付けたタイトルになっていて、これもその一つなのです。
さて本題は、「スイートスポット」ではなく「ホットスポット」……何やら良さげな響きの言葉ですが、ある数値が高く出る位置なんかを指す言葉です。今回は悪い意味で高い数値が出たスポットです。

♀青鬼「夏前に話題になったよね。ホットスポット……放射性物質が周囲と比して高く出るスポットが、原発付近ではなくてもあちこちにあるという……」
♂赤鬼「それ、自分の家がホットスポットになっていたりしたらたまらんぞ。そういえば、このところ咳がよく出るのだが……」
♀「それは、季節の変わり目による風邪気味状態だからどうでも良いとして……」
♂「冷たい。秋深まる夜の風よりも冷たいぞ」
♀「最近、首都圏でも世田谷区に2μSv/h越えのホットスポットが見付かったそうだね」
♂「福島第一原発から出た放射性物質は、もうあちこちに飛び回っているのだろうな……世田谷区や渋谷区は比較的標高が低い。雨水等が流れて行きやすい? という事なのだろうか?」
♀「いや、どうやら、今回のは原発事故とは関係なさそうだよ。住宅の床下にあった瓶と棒から高い放射線量が測定されているとの事。その瓶が30μSv/hオーバーなんだとか」
♂「30!? 1で大騒ぎしているのだろう?」
♀「持って行った線量計が30までしか測れない物だから30オーバーとしか分からないけど……この瓶が一体何なのかが気になるね」
♂「瓶自体が被曝している瓶なのか? それとも瓶の中に放射性物質が詰まっているのか? それとも、そんな瓶など存在しないとも考えられるが?」
♀「瓶が存在しない? 瓶があったって言っているけど?」
♂「そう言っているだけかも知れないし、誰かがわざわざ作った瓶かも知れない」
♀「その説の真偽はともかく、故意に『高い放射性物質を出す瓶が見付かった』という情報を流して得をする、または損を免れる人でも居るの?」
♂「原発事故に関わらず、放射線量の高い場所なんて、普通にありふれているという事にしたいのか……?」
♀「或いは、線量計が売れると得をする人間が居るとか?」
♂「例えば、原発事故以降、線量計を製造している会社の株式を大量に買った人間が、思ったより線量計が売れず株価も上がらず困っていたとしたら、どうだろうか?」
♀「情報を操作出来る側に、そういうインサイダーみたいな野郎が居るって事?」
♂「可能性を色々考えれば、幾らでも妄想出来てしまうな。続報を見ない事には何とも」
♀「とか言いながら、明日からどのメディアも忘れたように取り上げなくなったりして」
♂「それはそれで非常に怖い事が隠されたかのようになるわけだが……」

2011年10月11日(火)
駅日誌(1716) 「花巻」

宮城に「石巻」と書いて「いしのまき」という地名があるため、私はてっきり岩手の「花巻」は「はなのまき」だと思っていました。しかも、誤りを知っても、ついつい口が滑って「はなのまき」と言ってしまいます。嗚呼、これが加齢というやつか……
さて、今日の日誌は昨日の日誌の続きで、8日〜9日の東北旅行2日目、はなのま……もとい、はなまき。

