2012年3月度目次 (御意見御感想は掲示板にどうぞ)→

 #1783 「銀幕寸評」 “ドラゴンタトゥーの女”。
 #1784 「帝国」 インカ帝国展。
 #1785 「黙祷」 3月11日の黙祷。
 #1786 「鯰」 地震に関する俗説。
 #1787 「渓谷」 東京23区にある渓谷。
 #1788 「蕎麦」 山形の板蕎麦。
 #1789 「卒業」 アイドルの卒業とそれを醒めた目で見ている自分。

  by 駅員 @ 地獄三丁目駅

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2012年3月29日(木)
駅日誌(1789) 「卒業」

卒業シーズン……は、もう終わったか。春休みシーズンですね。先日、JR舞浜駅で降りる用があったのですが、駅の周りはディズニーランド/シーに来た春休みの学生と思しき若者で溢れ返って居りました。
そんな春休み最中の今週の頭に、AKB48の前田敦子が卒業宣言をしました。私はその翌朝のニュースでちょっと見た程度なのですが、その発表のあった会場は随分な騒ぎだったようです。
どういう経路でアップされているのか分かりませんが、YOUTUBEでその卒業宣言時の音声(映像は静止画でした)を見てみると、結構凄まじい様子が伝わります。
観客の大声が随分聞こえました。中には「う゛ぉ゛え゛え゛え゛」なんて、嘔吐しているんじゃないかという声まで。アイドルのファンというのは、凄いものです。古今、アイドルの引退や解散といった場は沢山ありましたが、きっとこういう感じだったのでしょうね。

しかし、AKB48というアイドルグループから抜けるだけで、芸能活動は続けるのでしょう。そこまで嘆かわしい事なのか……?
先月末には、私が好きな椎名林檎の属するバンド、東京事変が解散しましたが、衝撃的ではある一方、「ソロ活動に戻るだけだしなあ」と何処か醒めた自分も居たのは確かです。
こういう風に思ってしまうのは、私のファンとしての心構えが浅いという事なのでしょう。或いは、年を取って若々しい熱さが無くなってしまったのかも知れません。思えば、昔は割と小さな事で怒ったりもしていましたが、最近はそういう事も無くなりました。一喜一憂・喜怒哀楽からの「卒業」? しかし、それは、「大人になった」と言う程、良い事ではないような気もします。

2012年3月28日(水)
駅日誌(1788) 「蕎麦」

私は面食い……もとい、麺食い。饂飩・蕎麦・ラーメンが好きです。
山形に出張に行ったのですが、山形って蕎麦の店が多いんですね。しかも、美味い。矢張り寒い所は良い蕎麦が取れるのでしょうか。
食べたのは「板蕎麦」。麺箱のような長方形の蒸籠に載せられたもりそばです。こういうスタイルもこちらの流儀なのだとか。
盛り方は違いますが、この器は、山形同様日本海側にある隣の県、新潟にある「へぎそば」にも通じるものがあると思います(へぎそばは一口サイズごとに並べて海面の波のように盛ってあります)。
春になったとは言え、山にはまだ雪が残っており、風が吹くと寒い山形でしたが、温かい蕎麦よりも、その「板蕎麦」が旨そうで旨そうで……
 
人気店なのか、昼時には客が沢山。歯応えと蕎麦の風味がシッカリしており、美味でした。

異論は大いにあると思いますが、私は蕎麦は矢張り「かけ」ではなく、冷たい「もり」で食べたい人間です。温かいものならば、饂飩の方が好きです。
今、「板蕎麦」で調べてみると、恵比寿周辺に沢山店がある様子。今度、そういう所でも食べてみようかな。
しかし、食の細い方はどうか御注意を。板蕎麦はだいたい盛り三枚くらいあると思います。私は面食いではありませんが、麺食いなのです。

2012年3月26日(月)
駅日誌(1787) 「渓谷」

東京都世田谷区等々力には、渓谷があります。そのものズバリ「等々力渓谷」。日曜日に行って来ました。
「トドロキ」で「ケイコク」なのです。危険な香りが……だがしかし、等々力駅の周辺は閑静な住宅街です。
駅からすぐ、有り難いのか呪われているのか分かりませんが切られていない巨木があります。その脇の路を行くと下りの階段があり、そこから渓谷に降りられます。渓谷と言っても、小さな川があり、その両サイドが切り立っているという場所なのですが、木も茂っており、なかなかです。川には鴨が泳いで居ました。
 