♂赤鬼「舌が勝手に覚えてしまうというのはあるよなあ……例えば、埼玉スタジアムと埼玉スーパーアリーナ。言ったそばから言い間違えたのに気付くような、『埼玉スタジアムで誰某のライブ』だの『埼玉スーパーアリーナで日本代表戦』だの」
♀青鬼「それはないでしょ……でも、舌が勝手に覚えるというのはあるよね。だから、受験テクとして、舌に覚えさせるというのも一手だよ。微かな口パクによる再生が可能。言語に関する記憶なら、記憶力拡張になるよ」
♂「ほほう、君はそんな技を使っていたのか? 試験中に口パク?」
♀「……って、駅員@地獄三丁目駅曰く。口パクと言っても、口の動きが分からないような細かい口パクだよ。人に見せて伝えるわけではないからね」
♂「さて、夢のような東京事変DISCOVERYライブ盛岡の明くる日は、花巻観光だ。本当は遠野に行こうと思ったのだが、電車に乗り遅れた。車社会の地方都市では電車の本数が少ないのだ……」
♀「花巻も良いじゃない。宮沢賢治の街だね」
♂「そうそう。花巻周辺は宮沢賢治一色だ。で、宮沢賢治記念館と、童話村という所に行ってみた。前者は比較的学術的な博物館、後者は子供連れで遊ぶような公園だ」
♀「宮沢賢治記念館……入口周辺に『猫の事務所』をモチーフにしたオブジェが並んでいるから、ソフト路線かと思ったら、賢治の研究した事や生原稿中心のハードコア文学路線! 正直文学の博物館はイマイチかも? というのも、文学は文学作品そのものを愛でたいよね、やっぱり」
♂「ファンならば生原稿を見たいというのも分かるがな……逆に言うとファンという程でもない者にはなかなか厳しい所かもな」
♀「でも、そのすぐ近くにある『注文の多い料理店・山猫軒』は良いよね。面白い」
♂「ちゃんと、『どなたもどうかお入りください。決して遠慮はありません。ことに太ったお方や若いお方は大歓迎いたします』とあるぞ」
♀「きゃー! ホラーレストラン!!」
♂「とは言え、中はレストラン兼御土産屋という牧歌的な店だった」
♀「坂道を下ると、童話村。ここは全体的には無料で遊べる公園だけど、『賢治の学校』という施設だけは有料だよ。でも、ここがなかなかぶっ飛んでいて面白い。まさにB級テーマパーク」
♂「最初の白い部屋は芸術的なのだが、以降サイケな世界に突入して行く。これはこれで面白い」
♀「幼い子供が泣き喚いていたよ……」
♂「宮沢賢治の世界観は、そこはかとない暗さ、不気味さ、怖さがあるからなあ。正常な反応なのだと思うぞ」
♀「前日の東京事変のステージ演出のような破壊力はあるよね」

2011年10月10日(月)
駅日誌(1715) 「平泉」


この土日に、岩手県に行って来ました。目的は二つ……@東京事変「大発見」レコ発ツアー盛岡、A岩手観光平泉&花巻。この駅日誌(1715)は、その内の「岩手観光」の平泉編です。

♀青鬼「世界遺産に指定された平泉に行くというのもなかなかミーハーだねえ」
♂赤鬼「今回は東京事変がメインなのだ。で、折角岩手に行くのなら、というわけで平泉だ。ライブは18時開場なので、8日は朝から新幹線に乗って、一旦、一ノ関で降りて平泉に」
♀「基本的に車社会だから電車が少ないよね。ニーズが限られているわけだからしょうがないけど」
♂「平泉到着後、徒歩で中尊寺方向へ向かう。先ずは、通り道にある毛越寺高館義経堂へ。奥州藤原氏を頼りに落ちのびた源義経最期の地だ。祠に、義経像が祀られているのだが、それより注目なのが、すぐ近くの資料館的建物にある金剛力士像。笑っちゃ悪いが、不格好で不格好で。これはこれで恰好良い仏像よりも注目に値するぞ」
♀「それが上の写真なんだね。義経像の写真もしっかり撮ったくせに、よりによってこっちを載せるか……」
♂「駅員@地獄三丁目駅の人間性が表れているな。さて、義経堂を後にして、メインの中尊寺へ。麓の土産物屋兼食事処で昼食。流石に世界遺産に指定されただけあって、客の入りは多い」
♀「ミーハー……と言いたい所だけど、元々観光客は多い所だし。三連休だと世界遺産指定前からこんなものかもね。駅員は数年前に行った事があるんだけど、その時も結構混んでいたみたいだよ」
♂「気になるのは、世界遺産に指定されたにも関わらず、外国人が居ない事だ」
♀「大地震と原発事故の影響なのは間違いないよね。本来なら、世界遺産指定前から外国人も来る観光地だよ。指定後にはもっと増えてもおかしくない」
♂「東京では外国人はザラに見るが、外国人から見れば、日本の、それも東北地方は今のところはまだ行くべき所にはなっていないのかも知れないな」
♀「中尊寺には、○○堂が沢山鳴って、それぞれ観音菩薩や薬師如来、大日如来等を祀っているね。その中で注目なのが、弁慶堂と、峰薬師」
♂「弁慶の像があるな……でかい! 峰薬師というのは、健康祈願の薬師如来でも特に目に良いそうだな。だが、『め』と書かれた絵馬が並んで居る図は、最早サイコの世界だぞ」
♀「幟の下にある目も怖いよ! つげ義春の漫画『ねじ式』で異様に眼科の看板が並んでいる通りが出て来るんだけど、それみたいな不気味さがあるよね……」
♂「覆堂の中にある金色堂と、旧覆堂、宝物館・讃衡蔵を見て下山。讃衡蔵には仏像が沢山あって楽しかったが、金色堂とここは撮影不可」
♀「金色堂は流石に金ぴかだね。本当は中の仏像群をもっとじっくり見たいけど、流石に最も混んでいて、それは難しかったね」
♂「各御堂の前に御守りや土産を売っている店があったが、それぞれに朱印があるようだ。朱印帳による寺巡りはよくあるスタンプラリーなのだが、中尊寺では中尊寺で完結するスタンプラリーもやっているのだろうか」
♀「それはそれでやってみると面白かったかもしれないね」

10月8日に平泉観光の後、盛岡東京事変ライブへ。一泊の後、花巻観光をしたので、花巻も書こうと思ったのですが、長くなり過ぎますので、花巻編は、明日の日記に。

2011年10月10日(月)
駅日誌(1714) 「大発見」

この土日に、岩手県に行って来ました。目的は二つ……@東京事変「大発見」レコ発ツアー盛岡、A岩手観光平泉&花巻。この駅日誌(1714)は、その内の「東京事変ライブ」の方について、です。

♂赤鬼「ライブコンサートを見聞きしに、はるばる盛岡までか……秋の東北。なかなか乙なものだ」
♀青鬼「夏の人間椅子『此岸礼讃』レコ発ツアーでもアクティブだったけど、今回も思い切って行ったね」
♂「人間椅子はその気になれば割と簡単にチケットが手に入るが、東京事変はそうはいくまい」
♀「人から譲って貰ったようだよ。それもファンクラブチケットだから、かなり前の方の席、8列目」
♂「そこならば、よく見える位置だろうな。駅員@地獄三丁目駅は、以前生林檎博に行った事があるが、その時は随分後ろの席で、椎名林檎が非常にミクロにしか見えない位置だったな」
♀「早速内容に……冒頭はアルバムでも1曲目の『天国へようこそ』から。椎名林檎は色々な歌い方があって、駅員の中では特徴的な分類として、フェミニンバージョン、巻き舌バージョン、拡声器バージョン、美空ひばりバージョンといった脳内分類をしているんだけど、1曲目は美空ひばりバージョンがちょっと入っている感じの歌い方だったね」
♂「何だその分類は……自作自演屋らしいと言えばらしいが。本人は美空ひばりを尊敬(俺は、リスペクトなんて言葉は使わねえぞ、と)しており、ソロ名義ではカバーもしている。このバージョンは好きではないという人も居るが、これはこれで味があって良いぞ。全部がそうなると厳しいがな」
♀「以降、空が鳴っている、風に肖って行け……と、全曲に触れると長くなるし、楽曲に触れている日記は方々にあるだろうから、割愛。今回は演出について」
♂「椎名林檎/東京事変は、舞台演出が凝っている事でも有名だ」
♀「幕を上手く使っているよね。冒頭1曲目は、丸々幕をを下ろして、隕石か何かが次々に落ちて爆発しているという映像を映写し、その後ろで歌っていたよ。幕から透けて見えるという形で」
♂「幕が上がって、全員が白い衣装と、椎名林檎は頭に水牛の骨を加工してトリケラトプスみたいにした、みたいな被り物」
♀「アルバムのコンセプトに沿った衣装ではあるよね」
♂「やがて、何曲目かアウトロ中に幕が下りて、その影が映っている状態で、やがて陰の動きが早まったり遅くなったりして……」
♀「幕が上がると、メンバーが黒に衣装替え。着替える時間時間稼ぎだけど、序盤の隕石の後ろで透けて見えるというのが伏線になっているというトリックだね」
♂「黒い衣装の時は、メンバーが黒に白いラインが入った服装で、椎名林檎は黒のコートで前を留めている姿。このコートの感じは、間違いなく、東村山音頭形式が来る……」
♀「東村山音頭形式って……要は志村けんが白鳥を隠して着物を着ている姿同様、中に着ていてそれを出すという事だね。他に表現ないの? 『女の事は誰でも』でコートを抜いで、派手なピンクに」
♂「因みに、黒衣装時に歌った『ハンサムすぎて』では眼鏡を装着していた。これはグッズ販売の眼鏡と関係しているのだろうな。グッズの種類が豊富すぎて衝撃だ。駅員は、旗とTシャツしか買わなかったが……クレジットカード使用可能。ライブ会場の物販でカードが使えるというのは、俺は初めて見たぞ。こういう言い方をしては何だが、もしかしたら、ライブは『東京事変』というブランドを売る為の販売促進活動に過ぎんのかも知れん」
♀「その見方は面白いかも……言われてみれば、商業に乗っかっている全てのミュージシャンが、本質的にはそうなんだよね。ライブはCDその他を売る為の販売促進活動なわけだよ。見も蓋もない言い方をすれば」
♂「さて、黒の衣装の途中で、いきなりステージ後方の階段が電光掲示板の如く光り出した。恥ずかしながら、光るまで全く気が付かなかった。最初からあんなのあったか? と」
♀「駅員が鈍いだけかかもしれないけど、手品におけるミスリードの手法が使われているのかもね」
♂「続いて、テレビの放送時間終了時の砂嵐やカラーバーが映った後、水色の衣装で登場」
♀「つい先程の白〜黒〜ピンクの大人orちょいエロ路線から、一気に少女風。髪型、髪の色、ヒール高さ等も関係するんだろうけど、衣装替えでここまで変わるか、と」
♂「その衣装で最も盛り上がる美味しい所をやり、アンコールへ」
♀「アンコールでは、インディオ風の被り物とボディコン。メンバーも統一感の無い、共通項は『煌びやか』という衣装。椎名林檎はもう30代なんだけど、綺麗だよね」
♂「一つ気になった事がある。終演後、ドラムの刄田綴色が、足を引きずって歩いていた事だ。あの浅い座り方で足に負荷が掛かって疲労しているだけなのか、それとも負傷しているのか?」
♀「東京事変随一の暴れん坊(逮捕歴あり)……オイタは程々に」