古墳や不動明王もあります。まさに、ミニチュア渓谷・ミニチュアパワースポットといった風情です。これはこれで都市部の人間が気軽に行ける自然、ですね。

とは言え、川にはゴミが落ちており、近くのブロック塀には落書きも……怪しからん!! と言いたいところですが、かの世界遺産タージマハルにさえ、ゴミや壁に彫った文字なんかもあったしなあ。古今東西何処にでも愚者は居るという事なのでしょうか。
 
↑滝にあった不動明王もミニチュア……ちゃんと寺と本尊もあったのですが、硝子戸越しの暗い所って見えないんだよなあ……右は地蔵と観音。なんて言うか、胸板厚いです。小ぶりな石造ですが、マッチョ系。

2012年3月14日(水)
駅日誌(1786) 「鯰」

古来、日本では鯰(ナマズ)が暴れると自身が起きるという俗説があります。俗説と言いながらも、現在の科学でも完全に否定出来るものではないのだそうな。無論、鯰が自身を起こしているのではなく、鯰は素早く自身を感知するという意味合いで、ですが。どうも、鯰は電気に敏感だそうで、プレートが歪むに発生する電磁波を読んでいるのかも知れません。
では、地震を引き起こしているのは? 大陸移動説のプレートの歪みです。だがしかし、本当にそれしかないのでしょうか?
東日本大震災から一年余り……今日は北海道青森沖で地震による津波が発生し、夕方には千葉沖でそこそこのこ強い地震がありました。この一年くらい、オホーツクプレートの下に潜り込んでいる太平洋プレートがボコボコしている、というそれだけなのでしょうか?

「地震兵器」なるものがあるそうです。そのメカニズムは私は良く知りませんが、例えば、xyzの三次元の軸にレーザーを照射し、その3本のレーザーが交わる所で衝撃を発生出来るとすると、地中に衝撃を発生させる事が出来るわけです。それで人工的に地震を起こす事は出来るのではなかろうか? では、それを仕掛けるとしたら? 日本がダメージを追って得をする国?
う〜む、鯰の地震感知より遥かに胡散臭い俗説ですね。これは都市伝説か……

2012年3月13日(火)
駅日誌(1785) 「黙祷」

先日の日曜日、3月11日で震災から一年。14時46分には黙祷をした人々も居たようです。
私は、丁度その時には昨日の日記で書いた科学博物館に居りました。14時46分頃は、恐らく恐竜の骨格などを見ていた頃かと。同行者が疲れたと言うので、同行者を座らせて、一人で。一時間半も放置してしまっていたようです。科学博物館に入るのは二度目ですが、なかなか面白い場所です。なので、ついつい。とは言え、方や死者を悼み黙祷している人がいる一方で、同行者さえほったらかしにしてしまう自らの冷たさよ。反省。

さて、黙祷と言えば、3月11日には、ツイッター黙祷なんてのもあったそうですね。即ち、14時46分〜47分の一分間は呟かない、と。わざわざそんなムーブメントが起こるなんて……そんなひっきりなしにツイートしている人が結構居るという事でしょうか。
私も一応ツイッターのアカウントは持っているのですが、久しくツイートはしていません。しかし、私がツイッターに登録したのは、実は震災がキッカケだったりします。その状況下で、被災地で或いは節電地域で私の職業領域の知識で役に立てる事は無いかと思い、それ関連のツイートを展開しました。あれが少しでも役に立ったかどうかは分かりませんが……
それにしても、もう一年も経ったのか。私は一年前から何か変わったのか? 何も変わっていないのか? 人間は2週間もすれば体内の細胞が全て入れ替わると言いますが、何もかも変ってしまったのか?

2012年3月12日(月)
駅日誌(1784) 「帝国」

暫く更新をさぼっていたので、今回は二本立てです。二つ目は、先週末に行った「インカ帝国展」。マチュピチュ発見100年記念展だそうで、それを何かで見かけて行きたいと思っていたのです。場所は上野。国立博物館かと思っていたのですが、科学博物館の方でした。
インカ帝国の歴史と文化についての企画展です。その興亡の歴史を辿りながら、その生活、文化、統治形態に関する展示が並びます。
そのみっちりと組まれた石造りの建造物の精緻さには目を惹かれますが、道具や武器の類は……私はイマイチでした。こりゃ、ピサロのせいだなあ。その金合金の装飾品類が金買いにされずに保存されていたら、さぞかし面白かったろうに……
それでも一際異彩を放ちインパクト大なのが、ミイラ。数体のミイラがありましたが、全て膝を抱える様な恰好で顔を手で覆っています。そういう様式だったのでしょうが、このポージングのせいか、今にも呻き声を発しそうな不気味さがあります。布袋に入った状態で出土しているそうで、髑髏やそれに貼り付いた皮膚の残骸よりも更に恐怖を感じるのが、袋の、丁度下に顔がある辺りに描かれた漫画的な顔。ミイラそのものよりも、その顔が描かれた袋の中に死体が入っているという事に恐怖を感じました。
また、驚きだったのは、脳外科手術が行われていたらしいという頭蓋骨。コカの葉を麻酔代わりに、切れない刃物で切開するとか!! 恐ろしい……出鱈目かと思いきや、成功したと思しき頭蓋もあるのだとか。
そして、どんじりに控えしは、模型と3DCGで再現したマチュピチュ。行ってみたくなります。

さて、インカ帝国には車輪・鉄器・文字が無かったそうです。これは、他の地域の文明と比べて、かなり異質とも言えます。近隣のマヤ文明やアステカ文明には、物凄い複雑な文字があるのに。不思議です。私は、神話の共通性や文明の共通性等、普遍的無意識というものに興味があるのですが、必ずしも普遍的と思われている要素がそうだとは限らないのかも知れません。

2012年3月12日(月)
駅日誌(1783) 「銀幕寸評」

この所、日記の更新頻度が減っております。楽しみにして下さっている方(居ないか!?)、申し訳ありません。というわけで、今日は早く帰ったので、二本立てとします。一発目は先週末ではなく先々週末に観た映画について。下記、タイトルの右の☆は私の個人的評点で、5ッ☆満点です。

「ドラゴンタトゥーの女」 ☆☆☆☆
ミステリー? ホラー? スリラー? まあ、エンターテインメント作品ですね。
オープニングから恰好良い映像が始まります。LED ZEPPELINの“Immingrant Song”(移民の歌)をバックに、石油のような真っ黒な液体を基調とした綺麗な映像が流れます。このオープニングだけでも見る価値はあるかと(\1,800円でこのオープニングだけでは困りますが)。
主人公は、その背中にドラゴンのタトゥーが入った女(ルーニー・マーラ)……と、言いたいところですが、雑誌記者(ダニエル・クレイグ)が主人公です。特に、前半はこの雑誌記者が中心に話が進みます。部隊はスウェーデン(オープニングの歌が合っています。「移民の歌」の歌詞を知らなかったのですが、今見てみると、バイキングの歌なんですね)。億万長者の金融業者に対する記事で名誉棄損の判決を食らった記者は、その出版社を追われる事になるのですが、そこに仕事の依頼が入ります。そこで依頼された仕事は、40年前の失踪事件の真相究明。富豪の一族の住む島に住み付いての調査が始まります。
その合間合間に、ドラゴンタトゥーの女の人となりが描かれるエピソードが挟まれます。青白い顔と黒ずくめの衣類にピアスだらけの姿、人を寄せ付けないその外見とその性格、普段の生業が描かれて行きます。
やがて、記者は自分を追い込むための調査をしたその女を発見し、助手にする事になります。そこまでが長く丹念に描かれていて、この二人の主人公が出会うのは、随分後ろになります。時計を見ていたわけではありませんが、後半になってからだったと思います。
一つ一つのしぐさや表情が非常に映画的です。この複雑なプロットもそれらを見せるための装置に過ぎないのではないかとさえ思われます。そして、劇中で見せるドラゴンタトゥーの女のスタイリッシュで奇矯とも言える言動の数々でさえ、ラストシーンで見せるあの顔を引き立たせるための装置に過ぎないのではないかとさえ……ここまで言うと言い過ぎでしょうか。
ストーリーも凝ったものですが、このドラゴンタトゥーの女のキャラクターだけでも魅力的です。恐らく、続編が作られるのではないか? と思っています。
一方、謎解き部分は、置いてけぼりにされている感がありました。写真を検分するシーン等が随分早く展開し、追い付くのがやっとという感じです。更に、その富豪一族を始めとして登場人物が多く、しかもパッと見似ている人が多くて、「こいつ誰だっけ?」となってしまう事も。「駅員よ、老いたな。昔の日本人が洋画を観たような感じだ」との誹りを否定はしません。が、見て貰えれば言いたい事は分かって貰えるかと思います。
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