2011年10月7日(金)
駅日誌(1713) 「拍子木」

帰り道、カン、カン、カンと拍子木の音が聞こえてきました。火の用心の見周りか? つい先日まで暑い暑いと思っていたらもうそんな季節なのか、と思っていると、法被を着た三人組が往来に立っているのが見えました。が、どうも様子がおかしい……? 三人組のうちの一人が懐から紙を取り出して、何やら読み上げています。戸締り用心火の用心の文言ではなく……天理教の御勤めでした。

♂赤鬼「日本国では信教の自由が認められている。やらせておけば良かろう」
♀青鬼「そうなんだけどね。勧誘とかはして来ないし」
♂「天理教は、形式的には神道に近いが、天理王命という神だけを信奉する一神教だ。新興宗教にしては歴史は古く、江戸時代終盤には成立したようだ。悪い噂はあまり聞かないし、創価学会やエホバの証人よりは害はなさそうだ」
♀「その二つは、駅員@地獄三丁目駅も勧誘された経験があるみたいね」
♂「創価学会の厄介な所は政教不分離という点だ。そのくせに、靖国神社参拝に対しては『政教分離に反する』と主張する。どっちやねん、と。筋が通っていないんだな」
♀「筋が通っていない事って、世の中には多いけどね。エホバの証人は反輸血のスタンスが嫌だよね」
♂「自らが天国に行くために教義を守る事と、目の前の人命を秤にかけて、前者を選ぶ者が天国に行くのは、ラクダが針の穴を通るよりも難しいと思うのだがなあ……」
♀「何よりその二つの宗教が厄介なのは勧誘だよね。前者は集票のために電話掛けてきたりするし、後者はいきなり訪ねて来る事があるし」
♂「あと、他の宗教で、勧誘ではないが、学生時代に繁華街で待ち合わせ中にいきなり若い女性に声を掛けられて御祈りをしてしまった事があるぞ。盟主様(?)有難う御座います、と」
♀「ああ、あったあった。けど、最近それをやっている人居ないよね……潰れたのかな?」
♂「何者かよく分からないうちに、御祈りさせられた」
♀「御祈り『させられた』って所が良くなくて、色々規制されるようになったのかな?」
♂「調べてみると、どうやら『明主様』らしい……世界救世教を中心に、分派が色々あるみたいだな」
♀「ところで、若い女性に声を掛けられて、と言ったけど、下心で御祈りしたんじゃないの? 最低……」
♂「まさか。待ち合わせをしており、且つ当時は携帯電話を持って居なかったので、下手に動けなかったのだ」
♀「動かなくても断れるよね?」
♂「そりゃあそうだが、粘られたら厄介だろう?」
♀「ふ〜ん? じゃあ、おばさんやおじさんでも祈った?」
♂「そのシチュエーションなら、祈ったかもな……今になって思うと、何をやっていたんだろう、と思うが」

2011年10月6日(木)
駅日誌(1712) 「仕事」

希臘――ギリシャって漢字でこう書くんですね――ギリシャ危機。2007年〜2008年のリーマンショックに端を発した金融危機から回復してきたと思ったら、ギリシャで巨額の財政赤字が明るみに出ました。これがギリシャ危機。債務不履行=破綻を国家が起こしてしまうギリギリの所になってしまったのです。それが世界に波及し、経済危機を招いています。
かの借金&無駄遣い大国のアメリカでも、リーマンショックと今回のギリシャ危機の煽りを食い、人々がウォール街でデモ活動をしているそうです。「ウォール街を占拠せよ」を合言葉に、格差是正を訴えるデモです。
「金融マンたちが高給を取っておきながら、経済を混乱させて我々を苦しめているではないか!」というような。
失業率が高止まりしているせいもあり、そこには、Jobsの文字もよく見えます……が、これはJobの複数形、仕事です。


♂赤鬼「How many Jobs have we lost?」
♀青鬼「And now,we lost Mr.Jobs...」
♂「待て待て、そのMr.Jobsは、ミスタージャイアンツみたいな意味での表現ではなくて、人物名だな!? 亡くなったそばから不謹慎だ」
♀「彼の人生は、アップルコンピュータに注ぎ込まれて幕を閉じた。Mr.仕事とも言えると思うけど?」
♂「それはそうだが……」
♀「あと、彼が産み出した製品、サービスにより、仕事も無数に世に出来ている筈だよ。遥か極東の日本企業も沢山部品を作っているし」
♂「なるほど。それにしても、逝去のニュースと同時に、アメリカ人が言っていそうなコメントだな」
♀「さて、56歳の若さで膵臓癌で亡くなったわけだけど、これは矢張り働き過ぎて無理が祟ったのかな?」
♂「立場が立場だけに心労も半端ではなかっただろうな」
♀「多忙、心労……それと、もしかしたら、電磁波も?」
♂「電子機器や通信機器が発する電磁波が人体に悪影響を与えるというのは度々話題になるが、うーむ、それもあるのだろうか?」
♀「電磁波を発する製品を沢山扱っていると、まあ、常人よりは沢山浴びているんじゃない?」
♂「いや、電磁波と発癌性との関連性はまだハッキリとはしていないぞ」
♀「でも、ベジタリアンの食生活をしていたのに、内臓の癌になるとは……」
♂「どんな健康的な生活をしていてもポックリ逝く者も居れば、どんな乱れた生活をしていても長生きする者も居る。それは絶対ではなく、複合的要因から来る確率論でしかない。人生は一度きりだが、確率論なのだ」
♀「虚無的だね。そういえば、ジョブズは禅宗なんだってさ」
♂「え? そうなのか?」
♀「攻撃的な言動もあるし、もしかしたら、道元の正法眼蔵の英訳なんかも読んでいるかもね?」
♂「正法眼蔵は案外攻撃的な事が書いてあるからなあ……禅か。死を前にした心境はどうだったのだろうな」

2011年10月6日(木)
駅日誌(1711) 「京阪」

東京と言えど、関西人のコミュニティはあるものです。私、駅員@地獄三丁目駅も関西出身なので、その会合に行ってみました。

♀青鬼「はあ? 駅員の出身地は、近畿ではあっても関西ではないよね?」
♂赤鬼「君は、人を攻撃するのが好きだな……どS!」
♀「え? 踏み躙られたいの?」
♂「それはそれで、もしかしたら、快感に繋がるかも?」
♀「きもっ!!!」
♂「ゴホン……で、関西人の飲み会だ。新宿御苑前にある関西人が店長の店だ……しかし、ちゃきちゃきの江戸っ子はそういう地方コミュニティを毛嫌いするのだろうな……」
♀「いや、多分そんな事ないよ。他の地方出身者を愚弄する東京人は、十中八九、三代住んだ江戸っ子じゃないよ。ちゃきちゃきの江戸っ子は人情があるから。地方に住めなくなって逃げて来た下賤の者だよ。そんなのを馬鹿にするのは」
♂「そうなのか?」
♀「だと思うけど?」
♂「思うってだけか!」
♀「ええやん、適当で」
♂「おっと、急に関西弁」
♀「可愛いやろ?」
♂「似非関西弁程、腹立たしいものはない! イントネーションが全く違う!」
♀「あれ? 文字媒体ではイントネーションなんか分かんないじゃん……」

2011年10月3日(月)
駅日誌(1710) 「地獄」

どういうわけか大抵の宗教に、死後善人は救われ、悪人が苦しむという天国と地獄という概念があります。普遍的無意識。ホモサピエンスに共通する深層心理が表層に浮き出て来たものが、この概念だと思います。無論それはこうあって欲しいという生理的な願望の表れに過ぎないのかも知れませんが……

♂赤鬼「面白い物を買ったぞ……ジャン! 絵本・地獄」
♀青鬼「ちょっとちょっと、表紙にあんたの親戚がデカデカと出てるじゃないの? あたしは? あたしは出て来ないの?」
♂「出てるぞ。髭を生やしているから男だがな。太い煙管を吸っているぞ。君の喫煙は親戚譲りか?」
♀「これ、ヘビースモーカーの伯父さんかなあ……? もう何百年会ってないからなあ」
♂「伯父さん、姪っ子はこんなに立派になりました!」
♀「何なのよ、恥ずかしい! 絵本の内容は地獄巡りみたいだね」
♂「冒頭は主人公が牛頭鬼と馬頭鬼に地獄に連れ去られる場面からだ。だが、そのページの鬼の絵は何だかいい加減な絵だなあ……夜逃げ屋みたいだ」
♀「死者を大八車に積んで行くんだね」
♂「その後は三途の川を渡って、閻魔庁へ。だが、これは絵本である。狙いは、子供に命の大切さを伝える事にある」
♀「じゃあ、メインは賽ノ河原?」
♂「その通り。一つ積んでは父のため、二つ積んでは母のため……だな」
♀「もし、子供が夜眠れなくなっても面倒を見られるのなら、是非読み聴かせて欲しい本だね」
♂「だがしかし、難しい固有名詞を平仮名で書いているから、音読みは難しそうだぞ」
♀「噛んじゃいそうだね。これ読み聴かせている時に下を噛んで死んだら、どこに行くんだろうね?」

2011年10月2日(日)
駅日誌(1709) 「神仏」
 

世の中は様々な災厄、不条理で溢れています。この世には神も仏も居ないのか!? それとも、神も仏も本当は目の前に居るのか? ……なんて、高尚なテーマで書くとでも思ったか、この野郎!! ……えーと、今日は土曜日に行ったディープな夜遊びについてです。

♂赤鬼「うーむ、好きな人にしか理解不能な夜遊びだな」
♀青鬼「先ずは、仏像ナイト。渋谷にある、SUNDAY ISSUEというギャラリーカフェのような店で開催された、仏像部という集団主催の、仏像好きの仏像好きによる仏像好きのためのイベントだよ」
♂「流石、世界的サブカルチャーの街、東京。こんなコアなイベントでも大盛況とはな。それも案外女性が多い」
♀「パワースポット巡りが流行ったからね。仏像に魅せられた人が沢山居て当然」
♂「まあ、美術館に行くのが好きなのも、女性の方が多いからな。必然かも知れん」
♀「内容は、仏像クイズ、現役若手住職による活動報告、仏-1グランプリ、坂原弘康氏による珍な仏像スポットトーク」
♂「ほう、盛り沢山だな」
♀「仏像クイズは聴衆参加型のクイズ、住職は自分の寺の縁起と仏像レスキュー活動について、仏-1は予選通過者による「仏像プレゼンテーション」決勝戦、坂原弘康氏は元々『まんじまる』という名義で活動していた神社仏閣ライターだよ」
♂「まあ、学術的な部分にもアプローチしようと思ったら、『まんじまる』」という名前では辛いよなあ……御笑い仏像巡りだけなら『まんじまる』で良いのだが」
♀「最近は高齢者向けカルチャースクール講師もしているんだってさ。その場で『まんじまる』と名乗って居たら、軽く見られそうだよね」
♂「それにしても、マニアックだ」
♀「クイズも滅茶苦茶コア。なのに、ガンガン正解出す人も居て驚いたよ」
♂「駅員@地獄三丁目駅は仏像の種類には興味があるが、『何寺の』という部分には疎いから弱々だ」
♀「でも、仏像についてちょっとでも興味がある人には御薦めのイベントだよ。嗚呼、世の中にはこんなに仏像好きが居て、自分が仏像好きなのは奇異な事ではないのだ、と安心出来るしね」
♂「18:00〜21:00まで仏像ナイトに行った後は、23:30〜高円寺でハードロック喫茶ナザレスだ」
♀「渋谷〜高円寺だと、30分もあれば余裕で着いちゃわない? どうしてたの?」
♂「飯を食ったり、高円寺商店街のヴィレッジヴァンガードを物色したりしていた。で、23:30からナザレスだ」
♀「人間椅子の鈴木研一がDJを務めてHR/HMだらけの一晩だね。駅員@地獄三丁目駅は洋楽に然程詳しくないから、知らない曲が多いんじゃない?」
♂「だが、だからこそ価値があるとも言える。知っている曲ばかりならば、わざわざ眠い時間に金を払って聴きに行く事も無かろう?」
♀「そうか、摘まみ食いから開拓出来るという事か」
♂「で、朝までHR/HMとホラー映画三昧。プロジェクターでは基本的にCDやレコードのジャケットを映すのだが、この所、ホラー映画を無音で映している」
♀「へえ」
♂「今回は“DAY OF THE DEAD”と“DIARY OF THE DEAD”だったな」
♀「見なくても、ゾンビから逃げる映画だという事はすぐ分かるね。それもB級の」
♂「だな……だがしかし、時にこれが掛けている音楽とシンクロするから面白い。例えば、DAY OF THE DEADで学者がゾンビを調教しようと試みるのだが、電話機と触らせた時に、QUEENの“RADIO GAGA”が掛かっていたのは結構シンクロしていた」
♀「ふうん、そんなもんか」
♂「いや、もっとピッタリなのもあったぞ。曲は忘れたが、同じくその学者がゾンビにラジカセで音楽を聴かせて、再生ボタンと停止ボタンの概念を思い出させようとしていたシーンで、曲が終わるピッタリのタイミングでゾンビがボタンを押した!」
♀「たまたまなんだけど、そういうのって面白いよね。例えば、目の前に全然違う電話で喋っている二人が、まるで会話しているように聞こえる時とか」
♂「あるある。脅威のシンクロ率! 初号機のシンクロ率が異常です!! みたいな」
♀「きもっ、ヲタク的表現。さて、最後に高尚なテーマにも触れておこうか。仏像ナイトの店は禁煙だったの。駅員は喫煙者だから、度々外に吸いに行った。向かい側の公園に喫煙所があったからね」
♂「ほう、東京児童会館の隣の美竹公園だな」
♀「浮浪者なのか何なのか、一杯人が座り込んでいたんだよね。で、喫煙所の横のトイレに行くと、水道からホースで水を取ってて、その先では、何やら炊事をしていた」
♂「そんなもの、ホースを引き抜いて、手を洗え!」
♀「揉め事になっても面倒じゃん? 仏像ナイトに迷惑を掛ける事になるとまずいし……暫くして再度喫煙所に行くと、児童館の前に人が群がって、発泡樹脂のボウルで何かを食べていたよ」
♂「それを調理していたわけだな」
♀「でも、その人数が半端じゃなく多いの」
♂「成程、炊き出しだったのかもな」
♀「食うに困っていない人々が酒を飲みながら仏像を愛でているビルの、道を挟んだ向かい側では浮浪者が炊き出しで飢えを凌いでいる……ちょっと不条理を感じたよ」
♂「勝手に憐れむ事こそが失礼かも知れんぞ。選択肢の無かった者も居るかも知れんが、多くはそれを選んだか、選択を放棄したかのいずれかだろう」
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